天空闘技場編
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飛行船を降りた途端、ねっとりとしたオーラが背中に突き刺さる。
ああいやだ、会いたくない。
電脳ネットを使用してチケットを取ったのがまずかったのか。
以前ミルキが電脳ネットはちょっとした操作をすれば、ネットにアクセスした人間の動向を探れると話していたような気がする。
多分彼はその方法を駆使して、ここの空港で待ち伏せしてたんだろう。
悔しさからか舌打ちをしても時既に遅しだ。
完全に彼の執念を甘く見ていた私の誤算だが、意地でも振り向いてなるものか。
幸い鈍感というか察しが悪いというか念が使えないキルアやゴンは、ストーカーの存在に一切気付いてない。
むしろげんなりしている私にすら目に入らないのか、二人仲良くお喋りしているのが心底恨めしい。
ゴン、君のご希望のヒソカは今君の近くにいるよ。
ずっしりと重くなった足をどうにか動かし、長時間かけてやっと天空闘技場に到着した。
幸いなことに天空闘技場のエントランスに到着したからか、変態の気配が消えた。
はぁ、やっと一息つける……
危機が去って安心できたし辺りでも見渡してみるか。
周りの柱には巨大なモニターが付けられており、様々な試合を中継していた。
ぶっちゃけ選手に賭けているのか半ば狂乱と化している観客も、血を流す選手だってどうだっていい。
今の私に必要なのは安らかなる睡眠だ。
「初めて来たけどもういい。家に帰りたい」
「アイさんやけにぐったりしてるね。飴食べる?」
「貰う」
うんまぁ、優しい甘さだ……
ゴンから貰った蜂蜜キャンディのほのかな甘さが疲れた身体に染み渡る。
舌で飴を転がしていたら、キルアが私に戦いを参加しないかと誘ってきた。
無論笑顔で断ると二人は露骨にガッカリした。
天空闘技場に着いていくとは言ったけど、私も参加するとは口にした覚えはない。
「それに参加したのが母さんにバレると厄介なんだ。“天空闘技場は粗野な人間が集まる場所だからアイちゃんは行かせません!!”ってうるさいし」
「あれ?確かキルアは過去無一文でここに放り出されたって言ってなかった?アイさんは違うの?」
「オレと別っていうかアイは兄弟の間でも特別だからな。お袋はアイを当主にとか常日頃言ってるけど本音は違う。アイに暗殺の訓練とか修行より生花とか茶道を教えたいっていつも嘆いてた。女の子はお淑やかに育つのが理想なんだと。だからこういう格闘場なんかお袋的には断固NGでさ。アイが家にいたら絶対許可なんか下りっこないぜ」
過保護みたいで凄いねと呑気に笑うゴンよ。
みたいじゃなくて母さんは完全に超過保護なんだよ。
受付をしにいった二人はすぐ戻ってきたが、番号を呼ばれリングへと入っていった
『だめよ!アイちゃん!!』と金切り声を上げる脳内母さんを無視して観客席に向かう。
六年前に無一文で放り出されたキルアはともかく。
実力不足のゴンは勝ち進めないだろと思ったけど、意外にも勝ち進んでいってる。
ふぅーん、やるじゃん。
試合が終わった二人は50階行きを言い渡されたと嬉しそうに報告してきた。
上の階層に向かう二人を見送ろうとしたが一緒に着いてきてと、さも当然のように言われてしまった。
私を放っておいても別にいいんだけども。
断るのも面倒なので一緒にエレベーターに乗ったら、ついでに柔道着を着た少年も加わってきた。
押忍とかの挨拶といいズシは熱血タイプなのかいやに暑苦しい。
温度が少し上がったような気がするのは私の気のせい?
エレベーターから降りてもズシは離れず、ゴンとキルアの強さの秘訣を知りたいのか何故か流派を尋ねていた。
早く終わらないかなと天井を眺めていたけど。
うーん、暑苦しい。
照りつける真夏の日差しのような視線に仕方なく目線を下げてやる。
そこには拳を握り締め目を輝かせていたズシがいた。
「隠しきれぬただならぬオーラ。一目でわかりましたっす!貴女がお二方の師匠ですね!?」
「は?」
「流派がなくとも独自の特訓をしたんすよね?一体なんなんすか?」
近い近い、存在が暑苦しいから近寄らないで。
グイグイ距離を詰めてくるズシにキルア達が止めにかかる。
若干鼻息荒いズシだったけど誰かに名を呼ばれて直立した。
物陰から眼鏡をかけた優男風の青年が現れ、ズシの隣に立ち態度を改めるよう注意している。
寝癖ついてるし、シャツ片方出てるけどそれファッション?
