ハンター試験編
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これといって興味惹かれる試合はなく。
流れ作業のようにぼうっと試合を眺めていたけど。
ポックルとの試合にリタイアしたキルアの次の相手にあ、と声が出た。
あーあキルアったら折角のチャンスを棒に振っちゃった。
もし今のでポックルとやらに勝っていたら悲劇は訪れなかったのに。
後悔してももう遅い。
というか家出した時点で賽は投げられているようなものだし。
ここから先は私が介入する意味はない。
つまりクッキー片手に試合を観戦するだけだ。
「ギタラクルVSキルア。はじめっ!!!」
開始の合図と共にイルミが自身の身体に刺さっている針を抜いていく。
筋肉や骨がみるみるうちにきしんでいきイルミの素顔が露になった。
キルアは酷く動揺し冷汗を大量に吹き出している。
殆ど試合の勝者は決まったようなものだ。
「外に連れ出すのは心配だからってそれとなく様子を見てくるように母さんに頼まれた。ついでにそれに手を貸した間抜けを家に連れ帰るために」
突き刺さる視線に知らん顔をする。
分かってはいたけど試験が終わり次第直行実家か。
三日くらいで勘弁してほしいものだ。
少しげんなりした気分になりながらもイルミの言い分を聞く。
分かってはいたけどイルミのやり口は実に粘着質だ。
キルアの脳にはイルミの針が埋め込まれているから、絶対に反抗なんか出来ないのに。
あえて恐怖を植え付ける事で完全に弟への気力を折るとは。
陰湿なオーラは性格に似たんだろうか。
精神を揺さぶってくる兄に必死に反抗しようとしたキルア。
ポタリと汗が一筋地面に垂れ自身の望みを口にした。
「ゴンと友達になりたい・・・もう人殺しなんてうんざりだ。ゴンと友達になって普通に遊びたい・・・・」
「それにアイともっと一緒にいたい。ゴンとアイと三人で一緒に世界を回りたい」
「そこで私の名を挙げるか」
まさか名前を呼ばれるとは思ってもみなかった。
ぽろりと手に持っていたクッキーが床に落ちる。
下手に私の名を出してイルミを刺激しないで欲しい。
文句を言おうと立ち上がるといつの間にか隣にいたレオリオがぽんと肩を叩いた。
なに?その任せろっていう感じの顔。
「ゴンとアイさんと友達になりたいだと!?寝ぼけんな!!とっくにお前らダチ同士だろうがよ!!二人ともそう思ってるはずだぜ!!なあアイさん!?」
「アーウンソウカナ」
げ、余計な口出しをしないで。
後でイルミに文句言われるから私のことは放っておいて。
どうにか説得しようと試みたが頭に血が上っているレオリオには一切伝わっていない。
こいつ、氷像にさせてやろうか……
念を発動したい気持ちをどうにか必死に抑える。
案の定イルミは苛立っているのかオーラが少しひりついている。
一瞬私を睨んできたのは全力で気のせいだと思いたい。
苛立ちを隠さないイルミは顎に手を当てて、考え事をしてますよ風を演じ始めた。
すっごい嫌な予感がするんだけど……
たっぷり間を開けたイルミはわざとらしく声を張り上げた。
「よしゴンとアイを殺そう」
ほらやっぱりそうなった。
ゴンを殺すついでに私に一矢報いようとでもしているのかあの弟は。
予想通りのパターンにうんざりしているとレオリオは何を思ったのか私の前に移動した。
まさか私をイルミから隠しているつもりなのか。
そっとレオリオの背中越しに周りを確認する。
クラピカもハンゾーも医務室への道を塞ぐように扉の前で仁王立ちをしている。
針を片手に今にも彼等に投げようとするイルミ。
仕方ない助けてあげようかとレオリオの背から少し顔を出す。
「次回の仕事にハンターライセンスが必要じゃなかったっけ?今参加者殺すと不合格になって仕事受けられないよ」
「あ、そういえばそうだ。困ったな」
