ハンター試験編
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暗殺一家の子として産まれたから全部仕方ないと受け入れていた。
仕事上必要な座学の勉強や実技を交えた演習。
毒物や電気などの痛みに慣れるための訓練。
暗殺を主な目的とした数々の仕事。
あまり自由を与えられずひたすら家業や修練に励む日々。
親に文句を言いたかったが反抗期だの騒がれるのが嫌なので黙って修行に熱を入れたものだ。
脇目も降らずひたすら訓練に打ち込む私に何故だか周囲は哀れみの眼や慰めの言葉をかけてきた。
恐らく女として産まれた私がゾルティック家を継ぐために切磋琢磨していると勘違いしたのだろう。
実際弟のイルミからは「努力しても女は跡継ぎにはなれない」など面を向かって言われた。
訂正しようか迷ったけど気力を使いそうだったので黙っていたけど。
でも8歳の頃念能力を発現させたことで有難迷惑なことに、私はゾルティック家の後継者として認められてしまった。
能力をモノにするスピードが歴代最速だとか褒め称えられたけど全く嬉しくはなかった。
加速していく修行の厳しさに心底嫌気がさしたがどうにか耐えた。
けど16歳の時堪忍袋の緒が切れた。
理由としては三男キルアを後継者候補として育てると決まったのにも関わらず、父親がその結論を覆したからだ。
『やはりキルアではなくアイがゾルティックの後継者として相応しい』
正直その後の事はよく覚えていない。
けれど後に新聞やネットニュースでククル―マウンテンに氷山が降り積もったのだの、異常気象だのと騒がれているので結構やらかしたのだろう。
以来ヨークシンの中心街から少し離れた場所にある一軒家を購入し、そこで自由気ままに過ごしている。
家族も私が後継者になるのを諦めたのか下手に連れ戻してこない。
だけど結構というか強引に干渉してくるのはどうにかしてほしいものだ。
というか小遣い稼ぎを目的に家業は手伝っているんだから放っておいて欲しい。
依頼人の交渉とか一人で出来るのに毎回父さんとかやイルミがやろうかと口出しするのは何ゆえか。
逆に両親の過保護さ以外の悩みは今のところ一つもない。
だって苦手な家事掃除も家事代行サービスを使えば全て事がすむし、食事は宅配サービスに任せるか一歩外に出たらレストランがあちこちにある。
これで父さんたちが黙っていてくれれば最高なのに、世の中は中々うまくいかないものだ。
両親やゼノ爺ちゃん以外には最低限弟や妹に気を遣って連絡は取っている。
一応長女として彼等をそれなりに気にかけてはいるが返事はあまり返さない。
だってこまめにメールするとか面倒だし。
今日だって百件を超えるイルミからの着信を無視していたらキルアからも連絡がきた。
別に無視してもよかったけれど今日は調子が良かったので携帯を手に取る。
ごく普通のトーンだが息遣いから察するに切羽詰まっているというか、焦っている感じが手に取るように分かった。
なんだか嫌な予感がすると身震いした私に案の定キルアはとあるお願いをしてきた。
『ハンター試験を一緒に受けてほしいか。それ母さんやイルミは知っているの?』
『・・・・・・』
黙りくる間で大体察した。
あーはいはい、そういうことね。
大方キルアは自由が欲しくて母さんの制止を振り切って強引に家出をしたのだろう。
だからイルミが私に連絡を寄こしてきたのだ。
キルアの居場所を知らないか、と。
勿論私は面倒な案件だと察してあえて無視をしていたけれども。
キルアはイルミからの追跡を逃れる為に私を利用しようと電話をしてきたのだ。
別に手を貸して上げてもいいけれども、イルミにそれがバレたらネチネチ小言と針をぶつけられるのがオチだ。
どう考えても後々面倒事を生む確率が圧倒的に高いのはキルアの手助けをする方。
結論は既に出ているからキルアは諦めて捕まってくれないか。
「なあ姉貴・・・頼むよ」
ぐぅ、その声はずるくないか。
喉を引き絞るかのような声を出し縋ってくる弟に情が湧かないといったら嘘になる。
なんせ私も自由が欲しいと渇望して同じことをやったし。
平等に弟たちに接したいが同じ轍を歩んでいるキルアにどうしても肩入れしてしまいがちだ。
だがこのまま家出の手引きを手伝うのが家族に知られたとしよう。
キルアが逃げたら次の当主は一体誰になる?