「ズシ、強引に迫るのは失礼ですよ。流派がなくとも強い人間はいるものです」
「押忍…すみません、詰め寄っちゃって。まだまだ修行が足りないっす」
「気にすんなって。アイが師匠呼ばわりされたのが意外だったけど」
ぺこりと未だに頭を下げ非礼を詫びるズシに別にいいと声を掛ける。
だって私師匠というか引率の先生みたいなものだし。
眼鏡をかけた青年はウイングと名乗り、ズシの師匠をしていると説明してくれた。
ふーん、あんまり強そうに見えないというか弱そう。
三人に軽いアドバイスをしたウイングは立ち去っていった。
ああいやだ、会いたくない。
電脳ネットを使用してチケットを取ったのがまずかったのか。
以前ミルキが電脳ネットはちょっとした操作をすれば、ネットにアクセスした人間の動向を探れると話していたような気がする。
多分彼はその方法を駆使して、ここの空港で待ち伏せしてたんだろう。
悔しさからか舌打ちをしても時既に遅しだ。
完全に彼の執念を甘く見ていた私の誤算だが、意地でも振り向いてなるものか。
幸い鈍感というか察しが悪いというか念が使えないキルアやゴンは、ストーカーの存在に一切気付いてない。
むしろげんなりしている私にすら目に入らないのか、二人仲良くお喋りしているのが心底恨めしい。
ゴン、君のご希望のヒソカは今君の近くにいるよ。
ずっしりと重くなった足をどうにか動かし、長時間かけてやっと天空闘技場に到着した。
幸いなことに天空闘技場のエントランスに到着したからか、変態の気配が消えた。
はぁ、やっと一息つける……
危機が去って安心できたし辺りでも見渡してみるか。
周りの柱には巨大なモニターが付けられており、様々な試合を中継していた。
ぶっちゃけ選手に賭けているのか半ば狂乱と化している観客も、血を流す選手だってどうだっていい。
今の私に必要なのは安らかなる睡眠だ。
「初めて来たけどもういい。家に帰りたい」
「アイさんやけにぐったりしてるね。飴食べる?」
「貰う」
うんまぁ、優しい甘さだ……
ゴンから貰った蜂蜜キャンディのほのかな甘さが疲れた身体に染み渡る。
舌で飴を転がしていたら、キルアが私に戦いを参加しないかと誘ってきた。
無論笑顔で断ると二人は露骨にガッカリした。
天空闘技場に着いていくとは言ったけど、私も参加するとは口にした覚えはない。
「それに参加したのが母さんにバレると厄介なんだ。“天空闘技場は粗野な人間が集まる場所だからアイちゃんは行かせません!!”ってうるさいし」
「あれ?確かキルアは過去無一文でここに放り出されたって言ってなかった?アイさんは違うの?」
「オレと別っていうかアイは兄弟の間でも特別だからな。お袋はアイを当主にとか常日頃言ってるけど本音は違う。アイに暗殺の訓練とか修行より生花とか茶道を教えたいっていつも嘆いてた。女の子はお淑やかに育つのが理想なんだと。だからこういう格闘場なんかお袋的には断固NGでさ。アイが家にいたら絶対許可なんか下りっこないぜ」
過保護みたいで凄いねと呑気に笑うゴンよ。
みたいじゃなくて母さんは完全に超過保護なんだよ。
受付をしにいった二人はすぐ戻ってきたが、番号を呼ばれリングへと入っていった
『だめよ!アイちゃん!!』と金切り声を上げる脳内母さんを無視して観客席に向かう。
六年前に無一文で放り出されたキルアはともかく。
実力不足のゴンは勝ち進めないだろと思ったけど、意外にも勝ち進んでいってる。
ふぅーん、やるじゃん。
試合が終わった二人は50階行きを言い渡されたと嬉しそうに報告してきた。
上の階層に向かう二人を見送ろうとしたが一緒に着いてきてと、さも当然のように言われてしまった。
私を放っておいても別にいいんだけども。
断るのも面倒なので一緒にエレベーターに乗ったら、ついでに柔道着を着た少年も加わってきた。
押忍とかの挨拶といいズシは熱血タイプなのかいやに暑苦しい。
温度が少し上がったような気がするのは私の気のせい?
エレベーターから降りてもズシは離れず、ゴンとキルアの強さの秘訣を知りたいのか何故か流派を尋ねていた。
早く終わらないかなと天井を眺めていたけど。
うーん、暑苦しい。
照りつける真夏の日差しのような視線に仕方なく目線を下げてやる。
そこには拳を握り締め目を輝かせていたズシがいた。
「隠しきれぬただならぬオーラ。一目でわかりましたっす!貴女がお二方の師匠ですね!?」
「は?」
「流派がなくとも独自の特訓をしたんすよね?一体なんなんすか?」
近い近い、存在が暑苦しいから近寄らないで。
グイグイ距離を詰めてくるズシにキルア達が止めにかかる。
若干鼻息荒いズシだったけど誰かに名を呼ばれて直立した。
物陰から眼鏡をかけた優男風の青年が現れ、ズシの隣に立ち態度を改めるよう注意している。
寝癖ついてるし、シャツ片方出てるけどそれファッション?
「ズシ、強引に迫るのは失礼ですよ。流派がなくとも強い人間はいるものです」
「押忍…すみません、詰め寄っちゃって。まだまだ修行が足りないっす」
「気にすんなって。アイが師匠呼ばわりされたのが意外だったけど」
ぺこりと未だに頭を下げ非礼を詫びるズシに別にいいと声を掛ける。
だって私師匠というか引率の先生みたいなものだし。
眼鏡をかけた青年はウイングと名乗り、ズシの師匠をしていると説明してくれた。
ふーん、あんまり強そうに見えないというか弱そう。
三人に軽いアドバイスをしたウイングは立ち去っていった。