頭を掻くイルミだったがすぐに試験に合格してから私とゴンを殺すと再び口にした。
ネテロ会長もルール上として全く問題ないと断言をした。
爺ちゃん頼むから空気読んで。
「聞いたかい?キル。オレと戦って勝てないとゴンとアイを助けられない。友達の為にオレと戦えるかい?無理だよ。今のお前に出来るのはどうやって兄であるオレから逃げるか。ただそれだけだ」
「!」
「やっちまえキルア!!どっちにしろお前もゴンもアイさんも殺させやしねぇ!!!そいつは何があっても俺達が止める!!」
レオリオの訴えも虚しく。
イルミに逆らえないキルアは弱弱しい声で負けを口にした。
その言葉を聞いてすぐ上機嫌になるイルミ。
殺すのは嘘じゃなくて本気だったくせに随分と白々しいものだ。
戦闘が終わったので形上レオリオにお礼を述べる。
「庇ってくれて(余計な世話を)ありがとう」
「気にすんなって。しっかしあんなんがキルアの兄貴かよ。頭のネジがぶっ飛んでいるやつじゃねーか」
それは同じ意見だ。
イルミの愛はキルア限定で大分歪んでいる。
姉である私の扱いはわりかし雑だけど。
放心しているのかキルアはクラピカとレオリオの声に反応しない。
ようやく元の闇人形に戻ったようで何よりだ。
試合は着々と進んでいきレオリオ対ボドロの試合が開始された。
開始の合図とともにボドロの背後に回るキルア。
むしゃくしゃするからって老人に当たるかね。
どうせだから人助けをしてやろうと思い、すぐさま床を勢いよく蹴り飛ばして彼らの間に滑り込む。
刃物と化したキルアの手が私の胸元を貫いた。
灼熱のような感覚が脳に伝わっていき、じくじくと馴染み深い痛みがじんわりと身体中を伝っていく。
会場にいる誰もかもが仰天しているのかシンとしている。
ちょっと痛いけど珍しく瞳孔を見開くイルミが見れたので、ボドロを助ける価値はあったものだ。
驚愕するキルアが慌てて手を引き抜き小声でなんでと呟いた。
「さあ?ただ気まぐれで身体が動いた。それだけだよ」
流れ作業のようにぼうっと試合を眺めていたけど。
ポックルとの試合にリタイアしたキルアの次の相手にあ、と声が出た。
あーあキルアったら折角のチャンスを棒に振っちゃった。
もし今のでポックルとやらに勝っていたら悲劇は訪れなかったのに。
後悔してももう遅い。
というか家出した時点で賽は投げられているようなものだし。
ここから先は私が介入する意味はない。
つまりクッキー片手に試合を観戦するだけだ。
「ギタラクルVSキルア。はじめっ!!!」
開始の合図と共にイルミが自身の身体に刺さっている針を抜いていく。
筋肉や骨がみるみるうちにきしんでいきイルミの素顔が露になった。
キルアは酷く動揺し冷汗を大量に吹き出している。
殆ど試合の勝者は決まったようなものだ。
「外に連れ出すのは心配だからってそれとなく様子を見てくるように母さんに頼まれた。ついでにそれに手を貸した間抜けを家に連れ帰るために」
突き刺さる視線に知らん顔をする。
分かってはいたけど試験が終わり次第直行実家か。
三日くらいで勘弁してほしいものだ。
少しげんなりした気分になりながらもイルミの言い分を聞く。
分かってはいたけどイルミのやり口は実に粘着質だ。
キルアの脳にはイルミの針が埋め込まれているから、絶対に反抗なんか出来ないのに。
あえて恐怖を植え付ける事で完全に弟への気力を折るとは。
陰湿なオーラは性格に似たんだろうか。
精神を揺さぶってくる兄に必死に反抗しようとしたキルア。
ポタリと汗が一筋地面に垂れ自身の望みを口にした。
「ゴンと友達になりたい・・・もう人殺しなんてうんざりだ。ゴンと友達になって普通に遊びたい・・・・」
「それにアイともっと一緒にいたい。ゴンとアイと三人で一緒に世界を回りたい」
「そこで私の名を挙げるか」
まさか名前を呼ばれるとは思ってもみなかった。
