ハンター試験編
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イルミ視点
予定より一時間遅く三次試験会場に到着した。
飛行船から降りトリックタワーの屋上に足を運ぶ。
屋上の床を叩くと音が僅かに異なる事から隠し扉があるのは明白だ。
キルアから最低限の距離を取り足元の床を回転させると下へと落ちていく。
落ちていった先は小部屋になっており壁にはモニターが設置してある。
内容を要約すると二人で力を合わせて課題をクリアせよとなっている。
面倒な事に同公社は生存者のみ限ると注意書きがあるときた。
まあ気に入らない奴だったら操作すれば良いだけだし。
早速針を構えて二人目を待っていると上から誰かが降ってきた。
着地点を狙って躊躇いもなく針を飛ばす。
けれども空中で身体を捻り全ての針を躱した受験生がこちらを向く。
変てこな面を被りゼノ爺ちゃんや父さん、そしてキルアと同じ輝くような銀髪を持つ女性。
ここでこいつと組むなんて。
「もしかしてオレとペア組むのアイ?」
音声の代わりにモニターに〇と示された。
厄介な相手と組まされたものだとうんざりしてしまう。
アイを操作しようとしただけで与えられた時間を越してしまうのは間違いない。
ハンターライセンスが必要なオレにはアイと組む以外道はないのだ。
確実に肩の荷が増したので息抜きに刺していた針を取り変装を解く。
「はあスッキリした。アイもお面取りなよ」
「なんで?」
「オレ達しかいないのに変装する意味ある?家族同士なんだから素顔でいろよ」
「いやだね。私は試験中素顔を晒さないと決めているの」
口元をへの字にしたアイはオレに一瞥もくれず、すたすた先へと進んでいく。
昔から変な行動ばかりするアイが嫌いだ。
他人と関わるのが嫌いなのに妙なところで人脈を築いていたり。
オレのお願いは聞いてくれないのにキルアの頼みは聞くアイが嫌いだ。
仕方なくアイの後を追い道を進んでいく。
時折試験の一環なのか囚人たちが襲い掛かってくるがオレにとっては有象無象に等しい。
針を喰らった囚人が悲鳴を上げながら倒れた事で扉が自動に開いた。
「ちょっとアイも手伝ってよ。オレばっか囚人倒してるじゃん」
「戦闘するの疲れるからイルミが相手してよ。飛び道具いっぱい持ってるでしょ」
「これ二人で力を合わせてクリアする試験だって知ってる?」
昔と何一つ変わらない我儘全開の態度のアイが嫌いだ。
自分勝手で相手を振り回すのに釣った魚には餌をやらないときた。
こんな奴を昔尊敬していた自分が実に馬鹿らしい。
怒りを抑えつけるオレに構わずアイはどんどん先へ進んでいく。
オレが立ち止まろうと蹲ろうとも振り向きもしないアイが嫌いだ。
あの時、圧倒的な才能があっても女だから跡取りになれないと父さんが話していたのをこっそり聞いてほっとした。
だってアイは外の世界に興味がなさそうだったし。
イルミの側にいると約束してくれたのに。
それなのにアイはオレを置いて一人訓練に打ち込んでしまい。
挙句の果てに家まで出てしまって。
約束すら覚えておらず他の男と遊ぶアイが嫌いだ。
割と長い一本道を抜けるとそこには広い闘技場があった。
闘技場の真ん中にはオレ達を待っていたであろう数十人の囚人がいる。
全員が武器を持っており舌なめずりしながらこちらに挑発的な言葉を投げつけている。
壁につけられているスピーカーからくぐもった声が降ってきた。
『これは耐久力の試練。二人のうちどちらか一人が代表として出場して彼等に挑むのだ。囚人どもは武器の所持を許可しているが君たちは許可していない。さあどちらが挑む?』
「アイが参加するよ。大した傷も負ってないし」
「姉を生贄に出すとは酷い弟だ」
アイは未練がましく嫌だと言っていたがやがて諦めたのか、気怠そうに闘技場のサークルへと入っていった。
囚人達の真ん中にぺたりと座り開始の合図を待っていた。
馬鹿な囚人はアイを弱い女だと決めつけているのかげらげら笑っている。
