ささやかに愛してる(全10話)
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「大月!大月が不二と付き合ってるのは知ってる!でも、俺大月のことが好きだから、俺のこと考えてく
「悪いけど春奈ちゃんは僕の大切な人だから」
っ!?不二……!?」
放課後、呼び出しをくらった私は不二関係かなと思いつつ 何も考えないで呼び出しを食らった場所に行くと1年の時同じクラスだったと思う男子に突然告白をくらい、彼が全てを言う前に下駄箱に置いてきたはずの不二がばっさり切り捨てた。
不二関連だとめんどくさいなと思ってたががっつり私主体であり、男子は私と不二を見比べると肩を下ろして教室を出て行ってしまい2人で見送ってしまう。が、不二よ。
「下駄箱にいてって言ったじゃん」
「何かあったら嫌だからね」
「何もなかったじゃん」
不二へ薄く目を開くと私は見下ろし「もし」と、
「もしあいつが春奈ちゃんを抱きしめたりしたら君は逃げられる?」
「そこまで隙は作らな……」
「い」という前に腕を引かれドンと壁に押し付けられた。
「隙だらけじゃないか」
「だって不二だし」
顔の両側に手を置かれ至近距離で見つめられ夕日の中で見る不二はそれはそれは格好よくて、だんだんと私の顔に熱は集まっていくが不二はそれに気づいていない。
「僕じゃなかったらどうやって逃げるつもりだったの?」
「不二にはしない方法で……」
「僕にはしない方法?」
両目で見下ろしてくる不二の顔を見つめていられなくなり そっと視線を落とし小さく頷くと下から顎をすくい上げるように上を向かされ顔を覗き込まれてしまうと何も言えない。
というか不二がなぜだか怒っている。
どうしたの、とも何も言葉が浮かばず、ひどく真剣な表情の不二と見つめ合っているとそのまま淡麗な顔が近づいてきて見惚れていると唇が重なり合った。
それに驚いて不二の肩に手を置くが「まあ不二だし」とキスを受け入れていると眉を寄せられ怒った表情を見せられてしまう。え、なんで。
「僕じゃないやつがこうしてきたらどうするつもりだったの?」
あ、これ、いつしかの時よりも怒ってますね。忍足君と映画見ていた時よりも怒ってますね。
「あの、不二」
「何?」
その冷たい声に思わず息を飲んでしまい不二はまた顔を寄せてきて柔らかな感触に意識がいってしまう。
息を吐くとその隙間から舌が割り込み随分と余裕のない深い口づけに、不二の肩をつかんでいる手をその背に回し、ぎゅう抱きつくとぢゅっと下唇を甘噛みされてから離れていき目を開けると今度は困った表情の不二と目を見合わせてしまう。
「……春奈ちゃん……」
「何?」
「僕、怒ってるんだけど…」
「え?うん。……うん?」
それがどうしたという意味で頷くと強い力で抱きしめられて。
「え、いや、不二だからいいかなって、思って……」
思わず不安が胸をよぎり「駄目だった?」と小さく呟くと不二は抱きしめる力を強くしてきて私も同じように抱きついてしまう。
近い位置にある不二の頬に軽くすり寄ると、大きなため息は吐き出されてしまい私は両手を離し離れようとしたがそれより強く抱きしめられてしまいまた耳元でため息を吐き出され、ついで、小さく肩が揺れている不二に疑問が勝る。
「え、何で笑ってんの?」
「僕が怒ってるのに春奈ちゃん全然気にしないね」
せっかくお仕置きを考えてたのに、なんて不穏な言葉は無視をして不二の顔を覗き込もうとしたら後頭部に手が回り顔を上げさせられないように されてしまう。
「不二が怒ってるのは、不二に無抵抗なところ?」
「違うよ、僕を男として見てくれてるのかなって思って」
「見てなきゃキスしないよ」
「……」
「え、黙らないでよ……って、苦しい、苦しいから、グエッ……」
力の限り抱きしめられ背がしなり苦しみに呻くと耳元で今度は笑われてしまい疑問いっぱいになってしまう。脳内大混乱である。
「しゅうすけぇ~、苦しい~、優しくしてぇ~」
「煽ってる?」
まあ、多少は煽っているが多分私と不二の間にある「煽り」の意味合いは違うものであろうが
「一番は何があっても不二だよ」
と口にすると不二の手が後頭部から離れ満面の笑みを向けられた。
「今日はそれで許してあげる」
なんて。……今日は……?次があるのか?ないだろ。
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