クロコダイル様。そう言ってクロコダイルを抱き締めた女の子はヘッドドレスつけた、人形のような女の子だった。女の子は無邪気に笑っていたが、そばにいるメアとニコに気がつくと少し警戒したように表情を強ばらせた。
「紹介する。これから世話になる奴の女と、邪魔になる奴の女だ。仲良くしろよ？」
クロコダイルはクロコダイルとは思えない声色で女の子にそう言った。ミホークも驚いたのかじっとクロコダイルを見ている。ニコは持ち前の明るさを振舞った。
「こんにちは！私ニコ！こっちは友達のメアちゃん！貴方は？」
女の子はビクッと肩を震わせた。その後クロコダイルの顔をじっと見つめて答えた。
「私はホナミ」
ホナミは抱きしめてる手を離してそう言った。メアはそういうホナミに頭をぺこりと下げた。
「よろしく！ホナちゃん！」
「ほなっ！？」
ホナミはニコの返答に驚いたように後ずさった。ニコは明るすぎてメアも直視できない。
「クロコダイル。こんな少女を匿っていたのか。どういう趣味か疑う」
ミホークは腕を組んでクロコダイルに言った。クロコダイルはというと、余裕そうに笑って煙草をふかしていた。
「それはお前も同じだろう。鷹の目」
クロコダイルはふとメアを睨むように見た。だからメアも睨み返した。
「ふん」
ミホークは何も言い返せないのか鼻を鳴らす。
「あぁでも」
クロコダイルは嫌味にメアに笑いかける。
「お前たちは捕食者と捕食される者か？」
ミホークはクロコダイルを軽く睨む。メアは結構本気で睨んでる。
「貴様らは誘拐した者と誘拐された者か？」
クロコダイルはぴくりと目を動かす。そして笑った。
「間違えてはねぇな」
「私が頼んだの！」
ずっと黙ってたホナミはそう声を上げた。ミホークとメアはホナミを見た。
「私が私を攫ってってお願いしたの！」
クロコダイルはぽんと大きな手でホナミの頭を覆った。クロコダイルはホナミを見つめて言った。
「俺が攫ったんだ。今や立派な俺の部下さ」
ホナミもうっとりとクロコダイルを見つめ返す。ミホークはそんな甘ったるい光景に帽子を深く被った。ニコはキュンキュンすると言わんばかりに口元に手をやってホナミを見つめている。
ホナミは満足気に頬を緩めてメア達に言った。
「女子達はこっちで話そっか」