天空闘技場編
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先にキルアの試合が始まるというので、控室でゴンとキルアと待つ。
やがてキルアと対戦相手の番号が呼ばれたらしく、二人は闘技場に向かっていく。
相手がズシねぇ……
キルアとズシの試合って、そもそも試合になるんだろうか。
ゴンに腕を引かれ観客席に座り、先ほど売店で買ったクッキーを口に運ぶ。
リングでは既に試合が始まっていて、早速手刀で2点を稼いだキルアがリードをしている。
「ズシ凄い。キルアの攻撃を何回も喰らっているのにすぐ立ち上がってる」
「意外とタフなんだ。まーでもすぐ勝敗はつくでしょ。キルアは全力で手を抜いてるし」
「確かに手刀以外使わないってさっき話してもんね」
にしてもやけに丈夫すぎやしないか?
キルアの手刀は並みの一般人から掠っただけでもアウトだよ。
ウイングとやらの教えが優秀なのだろうが、私にはどうでもいい。
そのまま試合を観戦していると、後がないと焦ったのかズシは腰を深く落とし構えの姿勢を取った。
彼の纏うオーラが一気に増幅したという事は、あれは【練】。
おや彼は念を扱えたのか、どおりでやたらしぶといと思った。
まだ【硬】は完全にモノにしてないのだろう。
その証拠にズシはキルアの攻撃を完全にはガードしきれなかったのだ。
「ズシィ!!」
うわうるさ。
突如会場に響き渡る馬鹿でかい叫び。
周囲の人々は耳を塞ぎ大声を上げた人物から距離を取る。
当の本人は注目を浴びているのに気にしてないのか。
ウイングは眉を吊り上げ、ズシに鋭い視線を投げ腕を組んで座った。
あれ声援というより警告じゃない?
解説のお姉さんの的外れな指摘がありながらも、中断した試合が再開された。
一時はどうなるかと思ったけど、ウイングの横入れもあったしもうズシは念を使えない。
もうキルアの完全勝利でしょ。
「あれ?アイさんどこ行くの?」
「先にホテルに行ってる」
天空闘技場の周辺にはホテルが幾つもある。
試合で疲れた選手を労わる為か知らないけど、料金は相場の半額だ。
その分かなり内装はぼろっちいけど。
でも彼らが100階クラスになって個室を獲得してもらえれば問題ない。
二人の実力じゃすぐに階数を昇りつめられるだろう。
二人が勝ち抜くのは目に見えているので、私はホテルで待機していてもいいってわけだ。
数日後、私が予想した通り二人は100階クラスに上がり、広めの個室を貰っていた。
一応記念にアイスキャンディーの箱を渡して、ついでに私も一本齧る。
うーん、柑橘系の甘酸っぱい味わいが風呂上がりに丁度いい。
「アイ!髪の毛濡れたまま放置すんなって言ってるだろ!!風邪引いちまうから早く乾かしてこい」
「ふふっ。自分はほったらかしにしてるのに。キルアって本当アイさんが大好きなんだね」
「ち、ちげーし!!でまかせ言うな!!」
必死に否定されるとちょっと傷つくんだが。
頬を赤くしていたキルアだったが、急に真面目な顔をして今後のプランを語り始めた。
この場所に居座ろうと死守する選手が増えて少し手こずってくる、ねえ。
一気に駆け抜ける方法はないのは面倒だな。
二本目のアイスの封を開けていると、ゴンがストーカーについて聞いてきた。
「そういえばアイさんって、ヒソカに会いにきたんじゃないの?」
「えーだって、あっちが来いって呼び出したんだよ。私が出向く必要なくない?」
「でも電話に出ないんだ」
「意地でも出ないよ」
ちらりとテーブルの上に置かれている携帯に目線をやる。
以前と比べ頻度は減ったが、未だにブーブー、とバイブレーションが鳴っている。
天空闘技場に来てから着信回数は減ったけども、充電がすぐ切れるから無駄な事はやめてほしいものだ。
暇な時があったら会いに行くから別に良いだろう。
暇な時があれば、の話だが。