1・正夢の日

武人は今にも不安定な足場にいるのにも関わらず、アレッ クスと他愛ない会話を交わした。
「敵はまだ残ってないな?」
「シャトルの周りはもういないが...!?」

アレックスの表情が一変した。
「どうした?」
「くそ...逃げたな、1匹。」
「何?」
シャトルのレーダー反応によると、敵のロボは全部で6体発見されている。
武人が倒したロボの数は全部で5体だった。
アレックスの推測では...残り1体は逃亡、という状況になる。
上空周りを見渡す武人だが、ロボらしき影は何一つなかった。ならば...。

「下に降りたな。」
「そんな...被害状況を...」
「俺が降りる。耳は付けてるから指示あるんやったら怒鳴ってくれ。」
「ま、待て!先に場所を...」

アレックスが言い切る前に、武人はシャトルから降りて... 地上へ落下した。
武人の身体構造を知るアレックスは死にやしないと思いつつ、消えた男を心配した。
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