1・正夢の日

和希兄ちゃんが叫んでも、ジェット機は緊急停止などしなかった。
まずい、潰れてしまう。
私も兄ちゃん達も限界を感じて、目を瞑った。

すると、モニターが強く光った。
目に入れると痛くて失明してしまう程の、強力な光。
光のおかげで、周りは何も見えなかった。
やがて、強力な光は消えていき、私達は顔をあげることができた。
というより、ジェット機がぶつかって押し潰されるのでは…と怯えていたのに。

私達は生きていて、しかも無傷だった。
『しまった。ヘルメットだけでも持ってきたらよかったわ。』
少し距離を離して男の人が言った。
見上げても、モニター画面に変化はなかった。

いや、なかったように見えた。
上部に《Docking Mode》と青く点滅され、その右側にはロボットの全体図が。

『のっぽの兄ちゃんがメインで乗ってるのが、【パスティーユ・スカイ】という素早さ重視の機体や。』
男の人の説明だ。
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