キメラアント編
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フィンクス視点
猫って生き物は自分が死ぬときにそっと姿を消すらしい。飼い主にめいいっぱい甘えた後にそっと立ち去るのだ。シズクとショッピングを楽しむアイを見て下らない雑学が頭をよぎった。
「お前死ぬ予定でもあんのか」
屋上で地平線に沈む太陽をぼんやり眺めていたアイはきょとんとしている。以前ならこちらに見向きもしなかったのに随分と素直になったものだ。
「近々。けど肉体が滅びても魂は消滅しないからフィンクスは悲しまないでしょ」
「それとこれとは別だろ。あん時お前泣きそうだったし」
「脳筋フィンクスが人の気持ちを察せるとは意外だ」
俺の隣で屈託なく笑う女はごく普通の一般人のようだ。暗殺なんて物騒ですなんて清楚なお嬢様に見えてきたせいか思わず笑い飛ばしてしまう。死体を足蹴にするこいつがお淑やかな訳ねえだろ。大爆笑している俺を見ているアイはひどく穏やかだった。今にも地面に叩きつけられそうな柵に命を預けている女は大胆にも上着を捲り上げた。霜が降りているなんてレベルではない。臍から大胸筋に向かって氷で素肌が覆われていた。咄嗟に持っていたライターを点火して肌に近付ける。風が吹いたせいで頼りなさげな炎は今にも消え失せそうだ。
「この世の熱じゃ消えない。念を使えば使うほど氷結は広まっていくし除念師を見つける頃には私はカチコチになっているよ」
人間いつかは死ぬ。明日も生きてるなんて絶対の保証はない。事実ウヴォーもパクノダも死んだ。寿命が長くないと言っている女は紛れもなく本音を言っているのだろう。ふと頬を伝った塩辛い液体が口に入った。っち、昨日のつまみが水になったみてえだ。
「他の奴には?」
「伝えるつもりはないね。感付いた相手にだけ話している」
アイの気性の粗さが綺麗さっぱり無くなっている。死を覚悟しているのか余裕たっぷりだ。惚れた女の死にみっともなく涙を流す俺とは正反対のアイを驚かせたかったから思い切ってキスしてやった。
「最後のお別れにセックスでもする?」
本当に臆病者だな俺は。娼婦には舌入れた大人のキスかますのに本命にはガキみてえに口くっつけるだけなんて。俺を至近距離で見つめるアイに動揺なんてこれっぽちもない。むしろ俺の理性を試すように自身の胸元に俺の掌を当てさせている。ちっくしょう本当にいい女だなお前。このまま欲に身を任せて一発ぶちかましちまえば腹の内に秘めた熱を発散できるんだろう。けどお前処女だから絶対痛がるだろ。俺のちんこでけえし。だからお前を好きな男に初めてをやってからもう一回誘惑してくれや。そん時は恋人より俺の方が好きって言わせるくらいドロドロに愛してやるよ。
「処女はめんどくせえからな。また今度でいいや」
アイに背を向けてドアに向かう。振り返っちまえば戻れねえからな。全てを断ち切るつもりであいつから遠ざかる。
「さよならは言ってくれないのか」
こんっの鈍感女が!!俺がどんなつもりで遠ざかっているか知りもしないで容易く揺さぶるんじゃねえよ!!殴ってやりたい衝動を全身で抑えつける為に立ち止まる。あと一歩前へと踏み出せばアイには二度と会えない。これが最後のチャンスだと痛い程知っているのに俺はやっぱり怖気づいちまう。
「また今度、な」
お別れなんて告げてやるものか。初めて会った時みたいに突如として俺の心を奪っていった理不尽な殺し屋にさよならなんて言ってたまるか。心底下らない男の意地を笑い飛ばしてくれたって結構。ただアイを大切にしたい俺の本音が一ミリでも伝わってくれればそれでいい。
「俺はお前と再会するって決めてんだ。死んだら殺してやるから覚悟しな」
