ヨークシン編
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幻影旅団との争いから数日後。能力の反動で寝込んでいるクラピカの看病をレオリオに任せ、ゴンとキルアは当初の目的であるG.Iのソフトを手に入れる為にオークション会場に訪れていた。
「ん?」
「おっ」
とある二人組に会いキルアは首を傾げた。どこかで見た顔だ。一体どこで。決断を下す前に身体は逃亡を選択した。ゴンも同じ考えに至ったようで出口の扉へと猛スピードで向かう。早く早く!!捕まらない内に急いで逃げなきゃ!!嵐の如く逃げようとしたが一人の男に道を塞がれてしまう。咄嗟に二人は後方から逃げようとしたがもう一人の男に出口を塞がれてしまった。
「つれねーな、逃げるこたねーだろ」
つい先日まで争っていた相手に追われりゃ普通は逃げるっつーのとキルアは小さくぼやいた。金髪色のオールバックは旅団の内の一人だ。つい先日まで敵対していた相手である。
「安心するね、別にお前達殺る気ないよ」
後方にいる背丈がやや低めの男に敵意がなくともゴンは警戒を解かない。この男も旅団の一人であり上に腕を折られそうになったのだ。警戒しない方がおかしい。
警戒を解かないゴンとキルアにオールバックの男、フィンクスは敵意を向けない理由を話した。クラピカがクロロにかけた念は特殊なものであり術者を殺せばいいという訳ではない。むしろ術者を殺した事で念が強まるとの説明をしたフィンクスは視線を隣にやった。もう一人の仲間による喋るなという圧を受けてゴンとキルアに気付かれないよう頷いた。
「ま、そんなわけでオレ達はお前らから手を引く。今日は純粋に競売を楽しみに来ただけだ。他の連中はみんなホームに戻る気だしな」
「アイさんは?アイさんに関しても手を引くの?アイさんはオレ達の仲間だったのにお前らはそれを許せるの?それにパクノダ・・・・・・さんもホームに戻るの?」
「あー、それはだな」
ゴンの質問を受けてフィンクスが僅かに動揺したのをキルアは見逃さない。自身の爪を尖らせようとしたキルアの首に音もなく移動したフェイタンが念を込めた爪の先を向けた。
「っつ!!!」
「アイは最初からワタシ達の仲間じゃないね。あの女の名を口に出すんじゃない、気分が悪くなるね」
「つーわけだ。アイは仲間じゃないから手を引くも何もないってことだよ。それとパクノダは死んだよ」
「!‥‥‥そう」
パクノダの訃報に心なしか表情を曇らせるゴンとは違い、キルアはフェイタンを睨みつけていた。こいつは嘘を吐いている、と。
「フェイタン」
「わかってるね」
キルアの首を刈り取りたい衝動をどうにか抑えつけ手を引く。フェイタンにとってキルアは想像を絶する拷問をさせてやりたい一人だ。殺気を抑えつけたフェイタンを内心で褒めつつ、フィンクスは仲間と話し合った結論を頭に思い浮かべた。
パクノダの死と引き換えに記憶を受け取った。そこにはホテルベーチタクルを離れたアイの行動も残っていた。重度の低体温症になりながらもクロロを解放しようとした姿。そして、眼鏡の男を人質に取った際に浮かべた苦悶の表情にメンバーはアイが帰ってこない理由を悟った。
こいつらも自分達と同じ、アイの仲間なんだ。
団長が下した命令に全員が納得した。アイにとって一番大事なのは仲間ではない。弟だ。長年の付き合いでアイが家族思いだとメンバーは内心周知していた。鎖野郎と眼鏡の男はアイの弟の大切な友人でもある。弟を悲しませたくないアイの本音を団長は察していたなだ。故に無関係だと嘘を吐くしかなかったのだとメンバーは察した。アイと団長の判断をメンバーは誰も責めなかった。むしろ自分達がアイが大切にしている弟と釣り合う価値だと知り喜んだ者もいたくらいだ。
「だからといってそう簡単に割り切れるもんじゃねーけどな」
「何がだよ」
「別に」
未だに殺気をぶつけてくるキルアにフィンクスは堪忍袋の緒が切れそうだった。当然だ、この子供はアイが大切にされていると自覚せず呆気なく自分達に捕まった。無関係な人間だったら死体にしていたくらいだ。これ以上いるとフェイタンもキレそうだと察したフィンクスは会場へと足を動かす。
「ああそうだ、パクはお前らに感謝してたぜ」
「全然メール帰ってこないね。アイは携帯見てるのか」
「元々マメに見る性格じゃねーだろ。一応G.Iのログイン方法とか送ってあるし、気が向いたらこっちに来るんじゃねーの」
「アイに会ったら遅いって一発殴ってやるね。ついでに爪剥がしもしてやる」
「フェイタンが早く会いたいってよ、っと」
「お前今どんな文章送ったか」
「あっぶねえな!!首を本気で狙ってんじゃねーよ!!ったくフェイタンの野郎は相変わらずのツンデレ具合だな。
なあアイ、オレ達は誰一人としてお前を責めちゃいねーよ。だから早く顔見せてくれ」
『もし鎖野郎やアイの家族に仲間かと問われたら否定するアイが仲間だと言い張っても、だ。本当はアイはオレ達と関わっていい人間じゃないからこれを機会に別れるのが一番いい。けれどもうアイの優しさも温かさも知ってしまった。今更手放す事なんて出来ない。だからオレ達の動向をメールで伝えよう。少しでもアイの意識がオレ達に向いたなら、その時は彼女を奪ってしまおう』
