ヨークシン編
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「すっぴんのアイもたまらなくそそるけど、化粧した君はまさに熟成された絶品の果実そのものだ♡今すぐ食べてしまいたいくらい♢どうだい?今から一緒にアジトを抜け出してデートというのは」
「お!可愛い顔してんじゃねえか。でもオレはアイの素顔の方が好きだけどよ」
「化粧なんて所詮仮初の姿ね。着飾らない方がまだマシよ」
「またお前は…フェイタンはああ見えて照れてる。似合ってるぜ」
アジトの出入り口に向かえば、待機していたオークション襲撃組の男性陣(+ビルの出口付近にいたヒソカ)から次々と感想を貰う。ちなみにヒソカから感想を貰った直後、彼はすぐさまマチにタコ殴りにされていた。
骨が折れるんじゃないかってくらいの打撃を貰っていたのに、意味不明な事に彼の局部はずっと膨れ上がっていた。
その上うっとりとした表情のまま、私から視線を逸らさず抵抗せず殴られていたのは、なんともまあ、うんって感じだ。
横たわるヒソカを無視してオークション会場に向かう。
途中シズクは何処から拾ったのか不明の気球を『デメちゃん』で吸い込んでいた。これで帰りの足は問題ないだろう。
夕方頃にオークション会場とされている10階建てのビルに到着し、検問をしているゲートまで向かう。
検問役には、予め潜入していたシャルナークと髪を下ろしたノブナガがいた。
黒いサングラスをつけているシャルナークは違和感がないけど。
長髪のノブナガが髪を下すと、ジャポンのホラー映画“〇子”みたいでちょっと面白い。
声をかけずに二人を観察していると、ノブナガは私に気付いてないのか低い声で失せろと脅してきた。
へぇー、近距離なのに私だってわからないんだ。化粧ってかなり印象変わるんだ。
マチが私をアイだと説明すれば、二人は鳩が豆鉄砲を食ったような顔をした。
「ほぉ〜馬子にも衣装ってか。いい線いってるけど アイは色気が足りてねえから、全体的に評価してもまあまあだな」
「耳まで真っ赤にしといて……ほんと、ノブナガは素直じゃないなあ。アイ似合ってるよ。このままデートしたいくらいには、ね」
「冗談はいいから早く通して」
「はいはいっと。さてオレが合図をしたらアイとウボォーギンは地下に向かってお宝を確保。フェイタン組が会場を襲撃している間に、出入り口はオレとノブナガとマチで塞いでおくから。お宝を確保したらすぐオレの携帯に連絡して」
「了解」
偽物の入館証を提示すれば、二人は通りなと合図をしてきたので何食わぬ顔でビルに入っていける。
世界中のマフィアの検問にしては呆気なさすぎる緩さだ。
エントランスに入ると黒スーツを着た人物が大勢おり、彼等はオークションに参加するマフィアで間違いないだろう。
誰も彼もが上機嫌そうにしており、これから始まるオークションに会話の花を咲かせていた。
「確かあっちの男は○○組の親分じゃない?SPは愚か武器すら持たずにトップが自らオークションに参加とは。代理人に頼めばいいだろうに」
「誰が来ようと全員ミンチになるからどうでもいいね。下らない事に現を抜かして、へましたら承知しないよ」
「わかっているよ」
嫌味を言えて満足したのかフェイタンは、フランクリン達と一緒に二階へと移動していった。
オークションを進行する人間となり替わるために向かったのだろう。
マチも配置に向かってしまったし、ウボォーギンはお手洗いに行っているのでエントランスにいるのは私だけだ。
他人に話しかけられたくないので人気のない壁際でぼうっと突っ立っていると、一人の男が急に話しかけてきた。
口を開くのがだるいので無言を貫いているが、男は馴れ馴れしい口調で連絡先を教えろとしつこい。
指一本でも触れてきたら首でも刎ねるか。
「怖い事はしねえからよぉ。いい加減お喋りしようぜ」
「……」
「こんのクソアマ!!オレを誰だと思っている!!○○ファミリーの幹部だ、ぎゃあっ!!」
「人のオンナに何の用だ?あ?」
私を殴ろうとした男は憐れ、横から現れたウボォーギンに力いっぱい殴られた。
旅団一怪力自慢の男に殴られたせいで、壁に激突した音がドオン!!と派手だ。
即死していると予想していたが、意外にも男はぴくぴくと死にかけの蝉のように動いていたから多分生きているだろう。
というか、私別に助けて欲しいなんて言ってないんだけど。
彼に文句を言いたかったが、衝突音から騒ぎを聞きつけた人間が来る前にずらかる方が先だ。
すぐさまエスカレーター付近に向かい、何気ない顔をしていれば問題ない。
「あのねえ、ここで面倒事起こしたら計画がおじゃんになるんだよ?」
「だってよお。雑魚がアイを殴ろうとしてたんだぜ?殴る理由なんぞそれで足りるだろ」
「助けてほしいと頼んだ覚えはない」
「そりゃ悪かった。でもアイが危険な目に遭いそうになっていたら、身体が勝手に動いちまうんだよ」
「念も使えない素人相手に私が負けると思っているの?」
「いやそうじゃねえけどよ」
まさか私、ウヴォーギンから弱い者認定されているわけ?
