恋病(全11話)
文化祭、図書委員はやることがないためクラスの出し物について参加することとなるのは分かりきっていたがレトロ写真館をやろうと言い出した子によってレトロ写真館をやることなり、クラス全員が明治~大正あたりの服装となったが、高身長の私は普通に着物がないため袴にブーツでごまかすことにした。
ブーツのせいでまた全員を見下ろしてしまう。悲しい。で
も何故か忍足君と2人で撮影することになったのは不思議で仕方ない。京子ちゃんからメールが来てその内容に「確信犯」と送り返してやった。京子ちゃんはいつの間にか宍戸君と付き合っていたのだ。イチャイチャしやがって、羨ましい!
レトロ写真館は指名制ではないのに景吾と撮りたい女子が殺到して、いろんな意味で大変だったし女子は女子で泣いて喜んでいた。罪な男である。
「跡部指名ありなら自分指名してもええやろ?」
「ひぃ……指名制じゃないってばぁ~……」
というか私と撮っても私が嬉しいだけで忍足君の得にならないだろうけど、そこんところどうよって話であり、景吾は女の子の列を見ながら鼻で笑ってきた。というか景吾さ、
「着物似合うね、意外」
見た目が派手だから本当にそう呟くと「当然だろ」俺だって日本の血が入ってんだからよ、と。
さすが俺様何様跡部様。
拍手をしておいたら他の子も真似して拍手の嵐が起こって景吾は満足そうである。そういうところだよ。
一頻り拍手をされてからまたレトロ写真館はにぎわい忍足君とのやり取りに戻る。
「ええやん、2回撮ろ。衣装 の貸し出しあるんやね、着よか」
「うう~……」
好きと忍足君の背中にもらしそうになるもなんとか飲み込んで制服と着物の2枚をマジで撮っていった。
データは残るため後でこっそり現像できないか係のクラスメートに声をかけようと思ったら着物で並んで座って撮った1枚を忍足君に渡されて驚いている間に着替えて
「ほな!ありがと」
と笑って岳人君と去って行った。予期せぬ出来事にビックリしていたら景吾が写真を見て「良かったな」って言ってくれた。だからそういうところだぞ景吾~!
女子の列がいなくなって「じゃあ記念に」私たちと跡部様とで撮ろうなんて提案され拒否する理由もなく前日に試し撮りしたのもあるのに、今いる数人で撮り現像して私の宝物が2枚できた。
忍足君のは本当にもう一度言うけど嬉しくて眺めていたらいつの間にかいた京子ちゃんに肩パンされた。そして宍戸 君と二人で撮っており宍戸君が照れつつ満更でもなさそうなその様子に景吾が笑っていたし宍戸君が苦い表情で景吾を睨みつけていた。
はいはい仲良くしてよ。仲はまあいいらしいけど一応言っとこ。仲良くしなよ。
2人にド突かれたから後で宍戸君には京子ちゃんへの両片想いの期間の話を京子ちゃんにしてやろう。景吾にはジュースを奢らせよう。タピオカ。
私は交代の時間になったため 暇つぶしに景吾と肩を並べて プラプラしていたら忍足君が 数名の女子生徒に囲まれており景吾をちらりと見ると背中を押されて忍足君に倒れ込む形となってしまった。
体幹のなさが露見させられたあげく忍足君に抱きとめられたため景吾には後で一発決めておこう。タピオカだけで許さない。
でも忍足君は私の手を握りしめ「俺」この子と回るからサヨナラ、なんて言っており軽く女の子たちに睨まれたため 私は景吾を生贄とさせ忍足君とその場を去る。
「交代?」
「うん、今日は私はもう終わり」
忍足君のクラスは幼稚舎向けの出し物だと言って私は特に楽しいことはないと思うと言われたから「じゃあいいか」としながら忍足君は握りしめている手を放してくれない。
好きがすごくて爆発する予感 を覚えつつ半分死にながら忍足君と色々見て回り、一般の出入りが終了時刻を迎えたため階段の踊り場で別れた。
よかった。変な汗かいてるんじゃないかと心配してたけどよかった。汗1つない。
教室に戻り色々と終了準備をする前にクラス全員で撮っておこうという話になり今日だけでめちゃくちゃ写真撮られてる気がしてならないが楽しかったのでよしとする。
京子ちゃんとも2人で撮って、明日は休日、明後日から1日かけて教室整理と後片付け。着替えは面倒だと、どうせ今日はもういろんな格好の生徒がいるからこのまま帰ろうと賑わう下駄箱が静かになるまでずっと図書室に避難していたら同じ委員の後輩に写メを求められたので、また今日はめっちゃ撮ったなという感想を持つ。
17時過ぎ。ようやく少しは落ち着いたろうと図書室を出たら忍足君が立っていて今日もまた何度目かも分からない驚きに忍足君が笑いかけてきた。
「一緒に帰らへん?」
「ヴッ……良いです」
「何で敬語なん?自分おもろいやっちゃな」
行こか、と自然に伸ばされた手を凝視すると「手」繋ぐの嫌なん?と言われたのでドキドキしながら首を横に振り2人で手を繋いで下校した。
翌日景吾が笑っていたのでド突いといた。
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