1・正夢の日

『うおっ!?』
敵のロボが思わず声をあげ、少し身体のバランスを崩した。
ロボの右の肩部に火の弾が当たったらしい。
ロボは肩部を左手でおさえた。
その隙に移動したのか、一人の男が私達の目の前に現れた。

男は両手を広げ、私達を迎えた。
私は男を見た。
助けてくれる人物を見ただけなのに。
何年も似たような内容しか見れない夢を、思い出していた。

目の前の救助者と、夢の中で戦う男の人に、親近感を覚えた。
私は証拠のない確信をしていた。
(そうだ、この人だ。)

「大丈夫か?」
男の人の声で、私は彼のお腹に抱きついた。
2人の兄も腕を掴んでいる。

「未衣子?」
勇希兄ちゃんは不思議に思ったかもしれない。
初めて出会った男の人に抱きつくなど、普通はあり得ないのだから。
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