関係

「ミホーク様」
 あの悲劇から約2年。メアがミホークをミホーク様と呼んでも違和感はなくなっていた。むしろそれが通常運転で、なんならミホーク様と呼ばない時はメアは怒ってることが多い。ペローナもいつも通りだと笑っていた。
 二年前と変わったことといえば、メアとミホークの関係だ。言葉には表せない関係だが、簡単にいうならセフレという関係を続けていた。
「メアは何歳なんだ?」
 ペローナはサングリアを片手にそうメアに尋ねる。興味ないと言わんばかりのペローナ。ゾロはというと、そろそろ自分の船長の元に戻ろうとソワソワしていた。ここ最近ずっと。
「うーん。正直途中から数えてないんだけど、16歳だと思う」
 空気が凍った。これにはゾロ思わずメアの方をぐるんと首を回して見る。ミホークはと言うと、ワインを飲む手を止めていた。メアはなに?と三人を見渡す。ペローナは今度、ミホークを見た。ミホークは顔を背ける。
「お前、」
 ペローナはミホークに何か言いたげにわなわなと口を閉じたり開いたりを繰り返した。
「お前、ロリコンかよ」
 そう、ペローナが言うのを我慢していた言葉をゾロは簡単に溢した。ペローナはゾロに「おい!」と怒鳴る。ミホークの表情は目元が暗くてよく見えない。メアは少しムッとした。そしてそっぽを向いた。
「年齢なんて海賊には関係ないでしょ?」
「それにしても……。何歳差だ?」
 ペローナは呆れ気味にミホークを見た。ミホークは俺は答えんと言わんばかりにワインを飲んでいた。そしてミホークはようやく口からワイングラスを離し、ポツリと言った。
「20は離れてるな」
 正しくはもっとだが。一回り、二回りも年上のミホークの相手をしていたメアは只者じゃない。いや、そんな小さな女を抱いたミホークも只者じゃないとペローナは思った。
「まぁ、只者じゃない同士丁度いいんじゃねーか?」
 ペローナは呆れ気味にそう言った。後ろのゾロも呆れていて、メアは少し居心地が悪かった。
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