巻き添えを喰らわないようサークルから出来るだけ距離を取り、壁付近まで移動した。
「おいおい黒目の兄ちゃんよお!!女を勝負に出すなんて可哀そうじゃねえか」
「か弱い姉ちゃん。痛い目に合いたくないなら俺達のお願い聞いてくれるか?」
「いやだね。じゃあ始めようか絶対零度 」
アイが両手を床に当てた瞬間。
あっという間に闘技場が銀世界と化した。
距離を取っていても凍えるような冷気が身体を包む。
もし一歩前にいたらこちらごと凍っていただろう。
相変わらず馬鹿げた射程距離をしている。
これで手加減をしているなんて本当におかしい。
アイの保有する念の量は底が知れないものだ。
囚人どもは馬鹿なのか間抜けにも口を開けていたが、やがて身動きが取れない状況にようやく気付き絶叫をあげた。
いや、おそ。
「ぎゃあ!!オ、オレの身体が!!う、動かねえ!!」
「顔から下が凍ってやがる!!なんで、どうして!!」
「じゃあね」
この後の惨劇なんて目を瞑っていても理解できる。
アイが氷像と化した囚人の首を刎ねるだけの単純作業。
苦悶の声がしばらく部屋に響いたがやがて静かになった。
戻ってきたアイにハンカチで頬についた返り血を吹いてやる。
されるがままのアイは大きなくしゃみをした。
「うー寒い寒い。カイロ開けて」
「自分でやりなよ」
「やだ、開けて」
やってもらえるのが当然だと思い込んでいる、傲慢不遜なアイの態度にほとほと嫌気がさす。
めんどくさがりのアイが嫌いだ。
整理整頓が苦手で料理もダメダメで生活能力0。
他人がいないと生きていけないくせに一人暮らしをしているなんて。
実家にいればオレが面倒を見てやれるから気苦労なんてしなくてもいいのに。
頑なに家に戻らないアイが嫌いだ。
苛立ち交じりにカイロを開け押し付ける。
「イルミありがとう」
ただのお礼なんかでオレの心をわずかに乱してくるアイが嫌いだ。
素っ気ない表情も飯を食べる姿も何もかもが嫌いで仕方ないのに。
嫌でも気にしてしまうこの気持ちの正体は。
とっくに気づいている感情をあえて無視をして一人先に前へと歩いた。
予定より一時間遅く三次試験会場に到着した。
飛行船から降りトリックタワーの屋上に足を運ぶ。
屋上の床を叩くと音が僅かに異なる事から隠し扉があるのは明白だ。
キルアから最低限の距離を取り足元の床を回転させると下へと落ちていく。
落ちていった先は小部屋になっており壁にはモニターが設置してある。
内容を要約すると二人で力を合わせて課題をクリアせよとなっている。
面倒な事に同公社は生存者のみ限ると注意書きがあるときた。
まあ気に入らない奴だったら操作すれば良いだけだし。
早速針を構えて二人目を待っていると上から誰かが降ってきた。
着地点を狙って躊躇いもなく針を飛ばす。
けれども空中で身体を捻り全ての針を躱した受験生がこちらを向く。
変てこな面を被りゼノ爺ちゃんや父さん、そしてキルアと同じ輝くような銀髪を持つ女性。
ここでこいつと組むなんて。
「もしかしてオレとペア組むのアイ?」
音声の代わりにモニターに〇と示された。
厄介な相手と組まされたものだとうんざりしてしまう。
アイを操作しようとしただけで与えられた時間を越してしまうのは間違いない。
ハンターライセンスが必要なオレにはアイと組む以外道はないのだ。
確実に肩の荷が増したので息抜きに刺していた針を取り変装を解く。
「はあスッキリした。アイもお面取りなよ」
「なんで?」
「オレ達しかいないのに変装する意味ある?家族同士なんだから素顔でいろよ」
「いやだね。私は試験中素顔を晒さないと決めているの」
口元をへの字にしたアイはオレに一瞥もくれず、すたすた先へと進んでいく。
昔から変な行動ばかりするアイが嫌いだ。
他人と関わるのが嫌いなのに妙なところで人脈を築いていたり。
オレのお願いは聞いてくれないのにキルアの頼みは聞くアイが嫌いだ。
仕方なくアイの後を追い道を進んでいく。
時折試験の一環なのか囚人たちが襲い掛かってくるがオレにとっては有象無象に等しい。
