関係

 ミホークに連れてこられたのはアマゾンリリー。あの、女帝ボア・ハンコックのいる島男子禁制の島。ミホークは男子禁制だと言うのに堂々と入っていった。ミホークはミホークを警戒する島のものに尋ねる。
「ボア・ハンコックはどこだ」
「妾はここにおる」
そう声がしたのは高見やぐらの上だった。ミホークは上を見る。ハンコックは想像の遥か上をいく美人だった。こんな人間が存在するのかと思うほど。ハンコックは高見やぐらから飛び降りてメアとミホークを舐めるように見た。
「要件はでんでん虫で伝えたろう」
「あぁ、わかっておる」
ハンコックはメアの腕を掴んだ。「うわ」とメアは声を上げた。めっちゃ美人な人に乱暴に腕を掴まれた。
「そなた、メアと言うらしいな?これからよろしく頼むぞ」
「はい?」
メアはハンコックの意味わからない言葉に声を漏らした。そしてミホークを見る。ミホークは帽子を深く被って顔が見えない。
「そいつを任せた。ボア・ハンコック」
「わかっておる。何度も言わせるでない」
ミホークはそのままコートを翻し、メアに背を向けた。
「ミホーク様!」
メアはハンコックの手を振り払ってミホークを見る。ミホークは振り返らない。
「どうして」
そんな声はミホークの元に届くことなく空気に溶けた。
ミホークはそのまま姿を消した。


「おい、メア。そなた、好きな食べ物などあるか?」
メアは黙ったままだった。それにムッとしたハンコックはメアの前に立った。
「そなた、後で妾の部屋に来い。いいな?」
メアは頷いてまた俯いた。

たくさんの料理が運ばれてきた。ここはハンコックの部屋。メアは食欲には抗えず料理を頂いた。ハンコックも少し安心した様子。
「私なんかに良くしてくださらなくていいのに」
「なに?」
ハンコックはいきなり立ち上がってメアを見下ろした。
「妾がお人好しでもてなしてると思っとるのか?ハンっ勘違いもほどほどにしろ!妾は鷹の目に頼まれたからこうしてるのじゃ!それに、そなたにも要求するものがある!」
「なんですか?」
「それは……」
ハンコックは徐々に顔を赤くする。そして座り込んだ。
「恋バナじゃ」
「へ?」
「恋バナがしたいのじゃ」
コイバナ?私と?
「私とですか?」
「そうじゃ」
「大した話ないですが」
ハンコックはメアに向き合う。そして頬を赤らめたままメアの手を握った。
「あるじゃろ!鷹の目の話じゃ!」
「ミホーク様の話?」
「付き合っとるんじゃろ!?」
「はぁ?付き合ってませんが?」
「なぬ!?だ、騙された!?」
誰に。騙したつもりは無いぞ。
「でもちょっと特殊な関係ではあります」
そういうとハンコックは期待でいっぱいの目をしてメアを見つめた。
「なんじゃ!やっぱりそうではないか!詳しく聞かせろ!」
ハンコックは食べる手を止めてメアに迫った。メアは水を飲んでゆっくり口を開いた。
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