アルカ編
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病院に向かうのに一番早いのは飛行船なのは大体想像がつくし、こちらに居場所を掴めないよう数機ほど囮を使うのも予定通り。ヒソカと一緒にキルアを捕らえるようイルミが命令するのも予想通り。
「こんなに勘が当たるのは久しぶりた。今なら宝くじ買ったら一等当たるかも」
飛行船を追いつつ立ち寄った街中に置かれているテレビの内容を頭に叩き込む。ハンター選挙のお陰で何処のテレビも選挙を放映してくれるのがありがたい。
「針人間を作らせてハンター協会にイルミを追わせる作戦か。まあ悪くないんじゃない」
ハンター協会の掟には幾つか抜け穴がある。基本的に同胞のハンターを殺してはならないが、悪質な犯罪行為に及んだハンターだけは例外なのだ。しかも今は選挙でゴタゴタしている上にゴンがいる病院はハンター協会本部と同じ街。民生の評価を得たいお偉いさんなら喜んでイルミ討伐をしようと何人もの人間が意気込むだろう。
特に胡散臭い笑顔を貼り付けている王子様なら悪者退治に身を乗り出す筈だ。「清凛隊」と呼ばれる組織を応援する振りをしつつ、手柄を横取りしようと暗躍しているに違いない。
「一致団結してこの悪質なるハンターを捕らえるべきです!私が会長に当選した暁にはこのハンターに関するあらゆる情報を公表し全力を注ぐと誓います!」
愚かにもゾルティックを敵に回す発言をしたこの男は未来が尽きたと同時に私の運命も決定付けられた。
「もしもしアイさんですか?一つ暗殺の依頼をしたいのですが」
「もしもしゴトー?バラスタ空港の飛行記録データにアクセスして。そんで病院を中心とする半径20〜30km程の地点に着陸する時間を炙り出しといて」
「かしこまりました」
脱落した人間を使っちゃいけないルールはない。家に回収されているだろうゴトーはすぐさまデータを送ってくれた。
「病み上がりなのにこき使って悪いね」
「…明日は大雪が降りますのでお身体を冷やさないようお気をつけ下さい」
「つまらない。次に電話するまでにもう少しユーモアのセンスを鍛えな」
「かしこまりました。次にお会いするまでにこのゴトー、命に変えてもアイ様を抱腹絶倒出来るジョークを作っておきます」
プチリと電話が切れた。あのヤンキーゴトーが笑いに振り切る事なんて出来るだろうか。ほんの少しだけ見たい気持ちをしまい込んで、送られたデータに目を通す。確かイルミは#ruby=密告者_のぞき屋#]を使っているんだっけ。ゴトーが計算した飛行船の速度からしてキルアが離陸する時間は夜半。そこから半径数キロ以内の何処かにイルミは待機しているんだろう。とするとヒソカにもキルアの居場所を伝えるだろうからキルアはヒソカとイルミと相対する筈だ。一応キルア側にはツボネやアマネがいるけどあの二人じゃ持って数分程度しか足止め出来ない。ナニカ無しのアルカは一般人に劣るからすぐに捕まるだろう。
「となるとやっぱりこれしかないよねえ」
