1・正夢の日

それは運命だった。
家族ぐるみで遊園地に出かけた時、災害レベルの事件が発生した。
みんなが悲鳴をあげて逃げ回るなか、私は母の腕に抱えられながら、後ろを覗いた。

黒くてでかいものが、戦っている...。
その記憶は、時がたってもずっとこびりついた。

あれから10年の月日がたった。
言葉も行動もおぼつかなかった私は、今は中学生になった。

それでも...いつも似たような夢を見る。
黒い巨大の正体はロボットで、黒髪の男の人が変身して... 私達を守ってくれている。
私はずっと、夢の中の男の人を信じている。

夢の話を2人の兄達や祖父母にする。
すると祖母がやめるように言ってきた。
怖い顔をして。
「いい加減にしなさい!」と。
私は何度も祖母に怒られているけど、 憧れの男の人の夢を見るのがそんなにいけないの?
怒られる理由がわからないよ。
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