ささやかに愛してる(全10話)
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
授業が自習になったとたん、教室は無法地帯となり男子も女子も仲良し組と集まって会話に花は咲かせ始め私の周囲にも仲良しが寄ってきて読書をする私も参加させ理想の男性についての会話が始まった。
「やっぱり頼れる人がいいなぁ」
「私はバックハグが決まる高身長の人」
「優しい人が好き」
仲良し3人組はそう話し私は適当な相槌を打って本を読むが
「春奈って不二君と付き合ってるけど結局どっちから告ったの?」
ひそっと耳打ちをされ私は、しかし本を読みながら「へあ?」という声を漏らしてしまう。結局、何だって?
「不二君から?春奈から?」
「てか春奈の理想って年上じゃなかった?」
「理想じゃなくてストライクゾーンが高いだけで別に理想じゃ、」
「へえ、春奈ちゃん年上好きだったんだ」
またもや「へあ?」という声を漏らしてしまい私の背後を見た仲良しが「あ、不二君」と声を出しチラリと菊丸君を見ると爆睡している。そして不二はさりげなく私の横の椅子に座り私の手を握りしめてきて
「春奈ちゃんの理想を知りたいな」
なんてつぶやいた。
「そんなの聞いてどうすんの?」
「僕以外のタイプがあるなら潰そうかなって」
「……物騒だなお前……」
「違うよ」
春奈ちゃんの理想に近づくために自分を潰して上書きしようかな、なんて言われてしまうと私は本もそうだしキャーキャー言う仲良しを ちらっと見てから不二を見つめてしまう。困るよ。
「自分を潰してまで私と付き合いたいの?」
「うん」
「そんな人イヤ」
きっぱり言い捨てた私に友達も不二も口を閉ざし私は不二を見つめたまま口を開く。
「好きな人と理想のタイプは違うでしょ。私と付き合いたくて自分を潰すような人は好きにはならない」
「今のままの僕が好きってことでいい?」
「うん」
仲良しは「おっとこまえ~」とつぶやき不二は私の手を握りしめ、何なら指を絡めて包んできて私は握り返してしまう。
「理想のタイプは好きな人だよ。あと私のために怒ってくれる人」
「ふふっ…僕だね」
「もちろん」
と言っても不二が私のために怒ったことはないし私のせいで怒らせちゃったことは一度しか無いけれど話しを聞いていた仲良しは若干頬を染めつつ「はいノロケノロケ」なんて手を振っている。いや聞いたのそっちじゃん。
「じゃあ不二君の理想ってどんな人?」
「理想なんてないよ。僕も春奈ちゃんと同じで好きになった人が理想ってやつかな」
「でも不二君のタイプは指が綺麗な人って聞いたことあるよ」
そういえばそんなことを風の噂で聞いたようなと考える私に不二はきょとんとしてからニコリと笑い、顔面偏差値の高い不二の突然の満面の笑みに仲良しちゃんが頬を染めている。罪深い男である。
「僕は春奈ちゃんの指も何もかもが好きだよ」
そうなかなかに通る声に教室中の視線が不二と私に寄せられたのに気づいた私は小さく 「不二」と呟いたが不二は少しも気にした様子も見せず握りしめた私の手を持ち上げ唇を寄せてきた。
クラスメイトはそれを見てから気まずそうに視線をそらして私は私でそんな不二の行動に呆れてしまう。
手の甲にちゅっと口づけられると指を絡めたままぎゅっと握りしめ仲良しちゃんたちが顔を真っ赤にして動揺している。可愛い。私の友達可愛い 。
「不二」
「なに?春奈ちゃん」
「私の友達は渡さないから!」
「?」
不二は私の発言にポカンとし、仲良しもまたポカンとした。
「いや春奈、そうじゃないっしょ」
「それ普通うちらに言うことじゃない?」
理想の相手について話していたがどこがどうなって今に繋がったのだろうかと思いつつ 私は友人と不二を見比べてしまい口にする。
「だって私と友達がどっちが可愛かって聞かれたら100%ともだ」
「春奈ちゃんが一番で決まってるだろ?」
随分と食い気味な発言に言葉をなくし不二を見つめているとぐいと手を引かれ不二の膝の上に座らされ抱きしめられてしまい、さすがに私も動揺してしまう、が。
クラスメイトはいちいち気にせず話しており間近で見ている仲良しちゃんは「あーあ」と視線を彷徨い合わせ腰に回ってる腕に力が入り私は不二を見つめてしまう。まあ、そうだね、理想ね。
「私をずっと好きでいてくれる人が好き」
普通のことだろうが難しいけど、不二ならきっと大丈夫だと思い不二は笑ってキスをしてきた。
「もちろん、僕のことだね」
なんて。そうだよ。
→