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日常

 ミホークとメアは一通り買い物を終えた。大量の荷物が船に運んであって、チンピラたちが少し不憫に思える。ミホークはなんともないみたいな顔でワインを片手に椅子に座った。そして隣にメア用の椅子を置いて。
「椅子なら自分で作れるのに」
 メアがそう呟くと、ミホークは答えた。
「これは船に置いておく用じゃない。お前の部屋に置く椅子だ」
 ならなおさらいらないじゃん。流石のメアもそれは口に出さなかった。ミホークはメアにワインを差し出す。メアは不思議そうにそれを受け取った。
「暇つぶしに飲むか」
 そういうからメアは満更でもなく酒を煽った。


「んもう!なんで私を連れて行かないんだー!!!」
 ペローナはミホークの近距離で叫んだ。ミホークは涼しい顔をして耳を塞いでいた。ゾロも後ろで「うるせぇ!」と叫んでいた。
 ミホークは言う。
「お前を連れて行くと喧しい」
 連れて行かなくても喧しいけどねとメアは思ったが口に出さなかった。メアはショッピングバッグをガサゴソと漁った。
「メアの服は私の方がよく選べる!お前みたいなむさ苦しい奴が選んだ服なんか着るか!どうせ機能性重視なんだろ?ぺったんこの底のブーツとか勧めるんだろ!」
 ペローナは叫ぶ。ミホークは一瞬動きを止めた。メアはぺったんこの底のブーツを奥へ仕舞い込んだ。
「ペローナ」
 メアはペローナを呼ぶ。ペローナは怒りが爆発していて「なんだ!」とメアにも当たった。メアはショッピングバッグから大きなクマのぬいぐるみを取り出した。
「プレゼント」
 メアはペローナに差し出した。ペローナはきょとんとした顔でメアを見た。ミホークは「いつのまに、」と呟く。ペローナはみるみる顔を輝かせ、メアに抱きついた。
「なんだお前ー!かわいい奴だな!」
 その金切り声が耳元でするとメアの頭がツーンとした。結局その日はペローナを落ち着かせることに成功した。次の買い物はペローナと行くと約束をこぎつけて。
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