もごもごと口ごもるウヴォーギンを問い詰めていると、備え付きのスピーカーからフェイタンの声がエントランスに響く。
オークション開幕のアナウンスが聞こえちゃ仕事に戻るしかないか。
「アジトに戻ったら拷問してでも吐かせるから」
「勘弁してくれよ」
音声に従って続々と会場に入っていくマフィアの流れに乗り、何食わぬ顔で会場に入り頃合いを見て部屋から出た。
そのまま入り口に向かい、検問を終えたであろうシャルナークとノブナガが人の出入りを封じたのを確認する。
最後にシズクから会場の扉の封鎖は終わったとの電話を貰えば、ようやく私たちの仕事が開始だ。
関係者専用の階段を使い、地下室まで降りていく。
「なんだ?ここから先は関係し、え?」
「邪魔」
地下への移動中、見張りに当たっているマフィアを殺していく。
下手に騒がれると面倒なので、手刀を使うのだがこれがまた疲れる。
なんせ私は肉体操作が得意じゃない。昔から手を変形させると、次の日にどっと疲れが押し寄せるのだ。
自慢の握力を駆使して素手で見張りの頭を捻り潰すウボォーギンの筋力が少し羨ましい。
「ん?どうした」
「いや、フェイタンたちはもう始めたかなって」
「ああ、派手にやってるんだろうが相手は雑魚だしな。どうせいつもの殺戮ショーになってるだろうよ。フランクリンの念弾からただの人間が生き残れるはずはねぇし」
天井に視線をやったウボォーギンにつられて、私も同じように上を向く。
頭上から僅かに響く銃声からするに、フェイタン達は現在進行形でマフィアをあの世に送っている最中だろう。
私からすればマフィアの殲滅作業に興味はないので、引き続き邪魔者を始末していくだけなのだが。
シャルナークの事前情報のお陰で、ビルの地下室にお宝を置いてあるのは知っていた。
そのせいかこのフロアだけやたら警備が多くて、多少うんざりしてしまう。
筋肉痛は免れないだろうなと考えつつも、行く手を阻む下っ端を片付けていく。
ようやく巨大な金庫が幾つも配置されているエリアに到着した。
うーん、あからさまにお宝ありますよっていう匂いがプンプンするなあ。
金庫には暗証番号式の電子ロックと、米粒ほどの小さい鍵穴が設置されていた。
天井にはレーザー銃が幾つも配置されている。察するに暗証番号を間違えるか、ピッキングをミスった時点で光線銃が飛んでくるのは間違いないだろう。
まあ、私にとって障害にならないが。
金庫の鍵穴を指先でゆっくりと丁寧になぞっていけば、ほぼほぼ宝は入手出来たようなもの。
だって鍵穴のなぞった形を忘れない様に氷の鍵を作ってしまえば、どんなに頑丈な金庫だろうとすぐ開けられる。
細部の凹凸を制作していると、ウボォーギンが手元を覗き込んできた。ほぉーと上がる感嘆の声が地味にうるさい。
「つくづく思うんだがアイの念は暗殺っていうよか盗賊向きの能力に近くねえか?」
「使いようによっちゃそうかもね」
「だろ?ちまちま人殺すより盗みに使った方が絶対良いって!!だからよぉ、ヒソカ殺して正式に旅団に入っちまおうぜ!」
「遠慮しとく」
会話の流れから華麗にヒソカを殺すよう誘導するとは。
ヒソカの事を毛嫌いしているのがありありと伝わるが、私に同意を求めても困る。
きっぱり断るとウボォーギンはいじけたのか、口をへの字にして頬を膨らませた。
う、ちょっとかわいいかも……
筋骨隆々の男性には似つかわしくない仕草だが、そのギャップにキュンと胸が高鳴ってしまう。
いやいやいや、そんなかわい子ぶったって惑わされないから。第一ウボォーギン相手に可愛いとか感じる訳ないから。
なるべくウボォーギンを視界に入れないようにしつつ、作業を進めていく。
よし、これで完成だ。
鍵を握り潰さない様に丁重に扱いながら、鍵穴に差し込む。
ガチャリ
満面の笑みを浮かべているウボォーギンと顔を合わせ、音もなく頷き一緒に取っ手を掴み扉を開けた。
「あれ?」
「お!可愛い顔してんじゃねえか。でもオレはアイの素顔の方が好きだけどよ」
「化粧なんて所詮仮初の姿ね。着飾らない方がまだマシよ」
「またお前は…フェイタンはああ見えて照れてる。似合ってるぜ」
アジトの出入り口に向かえば、待機していたオークション襲撃組の男性陣(+ビルの出口付近にいたヒソカ)から次々と感想を貰う。ちなみにヒソカから感想を貰った直後、彼はすぐさまマチにタコ殴りにされていた。
