彼と言う人を考えて(全9話)
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嫌ともダメとも言い切れずのデート約束の時間15分前。
かなり早く来てしまったこと に足元に視線を向けていたら影が落ち、顔を上げると知らぬ顔が2つあって。
「可愛いね、君。暇?」
「俺らと遊ばない?」
瑠依とのデートに 約束の20分前、不二は駅前 につき何となく彼女が自分を待つ姿を見たいとカフェの物 影に不審に思わない程度に身を隠してみたら瑠依の友達と目があった。
互いに驚いてしまう。
「不二くん、瑠依ちゃんとデート?」
「うん。早く来すぎちゃったけど僕を待つ瑠依ちゃんを見たくて」
「なら面白いものを見られるかも!」
同じクラスの瑠依ちゃんの友達の言葉に首を傾げるとちょうど15分前なのに瑠依ちゃんが姿を見せ駅を見渡せる銅像の前に立って足元に視線を落としている。
できることなら今すぐ行って 声をかけたいが瑠依ちゃんの友達の面白いものも気になるため、なんとか我慢して見ていると瑠依ちゃんに近づく男が2人。
「っ、」
「ストップ!」
一瞬体が動きそうになったがクラスの子に止められそろそろと近づくと会話が聞こえてきた。
安いナンパ文句に苛立ちを覚えるが、今まで聞いたことないほどに淡々とした声が聞こえてきた。
「暇じゃないし可愛いって気の迷いじゃないですか?」
「嘘じゃないって、君、可愛いよ!」
「友達と待ち合わせ?女の子?彼氏?君みたいな子を待たせる男なんてやめて遊ぼうぜ」
「気安く触ったら投げますよ」
感情の抜け落ちた表情と声で瑠依は言葉を発し 「投げる」という言葉に不二は首を傾げてしまい、同じクラスの女子は「よし!」とガッツポーズを決めた後「見てて!」と。
僕としては今すぐ止めたいが それと同じくらいに好奇心が勝ってしまい見つめていると案の定彼女の言った意味を理解できていなかったらしいナンパのうちの1人が瑠依の手を掴み
「私、警告しましたからね」
「え」
飛んだ。
掴まれた手とは反対の手で捻るように肘をつかむとそのまま押し込むように足を一歩前に出し引き寄せる遠心力によってナンパ 1人が銅像の横に投げ飛ばされたポカンとする。
もう1人のナンパと、どさっと落ちる音に周囲が目を向ける。
「……は……?」
投げ飛ばされたナンパも、硬直するナンパにも目をくれず瑠依は腕時計を見て不二は爆笑するクラスの女子に背を押され瑠依の元へと駆けていく。
「あ、不二くん……」
ぽかんとしているナンパを見ることもしない瑠依は不二を見てほっとしたように、でもどこか緊張 したように身を強張らせ、不二は「とりあえず」行こうと瑠依の手を握り締めた。
ナンパはいとも簡単に投げ飛ばされたのに今までそんなことをされたことはない不二の機嫌はかなりいいし現場から離れた喫茶店に入ると不二はとうとう笑い出してしまった。
「み、見てたの…!?」
「くっ……ふふ……ごめん、見てたよ」
瑠依ちゃんは気まずそうに視線を落とすも、軽く結い上げられた、いつもはあまり見えない首筋が赤く染まっていることに気づき不二はさらに笑ってしまう。
「わ、笑いごとじゃないよ!」
「ごめん……でも、あのさ」
一頻り笑ってから不二は笑顔を向け
「僕は自惚れてもいいのかな?」
「え?」
「僕が触るとただの可愛い瑠依ちゃんを見られているって」
その問いかけに瑠依は大きく目を見開くと、みるみる顔を赤らめてしまったけれど自惚れてもいいよね?
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