1・正夢の日

敵のロボが、機体のバランスを崩した。
鋭く光る何かが、飛んできたからだ。

それは刀か剣の部類だと、彼は把握していた。
刀か剣のような武器は一定の距離で方向を変え、戻ってきた。
刺しにかかったと思えば、標的の彼から外れて…何者かが棹をキャッチした。

刀剣の動きが止まった所で、敵のロボはすぐに周りを見た。
愛嬌市内方面の上空に、2体のロボットが。

『2体…?』
(1体は奴だろう。黒い方はそうだ。だが、もう片方の白い方は何なんだ…?)
敵のロボは困惑した。
だって白いロボットとは、彼は初めて出会ったのだから。

『悪いんやけど。』
黒いロボである武人の声。
『お前には俺やなくて、この子らと戦ってくれへん?』

この子“ら”…?
敵のロボの目の前には、2体のロボしかいない。
武人が紹介したのは1体。
“ら“が付くのはおかしい…と疑問に抱いたが、考える余地はなかった。
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