そしてキルアが完全に逃げたのを父さんの耳に入ったとしたら。
父さんとゼノ爺ちゃんは仕方ないと言いながら喜々として私を連れ戻しにやってくる。
二人は実力行使も厭わないので最悪四肢のどこかが千切れてもおかしくはない。
いや、絶対そう。
それだけは断固として阻止しなければならない。
けど、まあ。手伝ってもいいか。
どうせキルアの頭にはイルミの“針”が刺さっている。
仮初の自由を与えてあげたら満足して闇に戻ってくれるだろう。
所詮キルアも熱を持たない人形であるから太陽の眩しさに耐えられなくなる。何より世界を知り自分の実力を知るという丁度いい機会かもしれない。
何より今の私は久々に旅がしたい気分だ。
『しょうがないなあ、イルミに場所伝えないからさ。どこの空港で待てばいいの』
仕事上必要な座学の勉強や実技を交えた演習。
毒物や電気などの痛みに慣れるための訓練。
暗殺を主な目的とした数々の仕事。
あまり自由を与えられずひたすら家業や修練に励む日々。
親に文句を言いたかったが反抗期だの騒がれるのが嫌なので黙って修行に熱を入れたものだ。
脇目も降らずひたすら訓練に打ち込む私に何故だか周囲は哀れみの眼や慰めの言葉をかけてきた。
恐らく女として産まれた私がゾルティック家を継ぐために切磋琢磨していると勘違いしたのだろう。
実際弟のイルミからは「努力しても女は跡継ぎにはなれない」など面を向かって言われた。
訂正しようか迷ったけど気力を使いそうだったので黙っていたけど。
でも8歳の頃念能力を発現させたことで有難迷惑なことに、私はゾルティック家の後継者として認められてしまった。
能力をモノにするスピードが歴代最速だとか褒め称えられたけど全く嬉しくはなかった。
加速していく修行の厳しさに心底嫌気がさしたがどうにか耐えた。
けど16歳の時堪忍袋の緒が切れた。
理由としては三男キルアを後継者候補として育てると決まったのにも関わらず、父親がその結論を覆したからだ。
『やはりキルアではなくアイがゾルティックの後継者として相応しい』
正直その後の事はよく覚えていない。
けれど後に新聞やネットニュースでククル―マウンテンに氷山が降り積もったのだの、異常気象だのと騒がれているので結構やらかしたのだろう。
以来ヨークシンの中心街から少し離れた場所にある一軒家を購入し、そこで自由気ままに過ごしている。
家族も私が後継者になるのを諦めたのか下手に連れ戻してこない。
だけど結構というか強引に干渉してくるのはどうにかしてほしいものだ。
というか小遣い稼ぎを目的に家業は手伝っているんだから放っておいて欲しい。
依頼人の交渉とか一人で出来るのに毎回父さんとかやイルミがやろうかと口出しするのは何ゆえか。
逆に両親の過保護さ以外の悩みは今のところ一つもない。
だって苦手な家事掃除も家事代行サービスを使えば全て事がすむし、食事は宅配サービスに任せるか一歩外に出たらレストランがあちこちにある。
これで父さんたちが黙っていてくれれば最高なのに、世の中は中々うまくいかないものだ。
両親やゼノ爺ちゃん以外には最低限弟や妹に気を遣って連絡は取っている。
一応長女として彼等をそれなりに気にかけてはいるが返事はあまり返さない。
だってこまめにメールするとか面倒だし。
今日だって百件を超えるイルミからの着信を無視していたらキルアからも連絡がきた。
別に無視してもよかったけれど今日は調子が良かったので携帯を手に取る。
ごく普通のトーンだが息遣いから察するに切羽詰まっているというか、焦っている感じが手に取るように分かった。
なんだか嫌な予感がすると身震いした私に案の定キルアはとあるお願いをしてきた。
『ハンター試験を一緒に受けてほしいか。それ母さんやイルミは知っているの?』
『・・・・・・』
黙りくる間で大体察した。
あーはいはい、そういうことね。
大方キルアは自由が欲しくて母さんの制止を振り切って強引に家出をしたのだろう。
だからイルミが私に連絡を寄こしてきたのだ。
キルアの居場所を知らないか、と。
勿論私は面倒な案件だと察してあえて無視をしていたけれども。
キルアはイルミからの追跡を逃れる為に私を利用しようと電話をしてきたのだ。
別に手を貸して上げてもいいけれども、イルミにそれがバレたらネチネチ小言と針をぶつけられるのがオチだ。
どう考えても後々面倒事を生む確率が圧倒的に高いのはキルアの手助けをする方。
結論は既に出ているからキルアは諦めて捕まってくれないか。
「なあ姉貴・・・頼むよ」
ぐぅ、その声はずるくないか。
喉を引き絞るかのような声を出し縋ってくる弟に情が湧かないといったら嘘になる。
なんせ私も自由が欲しいと渇望して同じことをやったし。
平等に弟たちに接したいが同じ轍を歩んでいるキルアにどうしても肩入れしてしまいがちだ。
だがこのまま家出の手引きを手伝うのが家族に知られたとしよう。
キルアが逃げたら次の当主は一体誰になる?
そしてキルアが完全に逃げたのを父さんの耳に入ったとしたら。
父さんとゼノ爺ちゃんは仕方ないと言いながら喜々として私を連れ戻しにやってくる。
二人は実力行使も厭わないので最悪四肢のどこかが千切れてもおかしくはない。
いや、絶対そう。
それだけは断固として阻止しなければならない。
けど、まあ。手伝ってもいいか。
どうせキルアの頭にはイルミの“針”が刺さっている。
仮初の自由を与えてあげたら満足して闇に戻ってくれるだろう。
所詮キルアも熱を持たない人形であるから太陽の眩しさに耐えられなくなる。何より世界を知り自分の実力を知るという丁度いい機会かもしれない。
何より今の私は久々に旅がしたい気分だ。
『しょうがないなあ、イルミに場所伝えないからさ。どこの空港で待てばいいの』