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日常

 ある日、メアがシッケアール王国に来てしばらくして、ミホークの元に手紙が届いた。そう、王下七武海の会議の誘い。ミホークは顔を顰める。
「少し出る」
 ミホークはコートを羽織り、帽子を深く被りながらティータイムをしているメアとペローナに言った。メアはすぐにわかった。メアに悟られたくないことがあると。
「どこへ?」
 メアは言う。ミホークはますます深く帽子を被ってメア達に背を向けた。
「大したことじゃない」
 ミホークはそう言って歩き出す。ミホークの大きな手をメアは握った。
「海軍本部へ?」
 ミホークはメアの方を見て思わず口角をあげた。
「賢い奴め」
 ミホークはそう言ってため息をついた。そしてメアに「準備しろ。海軍本部へ行く」と言った。メアは急いで準備をした。

 棺船で着いたのはマリンフォード。海軍本部のある地。メアは思わず辺りを見渡した。ミホークは「置いていくぞ」と言って歩き出した。メアは後を追いかけた。海軍本部へつき、ミホークは会議室へ向かった。メアは入っていいのか躊躇ったがミホークに連れられて結局入ってしまった。でも何故かメアの分の椅子まで用意されていた。ミホークは座り、机に足をのせた。メアはとりあえず椅子に座った。どうやらミホークは一番乗りだったらしい。次に来たのは派手なピンクのファージャケットに金髪、奇抜なサングラスをかけたドンキホーテ・ドフラミンゴだった。ドフラミンゴはドスっと音を立てて椅子に座る。なぜかずっと口角をあげていて少し不気味だった。そして、心成しかメアを見ているように感じた。少し先から「フフフフフッ」と笑い声が聞こえる。メアは思わず顔をそらす。するとドフラミンゴが声を発した。
「随分と珍しいお客さんだなぁ?」
 ねっとりとした低音。それがメアの腹に木霊するようで気持ち悪い。
「おっと、無視か?お嬢ちゃん」
 どうやらやっぱりメアに話しかけていたらしい。ドフラミンゴはまた笑う。
「俺はお嬢ちゃんのことをよく知ってる。お嬢ちゃん以上になぁ?取引しないか?」
「なんの?」
 メアは挑発的に答える。正直逃げ出したいくらい怖いし気持ち悪い。しかしこういう奴こそ舐められないのが大切だとメアはわかっていた。メアはミホークに助けを求めるように見た。しかしミホークは目を閉じて助けてくれる気は無さそうだった。
「俺とお嬢ちゃんで協力しようってんだ。フフフッ悪い話じゃないだろう?お嬢ちゃん、知りたいんだろう?自分のこと。俺ならわかる。お嬢ちゃんのことが。この俺は闇に通じてんだ。情報ならいくらでも回ってくる。協力しようじゃないか」
 ドフラミンゴは得意げに笑う。サングラスのしたの瞳をギラギラ輝かせて。
「私になにを求めるの?」
 メアは言う。ドフラミンゴはより一層楽しそうに声をあげて笑った。
「その能力の一時的な利用」
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