実家編
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ミルキ視点
血のような色のゲームオーバーの文字が画面に浮かび上がる。
よえぇ……
「まーた負けちゃった。ミルキ手抜いてる?」
「抜いてるよ」
「じゃあもう一回」
コントローラを放り出したアイ姉さんに予備のコントローラを渡す。
クッキー食べた手で触んないでよって注意したって無駄なんだろうな。
クッキーを片手にしたアイ姉さんのお願いでゲームが再開される。
やがて画面には先ほどと同様激しい格闘技を繰り広げていたけど。
やがてオレの操作しているキャラがアイ姉さんのキャラを倒した瞬間。
ブツンと訪れる暗闇。
横を見ればコントローラの代わりにフィナンシェを手にしているアイ姉さん。
アイ姉さんじゃないとすれば犯人は。
テレビの電源ボタンにぶっ刺さっているのは一本の針。
はぁ、壊さないで欲しいんだけど。
「テレビ壊れたらイルにぃのせいだから。さっきからアイ姉さんが負けそうになる度に妨害してこないでよ」
「してないけど」
嘘つけと言ってやりたいけど相手イルにぃだし。
口でも喧嘩でも勝てっこない次男は放っておくに限る。
本当は今日、オレがアイ姉さんを独り占め出来る日だったけども。
アイ姉さんが部屋にに入室した時点でイルにぃが、彼女の背後霊と化していた時点で叶わないのだと悟った。
あれは除霊も効かない悪霊だって。
仕方ないのでコントローラを置き、お菓子袋からポテチを取って開ける。
イルにぃにコンソメ味の袋を渡すと受け取ってくれるが、自分では口にしない。
その代わりイルにぃを座椅子代わりにしているアイ姉さんの口に、兄貴がポテチをわざわざ運んでやる甲斐性っぷり。
オレにもちょっと分けてほしいその優しさ。
「別にオレアイを庇ってないけど。稚拙すぎる技術にイラついただけだから」
「昔から変なところで怒るんだよイルミは」
お互いを指差しズレてる部分を指摘している。
二人の絶妙な鈍感さにイライラしてきて、いつも以上に汗が吹き出てしまう。
汗っかきじゃなくて誰のせいだと思っているんだ。
戯れついていた二人だが部屋に響く着信音にぴたりと動きを止めた。
イルにぃが電話に出て一言二言話すとすくっと立ち上がった。
「これから長期の仕事行くから。二週間は帰ってこない」
「行ってらっしゃい」
「じゃあ。また来年」
あっさりと別れを告げ部屋を出たイルにぃだけど最後までアイ姉さんから視線は逸らさなかった。
一筋の光も宿さない闇のような瞳だけど。
アイ姉さん相手だと仄かに種火が燻っているのをオレは知っている。
イルにぃが去った後床で転がっているアイ姉さんにそっと声を掛けた。
「もしだよ?イルにぃがさ。アイ姉さんを姉とじゃなくて異性として見てたらどうするよ」
多分オレだけが知ってるイルにぃの秘密。
男だからか、いや実の弟だからわかってしまう。
イルにぃの情欲混じりの目線を実の姉に向ける意味は。
賭けてもいいけど本人は全くの無自覚だ。
むくりと上体を起こしたアイ姉さんは目をぱちくりしだけどやがて瞼を下ろした。
「近親相姦にそこまで抵抗ないから特になにも。あーでも結婚とかになるなら違う。イルミは夫というより姑になりそうだし」
「そっかあ」
この返事だと脈あり、か?
イルにぃはちょっと融通効かないし自分勝手だけど。
弟としては歪んでいるだろうけど兄貴の恋が実ってほしい。
でもアイ姉さんを独占されたくはないんだよ。
応援したいようなしたくない気持ちを掻き消すようにポテチを口いっぱいに頬張った。
血のような色のゲームオーバーの文字が画面に浮かび上がる。
よえぇ……
「まーた負けちゃった。ミルキ手抜いてる?」
「抜いてるよ」
「じゃあもう一回」
コントローラを放り出したアイ姉さんに予備のコントローラを渡す。
クッキー食べた手で触んないでよって注意したって無駄なんだろうな。
クッキーを片手にしたアイ姉さんのお願いでゲームが再開される。
やがて画面には先ほどと同様激しい格闘技を繰り広げていたけど。
やがてオレの操作しているキャラがアイ姉さんのキャラを倒した瞬間。
ブツンと訪れる暗闇。
横を見ればコントローラの代わりにフィナンシェを手にしているアイ姉さん。
アイ姉さんじゃないとすれば犯人は。
テレビの電源ボタンにぶっ刺さっているのは一本の針。
はぁ、壊さないで欲しいんだけど。
「テレビ壊れたらイルにぃのせいだから。さっきからアイ姉さんが負けそうになる度に妨害してこないでよ」
「してないけど」
嘘つけと言ってやりたいけど相手イルにぃだし。
口でも喧嘩でも勝てっこない次男は放っておくに限る。
本当は今日、オレがアイ姉さんを独り占め出来る日だったけども。
アイ姉さんが部屋にに入室した時点でイルにぃが、彼女の背後霊と化していた時点で叶わないのだと悟った。
あれは除霊も効かない悪霊だって。
仕方ないのでコントローラを置き、お菓子袋からポテチを取って開ける。
イルにぃにコンソメ味の袋を渡すと受け取ってくれるが、自分では口にしない。
その代わりイルにぃを座椅子代わりにしているアイ姉さんの口に、兄貴がポテチをわざわざ運んでやる甲斐性っぷり。
オレにもちょっと分けてほしいその優しさ。
「別にオレアイを庇ってないけど。稚拙すぎる技術にイラついただけだから」
「昔から変なところで怒るんだよイルミは」
お互いを指差しズレてる部分を指摘している。
二人の絶妙な鈍感さにイライラしてきて、いつも以上に汗が吹き出てしまう。
汗っかきじゃなくて誰のせいだと思っているんだ。
戯れついていた二人だが部屋に響く着信音にぴたりと動きを止めた。
イルにぃが電話に出て一言二言話すとすくっと立ち上がった。
「これから長期の仕事行くから。二週間は帰ってこない」
「行ってらっしゃい」
「じゃあ。また来年」
あっさりと別れを告げ部屋を出たイルにぃだけど最後までアイ姉さんから視線は逸らさなかった。
一筋の光も宿さない闇のような瞳だけど。
アイ姉さん相手だと仄かに種火が燻っているのをオレは知っている。
イルにぃが去った後床で転がっているアイ姉さんにそっと声を掛けた。
「もしだよ?イルにぃがさ。アイ姉さんを姉とじゃなくて異性として見てたらどうするよ」
多分オレだけが知ってるイルにぃの秘密。
男だからか、いや実の弟だからわかってしまう。
イルにぃの情欲混じりの目線を実の姉に向ける意味は。
賭けてもいいけど本人は全くの無自覚だ。
むくりと上体を起こしたアイ姉さんは目をぱちくりしだけどやがて瞼を下ろした。
「近親相姦にそこまで抵抗ないから特になにも。あーでも結婚とかになるなら違う。イルミは夫というより姑になりそうだし」
「そっかあ」
この返事だと脈あり、か?
イルにぃはちょっと融通効かないし自分勝手だけど。
弟としては歪んでいるだろうけど兄貴の恋が実ってほしい。
でもアイ姉さんを独占されたくはないんだよ。
応援したいようなしたくない気持ちを掻き消すようにポテチを口いっぱいに頬張った。