お訪ね者
学校に遅れてでも行こうと準備をしていた。私服登校が大丈夫な高校。私服登校が大丈夫なため、私はロリータ服を着て登校することがしばしばあった。周りからの目は痛いが、結局自分が1番。私はロリータ服さえ着てれば最強だった。行きたくないという黒い感情が身体の奥底でふつふつと煮えたぎるのが分かる。それを抑えるようにと薬を飲んだ。
ピンポーンと、呼び出し鈴がなる。こんな時間に誰だろうと、私は立ち上がって待たせないようにと少し駆け足で玄関に向かった。扉を開けるのは意外と力強くなってしまった。恥ずかしい。と、顔を上げた先にはここら辺じゃ見慣れない、金髪に緑の瞳。硬いスーツに変わった眉毛の海外の方が立っていた。心臓が音を立てた。
その海外の方は焦ったように後ろを向き、ガサゴソと何かをしていた。そして私に1輪の真っ赤な薔薇を差し出してきた。
そして喋りだした。
「突然、その……、悪いな。ちょっと聞きたいことがあって」
その人は流暢に日本語を話した。私はそれにも驚いて、緊張していた。
「は、はい!なんでしょうか?」
「日本、いや本田菊の家を訪ねたいんだが、どこだかわからなくて」
私は本田菊様の家の隣人だ。だから、本田菊様の家はどこだか分かる。なのに余計なことを口走った。
「貴方は……?」
そんなこと、見ず知らずの私なんかに言うわけが無い。海外の方は「え」と声を漏らした。やってしまった。私は仕方なく時分が名乗ることにした。
「私は!芥川瑪亜です!」
「お、俺はイギリ、アーサー・カークランドだ」
「アーサーさんですか!本田さんの家なら案内できますよ」
そういうとアーサーさんは顔を明るくした。
「そうか!それは助かる!」
アーサーさんの少し照れくさそうな笑顔が心地よくて私まで笑顔になった。
「すぐそこですから」
そう言って本田様の家にアーサーさんを連れていった。アーサーさんは本田様の家を上から下まで見渡して私をもう一度見た。
「ありがとう。助かった」
「いえ、近かったですから」
私は「それでは」とアーサーさんにお辞儀をして、踵を返した。
すごく、綺麗な人だったな。なんて思いながら、熱くなる頬を抑える。
「そのドレス、」
私は振り返った。
「よく似合ってるよ。すごく美しい」
その時、世界に色がついた気がした。
ピンポーンと、呼び出し鈴がなる。こんな時間に誰だろうと、私は立ち上がって待たせないようにと少し駆け足で玄関に向かった。扉を開けるのは意外と力強くなってしまった。恥ずかしい。と、顔を上げた先にはここら辺じゃ見慣れない、金髪に緑の瞳。硬いスーツに変わった眉毛の海外の方が立っていた。心臓が音を立てた。
その海外の方は焦ったように後ろを向き、ガサゴソと何かをしていた。そして私に1輪の真っ赤な薔薇を差し出してきた。
そして喋りだした。
「突然、その……、悪いな。ちょっと聞きたいことがあって」
その人は流暢に日本語を話した。私はそれにも驚いて、緊張していた。
「は、はい!なんでしょうか?」
「日本、いや本田菊の家を訪ねたいんだが、どこだかわからなくて」
私は本田菊様の家の隣人だ。だから、本田菊様の家はどこだか分かる。なのに余計なことを口走った。
「貴方は……?」
そんなこと、見ず知らずの私なんかに言うわけが無い。海外の方は「え」と声を漏らした。やってしまった。私は仕方なく時分が名乗ることにした。
「私は!芥川瑪亜です!」
「お、俺はイギリ、アーサー・カークランドだ」
「アーサーさんですか!本田さんの家なら案内できますよ」
そういうとアーサーさんは顔を明るくした。
「そうか!それは助かる!」
アーサーさんの少し照れくさそうな笑顔が心地よくて私まで笑顔になった。
「すぐそこですから」
そう言って本田様の家にアーサーさんを連れていった。アーサーさんは本田様の家を上から下まで見渡して私をもう一度見た。
「ありがとう。助かった」
「いえ、近かったですから」
私は「それでは」とアーサーさんにお辞儀をして、踵を返した。
すごく、綺麗な人だったな。なんて思いながら、熱くなる頬を抑える。
「そのドレス、」
私は振り返った。
「よく似合ってるよ。すごく美しい」
その時、世界に色がついた気がした。