骨が折れるんじゃないかってくらいの打撃を貰っていたのに、意味不明な事に彼の局部はずっと膨れ上がっていた。
その上うっとりとした表情のまま、私から視線を逸らさず抵抗せず殴られていたのは、なんともまあ、うんって感じだ。
横たわるヒソカを無視してオークション会場に向かう。
途中シズクは何処から拾ったのか不明の気球を『デメちゃん』で吸い込んでいた。これで帰りの足は問題ないだろう。
夕方頃にオークション会場とされている10階建てのビルに到着し、検問をしているゲートまで向かう。
検問役には、予め潜入していたシャルナークと髪を下ろしたノブナガがいた。
黒いサングラスをつけているシャルナークは違和感がないけど。
長髪のノブナガが髪を下すと、ジャポンのホラー映画“〇子”みたいでちょっと面白い。
声をかけずに二人を観察していると、ノブナガは私に気付いてないのか低い声で失せろと脅してきた。
へぇー、近距離なのに私だってわからないんだ。化粧ってかなり印象変わるんだ。
マチが私をアイだと説明すれば、二人は鳩が豆鉄砲を食ったような顔をした。
「ほぉ〜馬子にも衣装ってか。いい線いってるけど アイは色気が足りてねえから、全体的に評価してもまあまあだな」
「耳まで真っ赤にしといて……ほんと、ノブナガは素直じゃないなあ。アイ似合ってるよ。このままデートしたいくらいには、ね」
「冗談はいいから早く通して」
「はいはいっと。さてオレが合図をしたらアイとウボォーギンは地下に向かってお宝を確保。フェイタン組が会場を襲撃している間に、出入り口はオレとノブナガとマチで塞いでおくから。お宝を確保したらすぐオレの携帯に連絡して」
「了解」
偽物の入館証を提示すれば、二人は通りなと合図をしてきたので何食わぬ顔でビルに入っていける。
世界中のマフィアの検問にしては呆気なさすぎる緩さだ。
エントランスに入ると黒スーツを着た人物が大勢おり、彼等はオークションに参加するマフィアで間違いないだろう。
誰も彼もが上機嫌そうにしており、これから始まるオークションに会話の花を咲かせていた。
「確かあっちの男は○○組の親分じゃない?SPは愚か武器すら持たずにトップが自らオークションに参加とは。代理人に頼めばいいだろうに」
「誰が来ようと全員ミンチになるからどうでもいいね。下らない事に現を抜かして、へましたら承知しないよ」
「わかっているよ」
嫌味を言えて満足したのかフェイタンは、フランクリン達と一緒に二階へと移動していった。
オークションを進行する人間となり替わるために向かったのだろう。
マチも配置に向かってしまったし、ウボォーギンはお手洗いに行っているのでエントランスにいるのは私だけだ。
他人に話しかけられたくないので人気のない壁際でぼうっと突っ立っていると、一人の男が急に話しかけてきた。
口を開くのがだるいので無言を貫いているが、男は馴れ馴れしい口調で連絡先を教えろとしつこい。
指一本でも触れてきたら首でも刎ねるか。
「怖い事はしねえからよぉ。いい加減お喋りしようぜ」
「……」
「こんのクソアマ!!オレを誰だと思っている!!○○ファミリーの幹部だ、ぎゃあっ!!」
「人のオンナに何の用だ?あ?」
私を殴ろうとした男は憐れ、横から現れたウボォーギンに力いっぱい殴られた。
旅団一怪力自慢の男に殴られたせいで、壁に激突した音がドオン!!と派手だ。
即死していると予想していたが、意外にも男はぴくぴくと死にかけの蝉のように動いていたから多分生きているだろう。
というか、私別に助けて欲しいなんて言ってないんだけど。
彼に文句を言いたかったが、衝突音から騒ぎを聞きつけた人間が来る前にずらかる方が先だ。
すぐさまエスカレーター付近に向かい、何気ない顔をしていれば問題ない。
「あのねえ、ここで面倒事起こしたら計画がおじゃんになるんだよ?」
「だってよお。雑魚がアイを殴ろうとしてたんだぜ?殴る理由なんぞそれで足りるだろ」
「助けてほしいと頼んだ覚えはない」
「そりゃ悪かった。でもアイが危険な目に遭いそうになっていたら、身体が勝手に動いちまうんだよ」
「念も使えない素人相手に私が負けると思っているの?」
「いやそうじゃねえけどよ」
まさか私、ウヴォーギンから弱い者認定されているわけ?
