ヨークシン編
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男が事切れる寸前、吐血と共に畏怖が吐き出される。
「ば、化け物…!!」
「陰獣っていうあだ名がつけられてる奴に、化け物呼ばわりされるの嫌だ」
「確かに。それにしてもアイの氷はいつ見ても綺麗。今度かき氷作ってよ」
「お腹壊しちゃうよ」
好奇心旺盛なのはいいけど、念で作った氷なんぞ食べられるんだろうか。シズクの提案を却下していると、風呂敷に囚われていたノブナガが出てきた。既にマチによって拘束されている梟に、八つ当たりをしようと鞘に手を伸ばしている。しかし残念な事に梟にはもう少しやるべき事がある。よって殺すなと言い渡され沸騰されたヤカンのようにノブナガが怒った。腹の虫が収まらないのか空に向かってちくしょー!と叫ぶ様だ。戦闘に参加出来なくて拗ねてんのかね。
「しょうがない。飴あげるから機嫌治しな」
「うるせー!!ガキ扱いすんなよ。ったく…にしてもお前これ一人でやったのか」
ぷんすか怒っていたノブナガはなんとも言えない表情をして、地面を指差した。
ああ、これか。
地面に落ちているのは大小様々な肉の塊と血痕と水滴だ。襲ってきた陰獣は全て凍らせ心臓を抉り、破片をあらかたもなく蹴りで砕いた。既に念は解除している。DNA鑑定でもしない限りこれが陰獣とは分からないだろう。
「つくづくおっかねえ女。アイだけは敵に回したくねぇな」
「そりゃどうも」
梟を連れてアジトに帰る事になったけど。座席は五つだけ、つまり。
「ぶえっくしょい!!これじゃあ凍え死にしちまうぜ!!」
「慣れればマシになるよ。多分」
「多分かよ!」
ノブナガは運が悪いというか、どちらかというと引きが悪いんだね。
「や、やっと終わった…」
寒さに震えながらアジトに帰れたけど、まさかここからが本番だとは。フェイタンの拷問に強制的に付き合わされ、心身ともにクタクタだ。
フェイタン君、私用の椅子を用意する優しさがあるなら最初から付き合わさないでくれ…マチが様子を尋ねてきた時には、もう椅子から滑り落ちるくらい私は力尽きていた。
おうち、かえりたい、いますぐ
「競売品の在処は吐いたかい?」
「つまんなかたね。拷問のごのじも始まらずに吐いたよ」
「ああそれで」
ノブナガとすれ違ったらしいマチが、合点がいったかのようにああと呟く。 消化不良のノブナガも途中から来て拷問に加わろうとしたけど、その前に梟が音を上げてしまったのだ。というか助けを求めたのに無視した恨みはデカいぞノブナガ。ひとまず横になりたくて立ち上がる。だが足に力が入らずよろけてしまう。
「もういくかアイ。体力落ちたね。昔はもうちょと私に付き合えたよ」
去り際に嫌味を投げつけられたが、今は言い返す体力すら惜しい。マチに肩を借りて空き部屋まで移動し、化粧を落としてもらう。
「この仕事終わったら服選びに行こうか」
「え」
「新しいブティックが出来てさ。アイが着たらきっと似合うと思うんだよね」
拒否権はない、返事はYESかはいだけ。よし決めた、次に変装するときは絶対誰にも漏らさないようにしよう。
化粧を落とし終えると同時に、シャルナークがウボォーギン救出に行かないかと誘ってきた。
既に彼が囚われている部屋まで炙り出したそうで。相変わらず仕事が早い男だ。マチは向かうようだけど、無論私は着いていく気力はないのでハンカチ片手に彼等を見送る。しょぼしょぼとする目を擦りながら、クロロがいる部屋に入る。
「あれヒソカは?」
「用事があるから外出したわ。あらもうお化粧落としちゃったの?可愛かったのに」
「アイ、化粧してたのか」
パクノダの言葉にクロロは珍しく本から顔を上げた。 少し目を白黒させている様子だから、よほど私の化粧姿が見たかったんだろうか。
「もうやんないよ。例え命令だとしても断固拒否」
「それは残念」
先に釘を刺すと残念そうな顔をしたクロロだったが、すぐに柔和な笑みに切り替えだ。ポンポンと軽く膝を叩き私を呼ぶ。遠慮なくクロロの膝の上に頭を乗せ寝転がる。分かってはいたけど男の膝は普通に硬い。でも瓦礫より数倍マシだから我慢しよう。
「団長ずるい。私もアイに膝枕してあげたいのに」
「パクノダは髪の毛弄り始めるじゃん」
「ボクは?」
「コルトピは私の目を複製しようとするでしょ」
「ならオレは」
「ボノレノフは子守唄という名の派手な音楽かけるでしょ」
嬉々として私を弄ろうとするので、かろうじてマシなのがクロロだ。団員の中で膝枕として選ぶならフランクリンがダントツなんだけど。彼はここにいないから、妥協案でクロロだ。壊れ物を扱うような手つきでクロロが髪に触れるのが妙にこそばゆい。止めさせようにも重力に逆らい切れなかった瞼が落ち、そのまま眠ってしまった。
