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出会い

 メアと名乗った少女はミホークを睨んでいた。ミホークも猛禽類のような瞳でメアを見る。ペローナは沈黙に耐えられずメアの手を引いた。
「とりあえずお昼にしないか?私ベーグル焼くぞ!」
 ペローナは珍しく自分からそう提案した。甘いものがそこまで好きではないミホークは眉を顰める。メアはペローナを見た。
「私、甘いもの好き」
 それを聞いたペローナは嬉しくなってメアの両手を掴んで笑った。

 ダイニングに連れて行くなりペローナは自分の隣にメアを座らせた。クリームとジャムのかかったベーグルはメアの口にあった。メアは美味しいとペローナを見た。ペローナはそれに気を良くして何個もメアに食べさせようとした。メアは緑の髪の男がミホークと歩いてくるのに気がついた。緑の髪の男もメアに気がつき「あ?」と声を出した。緑の髪の男はメアを睨むからメアも睨み返した。ペローナは「おいお前!」と緑髪の男に声を荒げた。メアはだんだん緑の髪がマリモに見えてきた。そしてフッと笑って見せた。その場にいたペローナ、ミホークは思わず固まった。ペローナは「お前笑えたのか」と呟く。ミホークは赤ワインを片手に席についた。
 緑の髪の男は「何笑ってんだよ!」とメアの胸ぐらを掴む。ペローナはおい!と緑の髪の男の腕を引く。
 メアは笑って見下すように緑の髪の男を見た。
「ごめんなさい、マリモに見えて」
 そんな挑発的な艶美な笑みから発せられるマリモの言葉は可愛かった。
 緑髪の男は「だぁれがマリモだぁ!!!」と声を荒げた。ペローナはホロホロと声高らかに笑っていた。そんな中ワインを煽るミホークは喧しいと目を細めていた。
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