ぽろりと手に持っていたクッキーが床に落ちる。
下手に私の名を出してイルミを刺激しないで欲しい。
文句を言おうと立ち上がるといつの間にか隣にいたレオリオがぽんと肩を叩いた。
なに?その任せろっていう感じの顔。
「ゴンとアイさんと友達になりたいだと!?寝ぼけんな!!とっくにお前らダチ同士だろうがよ!!二人ともそう思ってるはずだぜ!!なあアイさん!?」
「アーウンソウカナ」
げ、余計な口出しをしないで。
後でイルミに文句言われるから私のことは放っておいて。
どうにか説得しようと試みたが頭に血が上っているレオリオには一切伝わっていない。
こいつ、氷像にさせてやろうか……
念を発動したい気持ちをどうにか必死に抑える。
案の定イルミは苛立っているのかオーラが少しひりついている。
一瞬私を睨んできたのは全力で気のせいだと思いたい。
苛立ちを隠さないイルミは顎に手を当てて、考え事をしてますよ風を演じ始めた。
すっごい嫌な予感がするんだけど……
たっぷり間を開けたイルミはわざとらしく声を張り上げた。
「よしゴンとアイを殺そう」
ほらやっぱりそうなった。
ゴンを殺すついでに私に一矢報いようとでもしているのかあの弟は。
予想通りのパターンにうんざりしているとレオリオは何を思ったのか私の前に移動した。
まさか私をイルミから隠しているつもりなのか。
そっとレオリオの背中越しに周りを確認する。
クラピカもハンゾーも医務室への道を塞ぐように扉の前で仁王立ちをしている。
針を片手に今にも彼等に投げようとするイルミ。
仕方ない助けてあげようかとレオリオの背から少し顔を出す。
「次回の仕事にハンターライセンスが必要じゃなかったっけ?今参加者殺すと不合格になって仕事受けられないよ」
「あ、そういえばそうだ。困ったな」
頭を掻くイルミだったがすぐに試験に合格してから私とゴンを殺すと再び口にした。
ネテロ会長もルール上として全く問題ないと断言をした。
爺ちゃん頼むから空気読んで。
「聞いたかい?キル。オレと戦って勝てないとゴンとアイを助けられない。友達の為にオレと戦えるかい?無理だよ。今のお前に出来るのはどうやって兄であるオレから逃げるか。ただそれだけだ」
「!」
「やっちまえキルア!!どっちにしろお前もゴンもアイさんも殺させやしねぇ!!!そいつは何があっても俺達が止める!!」
レオリオの訴えも虚しく。
イルミに逆らえないキルアは弱弱しい声で負けを口にした。
その言葉を聞いてすぐ上機嫌になるイルミ。
殺すのは嘘じゃなくて本気だったくせに随分と白々しいものだ。
戦闘が終わったので形上レオリオにお礼を述べる。
「庇ってくれて(余計な世話を)ありがとう」
「気にすんなって。しっかしあんなんがキルアの兄貴かよ。頭のネジがぶっ飛んでいるやつじゃねーか」
それは同じ意見だ。
イルミの愛はキルア限定で大分歪んでいる。
姉である私の扱いはわりかし雑だけど。
放心しているのかキルアはクラピカとレオリオの声に反応しない。
ようやく元の闇人形に戻ったようで何よりだ。
試合は着々と進んでいきレオリオ対ボドロの試合が開始された。
開始の合図とともにボドロの背後に回るキルア。
むしゃくしゃするからって老人に当たるかね。
どうせだから人助けをしてやろうと思い、すぐさま床を勢いよく蹴り飛ばして彼らの間に滑り込む。
刃物と化したキルアの手が私の胸元を貫いた。
灼熱のような感覚が脳に伝わっていき、じくじくと馴染み深い痛みがじんわりと身体中を伝っていく。
会場にいる誰もかもが仰天しているのかシンとしている。
ちょっと痛いけど珍しく瞳孔を見開くイルミが見れたので、ボドロを助ける価値はあったものだ。
驚愕するキルアが慌てて手を引き抜き小声でなんでと呟いた。
「さあ?ただ気まぐれで身体が動いた。それだけだよ」