ガキの捨て台詞に惚れた女はありがとうと囁いた。それでいいんだ。俺達に別れの言葉はいらないから。
猫って生き物は自分が死ぬときにそっと姿を消すらしい。飼い主にめいいっぱい甘えた後にそっと立ち去るのだ。シズクとショッピングを楽しむアイを見て下らない雑学が頭をよぎった。
「お前死ぬ予定でもあんのか」
屋上で地平線に沈む太陽をぼんやり眺めていたアイはきょとんとしている。以前ならこちらに見向きもしなかったのに随分と素直になったものだ。
「近々。けど肉体が滅びても魂は消滅しないからフィンクスは悲しまないでしょ」
「それとこれとは別だろ。あん時お前泣きそうだったし」
「脳筋フィンクスが人の気持ちを察せるとは意外だ」
俺の隣で屈託なく笑う女はごく普通の一般人のようだ。暗殺なんて物騒ですなんて清楚なお嬢様に見えてきたせいか思わず笑い飛ばしてしまう。死体を足蹴にするこいつがお淑やかな訳ねえだろ。大爆笑している俺を見ているアイはひどく穏やかだった。今にも地面に叩きつけられそうな柵に命を預けている女は大胆にも上着を捲り上げた。霜が降りているなんてレベルではない。臍から大胸筋に向かって氷で素肌が覆われていた。咄嗟に持っていたライターを点火して肌に近付ける。風が吹いたせいで頼りなさげな炎は今にも消え失せそうだ。
「この世の熱じゃ消えない。念を使えば使うほど氷結は広まっていくし除念師を見つける頃には私はカチコチになっているよ」
人間いつかは死ぬ。明日も生きてるなんて絶対の保証はない。事実ウヴォーもパクノダも死んだ。寿命が長くないと言っている女は紛れもなく本音を言っているのだろう。ふと頬を伝った塩辛い液体が口に入った。っち、昨日のつまみが水になったみてえだ。
「他の奴には?」
「伝えるつもりはないね。感付いた相手にだけ話している」
アイの気性の粗さが綺麗さっぱり無くなっている。死を覚悟しているのか余裕たっぷりだ。惚れた女の死にみっともなく涙を流す俺とは正反対のアイを驚かせたかったから思い切ってキスしてやった。
「最後のお別れにセックスでもする?」
本当に臆病者だな俺は。娼婦には舌入れた大人のキスかますのに本命にはガキみてえに口くっつけるだけなんて。俺を至近距離で見つめるアイに動揺なんてこれっぽちもない。むしろ俺の理性を試すように自身の胸元に俺の掌を当てさせている。ちっくしょう本当にいい女だなお前。このまま欲に身を任せて一発ぶちかましちまえば腹の内に秘めた熱を発散できるんだろう。けどお前処女だから絶対痛がるだろ。俺のちんこでけえし。だからお前を好きな男に初めてをやってからもう一回誘惑してくれや。そん時は恋人より俺の方が好きって言わせるくらいドロドロに愛してやるよ。
「処女はめんどくせえからな。また今度でいいや」
アイに背を向けてドアに向かう。振り返っちまえば戻れねえからな。全てを断ち切るつもりであいつから遠ざかる。
「さよならは言ってくれないのか」
こんっの鈍感女が!!俺がどんなつもりで遠ざかっているか知りもしないで容易く揺さぶるんじゃねえよ!!殴ってやりたい衝動を全身で抑えつける為に立ち止まる。あと一歩前へと踏み出せばアイには二度と会えない。これが最後のチャンスだと痛い程知っているのに俺はやっぱり怖気づいちまう。
「また今度、な」
お別れなんて告げてやるものか。初めて会った時みたいに突如として俺の心を奪っていった理不尽な殺し屋にさよならなんて言ってたまるか。心底下らない男の意地を笑い飛ばしてくれたって結構。ただアイを大切にしたい俺の本音が一ミリでも伝わってくれればそれでいい。
「俺はお前と再会するって決めてんだ。死んだら殺してやるから覚悟しな」
ガキの捨て台詞に惚れた女はありがとうと囁いた。それでいいんだ。俺達に別れの言葉はいらないから。
