アルカ編
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ゴンが完全復活してから早一ヶ月。たかが一ヶ月だけど当主になる為の手続きだとかヒソカに追われたせいか十年ぐらい過ぎ去った気がする。以前の約束通りデートする日付を決めたのは良いけどヒソカはイルミが付いてくるのを知ってるのかね。
『アイ姉さんどうした?』
『ちょっと考え事をしてただけ。そろそろ任命式始まるからもう切るよ』
『うん分かった…あのさ毎日連絡するし手紙も送る。イルミに虐められたりしたらいつでも俺を頼ってくれ』
『ま、ぼちぼち頼るかもね』
『ねえお兄ちゃん誰と電話してるの?』
アルカに変わる前にすぐさま通話ボタンをオフにする。一度アルカに電話を変わると軽く一時間は超えるからね。長電話は面倒なんだ。後ろに控えていたゴトーに携帯を預けて自室から出て大広間に向かう。うーん普段ドレスなんか着ないから動きにくい。ジーンズに着替えたいけど流石に当主任命式でそれは無理か。
「キルアもゴンも今から出発だと」
「そうでございますか」
「ゴンは父親に会いに世界樹のてっぺんに行くんだとさ。ジンの人柄はパリストンから聞いていたけど無茶苦茶な人だ」
「…後悔されておりますか」
微笑を貼り付けたゴトーの感情は決意に満ち溢れていた。仮に私が今から向かう場所に行きたくないと伝えれば全力で逃がす手伝いをする、そんな目だ。
「そうだなあ。コルセットがキツすぎるからドレスに選んだのを後悔してるよ。着物にしておけばよかった」
ゴトーはその答えに多少面食らったのか何度も瞬きをしている。冷静さを取り戻そうしたのか眼鏡のブリッジを上げた。おいおい上げすぎて額に眼鏡つけてるみたいになってるぞ。
「左様ですか」
元の位置に眼鏡を戻したゴトーは晴れやかな笑顔だった。さっきまでの緊張が嘘みたいに消え去っている。そうだよそれで良いんだ。
だだっ広い大広間に全ての執事とキルアとアルカ以外の家族が集合していた。王様の座るような偉い椅子に座るのは父さんでその横にいるのが私。私の隣にいるイルミは珍しく表情を露わにしていた。不服そうなようでどこか機嫌が良さそうな複雑な顔付き。そりゃ当主にならないと駄々を捏ねていた私がいきなりなるよなんて宣言したからね。心の整理が追いついてないのは仕方ない。
『あんたはこれで良いの?』
私が当主になる代わりにキルアとアルカは自由にさせる。その条件を呑み込まなければこの場にいる全員を殺す、その脅しを父さんは受け入れた。「おねだり」無しでナニカを操る力を持っている私を野放しにしたくはないのだろう。今は二人の門出に口を挟まないが必要となれば連れ戻せと命令するだろう。その時が来ないように当主として立派に振り舞うのか私の使命だ。
当主になる、幼い頃からその期待がどれだけ振り払っても逃げられずにいた。だから家でをしたんだ。けどずっと家の事が気掛かりで心に引っ掛かっていた。大切な人間なんていないと口でほざいたけど、ウヴォーとパクノダの死で背けていた現実と向き合えた。
「家族以上に大切な存在はいない。だからこれで良いんだ」
父さんが立ち上がったのに合わせて父さんの足元にかしづいて頭を下げる。ああ私は今から自由を捨てて家族の為に生きるのだ。けど完全に鳥籠の鳥じゃない。ちょくちょく自由はあるから幻影旅団のみんなに会えるんだ。そうだレオリオやクラピカに謝っておこうかな。以前なら考えもしなかった人物たちが次々と浮かんでくる。感情を取り戻したってこんな感じなのかね。
「今この時を持ってシルバ・ゾルディックからアイ・ゾルディックに全て一任する」
「しょうがないなあ。ま、退屈凌ぎにやってあげても良いよ」
