1・正夢の日

☆☆☆

愛嬌湾。愛嬌市西部に広がる大きな青い海とも呼べるもの。
その湾上で漂うロボットがいた。

未衣子達を公園で襲うつもりだった、敵のロボだった。
彼は武人の約束を守り、ここまでやってきた。

同時に、30分経っても来ない場合は、襲撃をしてもいいとも言われた。
時間の概念は、短く感じる時もあれば、長く感じる時もある。
今の敵のロボは、「30分」が長く感じた。

いや、そもそもこのロボは地球の時間の概念がわかるのか?
このロボと武人に倒された残りの5体は、宇宙から降りてきた。
おそらく、時間も気候も環境も、地球とは異なるだろう。

『本当に来るのか?あの男は。』
湾上についてから、ずっと宙に浮いていた敵のロボ。
何も起こらないので、暇で退屈していた。
…約束を忘れたのか?

そう思った彼は武器を手にした。
アニメでよく見るライフル銃だ。
『ま、いっか。そろそろ攻撃しかけても…うおっ!?』
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