猫の目の少女は銃をミホークに向けた。その手は震えていて顔色も悪かった。ミホークはそんな弱者に手を上げる気もおきず黒刀夜を鞘に収めた。すると少女はミホークの顔の真横に銃弾を放った。大きな音がしてペローナは小さく悲鳴を上げた。ミホークも目を見開く。これはわざとずらしたのか撃つ先が定まらずに撃たれたのかわからなかった。
少女の手から銃が落ち、少女はそのまま意識を失うようにミホークに倒れかかった。ミホークは思わずそれを支えたがペローナに城まで運んでこいと命令した。それを聞いてペローナは怒ったが、結局運べずミホークが少女を担いだ。


目が覚めるとベッドの上にいた。ふわふわのベッド、甘い香り、眩しい光。落ちる影。落ちる影？少女の顔を誰かが覗き込んでいたのだ。ペローナだ。ペローナはミホークに報告しに行った。
残された少女は部屋を見渡した。女の子の部屋のようだ。ベッドの横の棚には飲みかけのココア。きっとさっきのペローナが置いて行ったものだろう。コツコツとブーツを鳴らす音がする。｢入るぞ｣の声と共に扉は開かれた。そこに居たのは鷹の目をした男、ミホークだった。王下七武海、鷹の目のミホーク。少女でも知ってるその男は、今や無防備で呆れる。自分の銃がないことに気が付き尋ねる。
｢私の銃はどこ？｣
ペローナは｢喋った……｣と呟いた。ミホークはため息をついてことんとベッドの横の棚に置いた。私はそれを手に取るとミホークに向けた。ペローナはその様子を見て｢おい！助けてやったのになんだその態度は！｣と怒っていた。ミホークはじっとその鷹の目で少女を見る。
｢どこから来た｣
少女に質問してるとわかったため、口を動かす。
｢イーストブルー｣
｢なんのためにここに来た｣
｢好きで来たわけじゃない。私はただ海兵に海軍本部に来るように言われて｣
ミホークは眉を顰める。
｢海軍本部に？｣
｢私も分からない。なんのために行くのか｣
｢1人で海軍本部へ行くつもりだったのか？｣
｢まぁ｣
ミホークは俯いてる少女を見てため息をつく。
｢名はなんという｣
ミホークは少女に尋ねる。少女はポカンとした表情でミホークを見上げた。バチッと鷹の目と猫の目がぶつかる。
｢私の名はメア｣