ささやかに愛してる(全10話)
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冬休み前の期末考査を終えた上にクリスマスが休日となり、しかも雪が降っているということでテニス部は休みとなりその前日に不二からデートに誘われたのだが
「その日はすでに予定が入ってて……」
と申し訳なさいっぱいに断るとムスッとした声が聞こえた 。
「僕より他の人を取るの?」
「うー…ん…ごめん……」
ムスッとはしているがクリスマスは空けていると思ったのにと言われたが、不二を優先するべきだとは思うのだが、妹が初彼を紹介したいという可愛いお願いに頷いてしまった私がいて。
というか部活休みが突然だったのだから仕方ないでしょう とは言わないでおく。いやまあ引退してるから関係ないだろうけど
「お姉ちゃん早く!」
と急かす妹にまた私も身支度を整え妹の後を追い妹の彼氏との待ち合わせ場所に行くと見たことのある顔がそこにいて。
「……裕太君……で、あってる?」
「えっ、あ、はい、不二裕太です」
妹に紹介される前に思わず声をかけてしまえば妹も裕太くんも驚いた様子で私を見、私は2人に「ごめん」と謝ってから不二に電話をかけた。
『もしもし、春奈ちゃん、どうしたの?』
「今時間ある?あったらでいいの。今から言う場所に来てくれないかな?無理なら、」
『大丈夫だよ、待ってて。すぐ行く』
「ありがとう。場所は、」
そうして二言三言話してから通話を切り妹と裕太くんに向きなおる。
「ごめん、2人は喫茶店にでも入って待ってて、寒いから」
「大丈夫っス」
「うん!」
1つ下の2人は元気いっぱいで 私は裕太くんの顔をしげしげと見てしまい妹が私と裕太くんの間に立ちはだかる。可愛い。
しかし私は完璧な確証を得たいがために『不二周助』という己の恋人を呼んだわけで。
だいたい15分ほどしてメールが届いた。そのため詳しい場所を送り返し2人に「ごめんね」と謝るのと「春奈ちゃん」という声が聞こえると裕太くんが硬直したのは全て同時。
「春奈ちゃん、またせてごめんね」
「いいの、突然呼び出してこっちこそごめん。そして聞いてほしいことがあるんだけど」
「何……って、裕太?」
「あ、兄貴……」
私は「やっぱり」と言ってしまい裕太くんは固まり妹はキョトンとしている。正しい反応だと思う。
「裕太…と春奈ちゃんの妹さんかな?」
「え、お姉ちゃんの彼氏?」
「そうだよ」
妹は驚いたように目を見開き 裕太くんは顔を引きつらせたままどうにかしなくては、という表情を浮かべ私も苦笑してしまう。
「春奈ちゃんの妹さんの彼氏って裕太だったんだ」
「兄弟姉妹揃って不二家に落ちちゃったね」
私はそう不二と笑いあってしまい、裕太くんは「彼氏さん」発言に顔を真っ赤にさせて狼狽えている。
兄弟仲悪くないはずであることは不二が裕太くんの写真を持っていることでわかるが裕太くんからしたら彼女の姉の恋人が兄って、結構しんどいな、ごめん。
「じゃあダブルデートしようか」
「え゛」
というのは不二兄弟で、私と妹は「仲良しだね」なんてほのぼのとしてしまう。
互いに互いで仲良しだと思う 。だから私としてはダブル デートで構わないのだけれど 裕太くんは嫌そうに、というかかなり恥ずかしそうに嫌がっている。呼ばない方が良かっただろうか、もう一度ごめん。
「あ、兄貴は恋人と2人きりになりたいとか、ねーのかよ!」
「裕太は2人きりになりたいんだ」
「ばっ!ち、ちが、く、ねえけど……!」
「うわ、裕太くん可愛い…妹と結婚して弟になってほしい」
裕太くんは真っ赤になり妹も照れて、そして不二は笑顔でもって「家族ぐるみで
「うーん、でも」
顎に手を当ててから悩む様子を見せ私の手を握りしめてきてにっこりと言い放った。
「僕も春奈ちゃんと2人きりになりたいなぁ」
なんて。
それに赤面したのは妹と裕太くん。ついでに私を見下ろして
「裕太の名前は呼べるのに僕の名前は呼んでくれないんだ」
と首をかしげ、私はぎくりとしてしまう。「ねえ、春奈ちゃん」と迫ってくる不二に身を引こうとしても許してくれず、顔を寄せてくると
「名前で呼んでくれるまでキスしよっか」
なんて笑ったため私はすぐ「周助くん!」と力一杯名前を呼び。
結局ダブルデートをしてしまったけど周助と一致した内容は
妹が裕太と結婚したら可愛い弟妹ができるのね
というものだった。
アレ、待ってそしたら私も周助と結婚するの?!笑ってないで答えてよ!!
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