「ば、化け物…!!」
「陰獣っていうあだ名がつけられてる奴に、化け物呼ばわりされるの嫌だ」
「確かに。それにしてもアイの氷はいつ見ても綺麗。今度かき氷作ってよ」
「お腹壊しちゃうよ」
好奇心旺盛なのはいいけど、念で作った氷なんぞ食べられるんだろうか。シズクの提案を却下していると、風呂敷に囚われていたノブナガが出てきた。既にマチによって拘束されている梟に、八つ当たりをしようと鞘に手を伸ばしている。しかし残念な事に梟にはもう少しやるべき事がある。よって殺すなと言い渡され沸騰されたヤカンのようにノブナガが怒った。腹の虫が収まらないのか空に向かってちくしょー!と叫ぶ様だ。戦闘に参加出来なくて拗ねてんのかね。
「しょうがない。飴あげるから機嫌治しな」
「うるせー!!ガキ扱いすんなよ。ったく…にしてもお前これ一人でやったのか」
ぷんすか怒っていたノブナガはなんとも言えない表情をして、地面を指差した。
ああ、これか。
地面に落ちているのは大小様々な肉の塊と血痕と水滴だ。襲ってきた陰獣は全て凍らせ心臓を抉り、破片をあらかたもなく蹴りで砕いた。既に念は解除している。DNA鑑定でもしない限りこれが陰獣とは分からないだろう。
「つくづくおっかねえ女。アイだけは敵に回したくねぇな」
「そりゃどうも」
梟を連れてアジトに帰る事になったけど。座席は五つだけ、つまり。
「ぶえっくしょい!!これじゃあ凍え死にしちまうぜ!!」
「慣れればマシになるよ。多分」
「多分かよ!」
ノブナガは運が悪いというか、どちらかというと引きが悪いんだね。
「や、やっと終わった…」
寒さに震えながらアジトに帰れたけど、まさかここからが本番だとは。フェイタンの拷問に強制的に付き合わされ、心身ともにクタクタだ。
フェイタン君、私用の椅子を用意する優しさがあるなら最初から付き合わさないでくれ…マチが様子を尋ねてきた時には、もう椅子から滑り落ちるくらい私は力尽きていた。
おうち、かえりたい、いますぐ
「競売品の在処は吐いたかい?」
「つまんなかたね。拷問のごのじも始まらずに吐いたよ」
「ああそれで」
ノブナガとすれ違ったらしいマチが、合点がいったかのようにああと呟く。 消化不良のノブナガも途中から来て拷問に加わろうとしたけど、その前に梟が音を上げてしまったのだ。というか助けを求めたのに無視した恨みはデカいぞノブナガ。ひとまず横になりたくて立ち上がる。だが足に力が入らずよろけてしまう。
「もういくかアイ。体力落ちたね。昔はもうちょと私に付き合えたよ」
去り際に嫌味を投げつけられたが、今は言い返す体力すら惜しい。マチに肩を借りて空き部屋まで移動し、化粧を落としてもらう。
「この仕事終わったら服選びに行こうか」
「え」
「新しいブティックが出来てさ。アイが着たらきっと似合うと思うんだよね」
拒否権はない、返事はYESかはいだけ。よし決めた、次に変装するときは絶対誰にも漏らさないようにしよう。
化粧を落とし終えると同時に、シャルナークがウボォーギン救出に行かないかと誘ってきた。
既に彼が囚われている部屋まで炙り出したそうで。相変わらず仕事が早い男だ。マチは向かうようだけど、無論私は着いていく気力はないのでハンカチ片手に彼等を見送る。しょぼしょぼとする目を擦りながら、クロロがいる部屋に入る。
「あれヒソカは?」
「用事があるから外出したわ。あらもうお化粧落としちゃったの?可愛かったのに」
「アイ、化粧してたのか」
パクノダの言葉にクロロは珍しく本から顔を上げた。 少し目を白黒させている様子だから、よほど私の化粧姿が見たかったんだろうか。
「もうやんないよ。例え命令だとしても断固拒否」
「それは残念」
先に釘を刺すと残念そうな顔をしたクロロだったが、すぐに柔和な笑みに切り替えだ。ポンポンと軽く膝を叩き私を呼ぶ。遠慮なくクロロの膝の上に頭を乗せ寝転がる。分かってはいたけど男の膝は普通に硬い。でも瓦礫より数倍マシだから我慢しよう。
「団長ずるい。私もアイに膝枕してあげたいのに」
「パクノダは髪の毛弄り始めるじゃん」
「ボクは?」
「コルトピは私の目を複製しようとするでしょ」
「ならオレは」
「ボノレノフは子守唄という名の派手な音楽かけるでしょ」
嬉々として私を弄ろうとするので、かろうじてマシなのがクロロだ。団員の中で膝枕として選ぶならフランクリンがダントツなんだけど。彼はここにいないから、妥協案でクロロだ。壊れ物を扱うような手つきでクロロが髪に触れるのが妙にこそばゆい。止めさせようにも重力に逆らい切れなかった瞼が落ち、そのまま眠ってしまった。