日常

 お昼の時間になってメアとミホークは昼食を取ろうと落ち着いたバーに入った。ミホークはいつも通りワインとステーキ、メアはチキンとサングリアを頼んだ。ミホークはごくごくと勢いよくワインを飲む。それに比べて少しずつサングリアを飲むメア。ミホークはメアを見た。
「なんだ、酒は飲めないのか?」
「……得意じゃないだけ。別にお酒好きだから」
 メアはそう言ってサングリアを飲む。チキンを口にした。チキンは安定に美味しい。
 なにやら外が騒がしい。ミホークも感じとったのかチラチラと扉を見ていた。ドンと扉が開いた。あーだこーだと騒いでる青い髪のピエロがバーに入ってきた。後ろには女の子もいた。ミルクティーの色をした髪を二つ結びにしたやはりピエロのような格好をした女の子。ミホークは顔を顰める。
 メアは呟いた。
「誰?」
 それが聞こえたのかピエロ男はメアに近づいてきた。
「誰がでかっ鼻だって!?」
「言ってないよ」
 隣の女の子は笑いながらピエロ男の肩を叩く。女の子はメアに「隣いいかな?」と言いながら座った。ピエロ男も女の子の隣に座る。
 女の子は笑顔でメアに聞く。
「貴方名前は?大物の男の人と一緒にいるってことは貴方も?私はニコ!海賊同士仲良くしましょ!」
 メアはあのピエロ男海賊なんだ。サーカス団じゃないんだ。なんて考えた。
「私はメア。よろしく」
 ニコはバーテンダーにカシスオレンジを頼んだ。隣のピエロ男はビールを。
「この人はバギー!私の船長!」
「あー、この人は、鷹の目のミホーク」
 メアがそういうとニコは「知ってる!世界最強の剣豪ジュラキュール・ミホークでしょ?」と言った。ニコは笑ってメアとミホークを見た。そしてメアの耳元で言う。
「付き合ってるの?」
 メアは笑う。
「まさか。そういう貴方は?」
 ニコはその言葉を聞くと顔を少しずつ赤らめた。そして小さな声で「いつかは……」と言った。その間バギーは大物海賊のミホークに驚いて体をバラバラにしていた。そしてビールを一気に飲んだ。さっさとこのバーから出たいようだ。メアはまだニコと話がしたかったため、バーテンダーに「青髪の男にビールを三杯」と言って足止めした。バギーはニコの肩に腕を回し耳元で何か話していた。ニコはまだ顔が赤く「バギー船!?」と驚いていた。バギーは見事三杯のビールをガバガバ飲み、ニコを連れて店から出て行った。メアはそれを名残惜しく見ていた。
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