1・正夢の日

男の人に言われて私達は、左右のレバーを握ろうとした。
無事握る事はできたけど、その手を離そうとする程に、後ろに引っ張られる。
誰も引っ張ってないのだけど。

ジェットコースターは小学生の頃1度経験したけど、その勢いに比べてもこのスピードは速い。
スピードに気をとられ過ぎて、別の問題には全く気がつかなかった。
気づいたのは和希兄ちゃん。
真正面のモニターの右下に、和希兄ちゃんが映る。
声を上げる勇希兄ちゃんと比べて、歯を噛み締めて抑えてるけど、やっぱりスピードに飲まれて変顔している。

和希兄ちゃんが気づいた問題。
私も勇希兄ちゃんもようやく気づいた。
モニター右に黄色が映る。
妙に近づいてきている。

これは、もしかして。
「ぶ、ぶつかる!?」
『大丈夫や!ジェット機はそんなんで壊れへん!』
「近すぎるぞ!こっちは下から勇希と未衣子の分が来ている!』
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