お訪ね者
朝いつも通りの時間目を覚ました。朝日が差し込む。眩しくて開かない目を無理矢理開けた。広がる白と黒の世界。黒いカーテン、白い家具、黒いテーブルクロス。私だけの世界。時計は7時40分をさしていた。学校はもう間に合わない。いつも通り遅れて登校する。やけに冴えてる頭で窓の外を眺めた。お隣の本田菊様が花に水をやってるのが見える。視線をベッドに戻し、クローゼットを見た。今日は何を着ようかな。そして並べられたロリータ服を見る。赤、黒、黒、白、赤。と偏った色のドレスが見える。どのドレスも主役のように輝いていた。
私はベッドから降りて、冷えた床を裸足を滑らす。1月の寒い日。私は身を震わせて部屋を移動する。洗面所につくなり、髪を梳かした。傷んだ髪は絡まってしまって上手く解けない。ヘアオイルの量を増やしてもう一度解かす。少し無理矢理だけど髪は解くことが出来た。巻いても癖のつかない黒い髪。メイクの施されていない酷い顔。私は目を逸らすように鏡の前から移動した。
もう一度自分の部屋に戻った。通ったリビングは 静かで薄暗くて寂しかった。親はもう仕事に出ている時間だ。妹も学校へ。リビングを通ると自分が独りだと実感するようで少し嫌だった。
部屋に戻るなり開いたクローゼットを見た。服特有の暖かいような匂いが鼻に広がる。重いドレスをずらして1着1着見ていく。今日はどれを着ようか。結局選んだのは赤い、英国風クラシカルドレス。ベルベットが暖かさを増してくれる。
ブラウスを着て、ドロワーズを履いて、ドレスを着て、パニエを履く。それだけでもう私の気持ちは高ぶった。自分もこのドレスのように強く美しい存在になれたような気がする。
ルンルンでメイクを始めた。メイクはもう慣れっこで、15分もあれば完璧に仕上げることができる。今日は薄めにメイクして、鏡を見る。さっきは考えられないくらい鏡を見るのが楽しい。
足取り軽く、リビングに向かった。やっぱり寂しさは拭えないけど、さっきよりは平気。お母さんの用意しておいてくれた朝食を食べた。電気はつけずに薄暗いリビングで。それが自分にとっての戒めだと思った。
そうして私のいつも通りの1日が始まった。
私はベッドから降りて、冷えた床を裸足を滑らす。1月の寒い日。私は身を震わせて部屋を移動する。洗面所につくなり、髪を梳かした。傷んだ髪は絡まってしまって上手く解けない。ヘアオイルの量を増やしてもう一度解かす。少し無理矢理だけど髪は解くことが出来た。巻いても癖のつかない黒い髪。メイクの施されていない酷い顔。私は目を逸らすように鏡の前から移動した。
もう一度自分の部屋に戻った。通ったリビングは 静かで薄暗くて寂しかった。親はもう仕事に出ている時間だ。妹も学校へ。リビングを通ると自分が独りだと実感するようで少し嫌だった。
部屋に戻るなり開いたクローゼットを見た。服特有の暖かいような匂いが鼻に広がる。重いドレスをずらして1着1着見ていく。今日はどれを着ようか。結局選んだのは赤い、英国風クラシカルドレス。ベルベットが暖かさを増してくれる。
ブラウスを着て、ドロワーズを履いて、ドレスを着て、パニエを履く。それだけでもう私の気持ちは高ぶった。自分もこのドレスのように強く美しい存在になれたような気がする。
ルンルンでメイクを始めた。メイクはもう慣れっこで、15分もあれば完璧に仕上げることができる。今日は薄めにメイクして、鏡を見る。さっきは考えられないくらい鏡を見るのが楽しい。
足取り軽く、リビングに向かった。やっぱり寂しさは拭えないけど、さっきよりは平気。お母さんの用意しておいてくれた朝食を食べた。電気はつけずに薄暗いリビングで。それが自分にとっての戒めだと思った。
そうして私のいつも通りの1日が始まった。
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