「ん?」
「おっ」
とある二人組に会いキルアは首を傾げた。どこかで見た顔だ。一体どこで。決断を下す前に身体は逃亡を選択した。ゴンも同じ考えに至ったようで出口の扉へと猛スピードで向かう。早く早く!!捕まらない内に急いで逃げなきゃ!!嵐の如く逃げようとしたが一人の男に道を塞がれてしまう。咄嗟に二人は後方から逃げようとしたがもう一人の男に出口を塞がれてしまった。
「つれねーな、逃げるこたねーだろ」
つい先日まで争っていた相手に追われりゃ普通は逃げるっつーのとキルアは小さくぼやいた。金髪色のオールバックは旅団の内の一人だ。つい先日まで敵対していた相手である。
「安心するね、別にお前達殺る気ないよ」
後方にいる背丈がやや低めの男に敵意がなくともゴンは警戒を解かない。この男も旅団の一人であり上に腕を折られそうになったのだ。警戒しない方がおかしい。
警戒を解かないゴンとキルアにオールバックの男、フィンクスは敵意を向けない理由を話した。クラピカがクロロにかけた念は特殊なものであり術者を殺せばいいという訳ではない。むしろ術者を殺した事で念が強まるとの説明をしたフィンクスは視線を隣にやった。もう一人の仲間による喋るなという圧を受けてゴンとキルアに気付かれないよう頷いた。
「ま、そんなわけでオレ達はお前らから手を引く。今日は純粋に競売を楽しみに来ただけだ。他の連中はみんなホームに戻る気だしな」
「アイさんは?アイさんに関しても手を引くの?アイさんはオレ達の仲間だったのにお前らはそれを許せるの?それにパクノダ・・・・・・さんもホームに戻るの?」
「あー、それはだな」
ゴンの質問を受けてフィンクスが僅かに動揺したのをキルアは見逃さない。自身の爪を尖らせようとしたキルアの首に音もなく移動したフェイタンが念を込めた爪の先を向けた。
「っつ!!!」
「アイは最初からワタシ達の仲間じゃないね。あの女の名を口に出すんじゃない、気分が悪くなるね」
「つーわけだ。アイは仲間じゃないから手を引くも何もないってことだよ。それとパクノダは死んだよ」
「!‥‥‥そう」
パクノダの訃報に心なしか表情を曇らせるゴンとは違い、キルアはフェイタンを睨みつけていた。こいつは嘘を吐いている、と。
「フェイタン」
「わかってるね」
キルアの首を刈り取りたい衝動をどうにか抑えつけ手を引く。フェイタンにとってキルアは想像を絶する拷問をさせてやりたい一人だ。殺気を抑えつけたフェイタンを内心で褒めつつ、フィンクスは仲間と話し合った結論を頭に思い浮かべた。
パクノダの死と引き換えに記憶を受け取った。そこにはホテルベーチタクルを離れたアイの行動も残っていた。重度の低体温症になりながらもクロロを解放しようとした姿。そして、眼鏡の男を人質に取った際に浮かべた苦悶の表情にメンバーはアイが帰ってこない理由を悟った。
こいつらも自分達と同じ、アイの仲間なんだ。
団長が下した命令に全員が納得した。アイにとって一番大事なのは仲間ではない。弟だ。長年の付き合いでアイが家族思いだとメンバーは内心周知していた。鎖野郎と眼鏡の男はアイの弟の大切な友人でもある。弟を悲しませたくないアイの本音を団長は察していたなだ。故に無関係だと嘘を吐くしかなかったのだとメンバーは察した。アイと団長の判断をメンバーは誰も責めなかった。むしろ自分達がアイが大切にしている弟と釣り合う価値だと知り喜んだ者もいたくらいだ。
「だからといってそう簡単に割り切れるもんじゃねーけどな」
「何がだよ」
「別に」
未だに殺気をぶつけてくるキルアにフィンクスは堪忍袋の緒が切れそうだった。当然だ、この子供はアイが大切にされていると自覚せず呆気なく自分達に捕まった。無関係な人間だったら死体にしていたくらいだ。これ以上いるとフェイタンもキレそうだと察したフィンクスは会場へと足を動かす。
「ああそうだ、パクはお前らに感謝してたぜ」
「全然メール帰ってこないね。アイは携帯見てるのか」
「元々マメに見る性格じゃねーだろ。一応G.Iのログイン方法とか送ってあるし、気が向いたらこっちに来るんじゃねーの」
「アイに会ったら遅いって一発殴ってやるね。ついでに爪剥がしもしてやる」
「フェイタンが早く会いたいってよ、っと」
「お前今どんな文章送ったか」
「あっぶねえな!!首を本気で狙ってんじゃねーよ!!ったくフェイタンの野郎は相変わらずのツンデレ具合だな。
なあアイ、オレ達は誰一人としてお前を責めちゃいねーよ。だから早く顔見せてくれ」
『もし鎖野郎やアイの家族に仲間かと問われたら否定するアイが仲間だと言い張っても、だ。本当はアイはオレ達と関わっていい人間じゃないからこれを機会に別れるのが一番いい。けれどもうアイの優しさも温かさも知ってしまった。今更手放す事なんて出来ない。だからオレ達の動向をメールで伝えよう。少しでもアイの意識がオレ達に向いたなら、その時は彼女を奪ってしまおう』