もごもごと口ごもるウヴォーギンを問い詰めていると、備え付きのスピーカーからフェイタンの声がエントランスに響く。
オークション開幕のアナウンスが聞こえちゃ仕事に戻るしかないか。
「アジトに戻ったら拷問してでも吐かせるから」
「勘弁してくれよ」
音声に従って続々と会場に入っていくマフィアの流れに乗り、何食わぬ顔で会場に入り頃合いを見て部屋から出た。
そのまま入り口に向かい、検問を終えたであろうシャルナークとノブナガが人の出入りを封じたのを確認する。
最後にシズクから会場の扉の封鎖は終わったとの電話を貰えば、ようやく私たちの仕事が開始だ。
関係者専用の階段を使い、地下室まで降りていく。
「なんだ?ここから先は関係し、え?」
「邪魔」
地下への移動中、見張りに当たっているマフィアを殺していく。
下手に騒がれると面倒なので、手刀を使うのだがこれがまた疲れる。
なんせ私は肉体操作が得意じゃない。昔から手を変形させると、次の日にどっと疲れが押し寄せるのだ。
自慢の握力を駆使して素手で見張りの頭を捻り潰すウボォーギンの筋力が少し羨ましい。
「ん?どうした」
「いや、フェイタンたちはもう始めたかなって」
「ああ、派手にやってるんだろうが相手は雑魚だしな。どうせいつもの殺戮ショーになってるだろうよ。フランクリンの念弾からただの人間が生き残れるはずはねぇし」
天井に視線をやったウボォーギンにつられて、私も同じように上を向く。
頭上から僅かに響く銃声からするに、フェイタン達は現在進行形でマフィアをあの世に送っている最中だろう。
私からすればマフィアの殲滅作業に興味はないので、引き続き邪魔者を始末していくだけなのだが。
シャルナークの事前情報のお陰で、ビルの地下室にお宝を置いてあるのは知っていた。
そのせいかこのフロアだけやたら警備が多くて、多少うんざりしてしまう。
筋肉痛は免れないだろうなと考えつつも、行く手を阻む下っ端を片付けていく。
ようやく巨大な金庫が幾つも配置されているエリアに到着した。
うーん、あからさまにお宝ありますよっていう匂いがプンプンするなあ。
金庫には暗証番号式の電子ロックと、米粒ほどの小さい鍵穴が設置されていた。
天井にはレーザー銃が幾つも配置されている。察するに暗証番号を間違えるか、ピッキングをミスった時点で光線銃が飛んでくるのは間違いないだろう。
まあ、私にとって障害にならないが。
金庫の鍵穴を指先でゆっくりと丁寧になぞっていけば、ほぼほぼ宝は入手出来たようなもの。
だって鍵穴のなぞった形を忘れない様に氷の鍵を作ってしまえば、どんなに頑丈な金庫だろうとすぐ開けられる。
細部の凹凸を制作していると、ウボォーギンが手元を覗き込んできた。ほぉーと上がる感嘆の声が地味にうるさい。
「つくづく思うんだがアイの念は暗殺っていうよか盗賊向きの能力に近くねえか?」
「使いようによっちゃそうかもね」
「だろ?ちまちま人殺すより盗みに使った方が絶対良いって!!だからよぉ、ヒソカ殺して正式に旅団に入っちまおうぜ!」
「遠慮しとく」
会話の流れから華麗にヒソカを殺すよう誘導するとは。
ヒソカの事を毛嫌いしているのがありありと伝わるが、私に同意を求めても困る。
きっぱり断るとウボォーギンはいじけたのか、口をへの字にして頬を膨らませた。
う、ちょっとかわいいかも……
筋骨隆々の男性には似つかわしくない仕草だが、そのギャップにキュンと胸が高鳴ってしまう。
いやいやいや、そんなかわい子ぶったって惑わされないから。第一ウボォーギン相手に可愛いとか感じる訳ないから。
なるべくウボォーギンを視界に入れないようにしつつ、作業を進めていく。
よし、これで完成だ。
鍵を握り潰さない様に丁重に扱いながら、鍵穴に差し込む。
ガチャリ
満面の笑みを浮かべているウボォーギンと顔を合わせ、音もなく頷き一緒に取っ手を掴み扉を開けた。
「あれ?」