ここはシッケアール王国。ジメジメした空気に蒸し暑い日光。そんな国に1隻の船が漂流してきた。それを見つけたのはピンクの髪にまん丸の黒い瞳、可愛らしいドレスを身につけた少女だった。少女は声を張って男を呼んだ。
｢おい！鷹の目！｣
少女の声に｢なんだ｣と答えたのは鷹の目ことミホークだった。少女の名はペローナ。ペローナは焦ったようにミホークに近寄った。
｢船が来たぞ！｣
ミホークは船を確認するなり黒刀夜を鞘から引き抜いた。
｢ほう、切り刻むまでだな｣
そんなミホークの様子を見たペローナは焦って｢待て！｣と止めた。ミホークは何故といわんばかりにペローナを見る。ペローナは焦って言った。
｢ほ、ほら何か宝やいいものがあるかもしれないだろ？私が取ってきてやる！ワインとかあるかもだろ！｣
ワインと聞いたミホークは黒刀夜を鞘に収めた。ペローナはほっとして胸を撫で下ろす。そしてふよふよ浮きながら｢じゃあ見てくるなー！｣と船の中へ入っていった。
ミホークはしばらくペローナを待った。するとペローナの叫び声が聞こえまたも黒刀夜を構える。軽々とミホークは船に飛び乗り、ペローナの姿を探した。
ペローナがいたのは船の中。ミホークはそこで見つけた。船の中に横たわる1人の少女とそれを心配そうに見るペローナを。
ミホークが少女に近づくなり少女は目を覚ました。そして銃をミホークに向けた。ミホークも同時に少女の首に黒刀夜を構えていた。そんな戦慄としたビリビリとした空気にペローナは耐えられず尻もちをついた。
そんな少女の瞳はまるで猫の目のようだった。