日常

 メアは久々にぐっすり寝た。あくびをして、伸びをして。差し込む日差しを浴びて心地のよい朝を迎える。現在時刻午前5時。みんな寝静まる静かな朝。メアはペローナに借りた部屋着から自分の着ていた私服に着替えてリビングへ向かった。そこにはミホークがいた。しかしミホークは城の中だというのにコートを羽織って帽子を被っていた。黒刀夜は流石に背負ってはいなかったがすぐそばに置いてあった。メアは昨日のこともあったから少し身構えた。
 ミホークはメアを見る。
「来たか」
 そういうとミホークは立ち上がって黒刀夜を持った。ミホークはメアに言う。
「来い。街に出る」
 メアは歩き出したミホークに続いて歩いた。
「何しに街へ?」
 メアが聞くとミホークはメアを見た後視線を前に戻した。
「お前の生活用品を買いに行く」
「はっ!私があの城に長居するのでも?」
「ふんっこの俺から逃げられるのか?」
 メアが笑うとミホークも鼻で笑ってきた。確かに鷹の目ミホークから逃げるのは難しいかもしれない。ただしメアはなにがなんでも城から逃げるつもりだった。ミホークはメアを見て言う。
「まぁ、生活用品は買っておけ」
 メアは城を振り返って見た。
「あの人たちは置いていくの?」
「あぁ。ロロノアはすぐ迷子になるし、あの小娘は喧しい。置き手紙はしたし問題ないだろう」
 あの鷹の目が置き手紙。メアは小さく笑った。それを見たミホークは視線をメアからずらした。
 しばらくして船が見えてきた。あの棺船。ミホークはそこに軽々と飛び乗った。だからメアも後を追った。ミホークは船の上の椅子に堂々と座る。メアはそれにむっとしながら能力を使うことにした。
 ソウソウの実、創作人間。それがメアの正体だった。メアは自分の手から椅子を取り出した。流石のミホークもそれには驚いたのか顔には出さないがメアから目を離さなかった。メアはミホークの隣にドンと椅子をおいて座った。机も用意してティーカップとソーサー、ティーポットティーバッグ、お湯も創作した。そして優雅にティータイムが始まった。やりたい放題するメアにミホークは言葉を失った。
「なに、飲みたいの?」
 メアはミホークに尋ねた。ミホークの返事を聞かずにメアはミホーク分の紅茶を用意した。
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