針を喰らった囚人が悲鳴を上げながら倒れた事で扉が自動に開いた。
「ちょっとアイも手伝ってよ。オレばっか囚人倒してるじゃん」
「戦闘するの疲れるからイルミが相手してよ。飛び道具いっぱい持ってるでしょ」
「これ二人で力を合わせてクリアする試験だって知ってる?」
昔と何一つ変わらない我儘全開の態度のアイが嫌いだ。
自分勝手で相手を振り回すのに釣った魚には餌をやらないときた。
こんな奴を昔尊敬していた自分が実に馬鹿らしい。
怒りを抑えつけるオレに構わずアイはどんどん先へ進んでいく。
オレが立ち止まろうと蹲ろうとも振り向きもしないアイが嫌いだ。
あの時、圧倒的な才能があっても女だから跡取りになれないと父さんが話していたのをこっそり聞いてほっとした。
だってアイは外の世界に興味がなさそうだったし。
イルミの側にいると約束してくれたのに。
それなのにアイはオレを置いて一人訓練に打ち込んでしまい。
挙句の果てに家まで出てしまって。
約束すら覚えておらず他の男と遊ぶアイが嫌いだ。
割と長い一本道を抜けるとそこには広い闘技場があった。
闘技場の真ん中にはオレ達を待っていたであろう数十人の囚人がいる。
全員が武器を持っており舌なめずりしながらこちらに挑発的な言葉を投げつけている。
壁につけられているスピーカーからくぐもった声が降ってきた。
『これは耐久力の試練。二人のうちどちらか一人が代表として出場して彼等に挑むのだ。囚人どもは武器の所持を許可しているが君たちは許可していない。さあどちらが挑む?』
「アイが参加するよ。大した傷も負ってないし」
「姉を生贄に出すとは酷い弟だ」
アイは未練がましく嫌だと言っていたがやがて諦めたのか、気怠そうに闘技場のサークルへと入っていった。
囚人達の真ん中にぺたりと座り開始の合図を待っていた。
馬鹿な囚人はアイを弱い女だと決めつけているのかげらげら笑っている。
巻き添えを喰らわないようサークルから出来るだけ距離を取り、壁付近まで移動した。
「おいおい黒目の兄ちゃんよお!!女を勝負に出すなんて可哀そうじゃねえか」
「か弱い姉ちゃん。痛い目に合いたくないなら俺達のお願い聞いてくれるか?」
「いやだね。じゃあ始めようか
アイが両手を床に当てた瞬間。
あっという間に闘技場が銀世界と化した。
距離を取っていても凍えるような冷気が身体を包む。
もし一歩前にいたらこちらごと凍っていただろう。
相変わらず馬鹿げた射程距離をしている。
これで手加減をしているなんて本当におかしい。
アイの保有する念の量は底が知れないものだ。
囚人どもは馬鹿なのか間抜けにも口を開けていたが、やがて身動きが取れない状況にようやく気付き絶叫をあげた。
いや、おそ。
「ぎゃあ!!オ、オレの身体が!!う、動かねえ!!」
「顔から下が凍ってやがる!!なんで、どうして!!」
「じゃあね」
この後の惨劇なんて目を瞑っていても理解できる。
アイが氷像と化した囚人の首を刎ねるだけの単純作業。
苦悶の声がしばらく部屋に響いたがやがて静かになった。
戻ってきたアイにハンカチで頬についた返り血を吹いてやる。
されるがままのアイは大きなくしゃみをした。
「うー寒い寒い。カイロ開けて」
「自分でやりなよ」
「やだ、開けて」
やってもらえるのが当然だと思い込んでいる、傲慢不遜なアイの態度にほとほと嫌気がさす。
めんどくさがりのアイが嫌いだ。
整理整頓が苦手で料理もダメダメで生活能力0。
他人がいないと生きていけないくせに一人暮らしをしているなんて。
実家にいればオレが面倒を見てやれるから気苦労なんてしなくてもいいのに。
頑なに家に戻らないアイが嫌いだ。
苛立ち交じりにカイロを開け押し付ける。
「イルミありがとう」
ただのお礼なんかでオレの心をわずかに乱してくるアイが嫌いだ。
素っ気ない表情も飯を食べる姿も何もかもが嫌いで仕方ないのに。
嫌でも気にしてしまうこの気持ちの正体は。
とっくに気づいている感情をあえて無視をして一人先に前へと歩いた。