ささやかに愛してる(全10話)
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不二に家に遊びに来ないか、何なら泊まりに来ないかと聞かれたため「ご家族に会うのかぁ」と渋っていたら弟は別の学校で、姉は姉の友人宅へ、両親は町内会の旅行で僕しかいないと言われたため「それなら」と了承したら苦笑いを浮かべられた。何でだろうか。
私の親には友達と勉強会と称し着替えが入ったカバンを持って家を出たら、待ち合わせ場所にはすでに不二がいて、私を見つけると笑顔で近寄ってきた。うわぁ……イケメン。周囲の女性が注目している。わかるよ、うん。一緒にいるのが私でごめん。なので 早々に不二の家に向かいお邪魔させてもらった。
「お邪魔します」
と言ったが当然のように誰もいないため不二に「どうぞ」と言われ「いらっしゃい」という笑顔に胸がキュンとなる。好きしかない。
「不二1人だけで良かった」
ご家族に紹介なんて私にはまだハードルが高いため思わず ポツリと呟くと不二は一瞬動きを止めてからまた苦笑いを浮かべ私の手を引いて不二の部屋へと連れて行かれる。
ちなみに荷物は待ち合わせ場所に着いた時に奪われていた。
「待ってて、お茶を持ってくるよ」
「あ、お構いなく」
荷物を置き不二がお茶を持ってくる間に部屋の中を見渡してしまい、随分と綺麗な部屋だなという感想が湧く。
窓側にサボテンが置いてあり 思わず立って見つめていれば 不二がすぐ紅茶を持って戻ってきて。
「どうしたの?」
「サボテン、可愛いなって思って」
「そう思う?僕の趣味なんだ 」
「知ってるよ」
付き合う前から色々と教えてくれていたため。あの時からすでにロックオンされていたと知ったのはつい最近だったけど、不二が来たためテーブル前に腰をおろして座り直し 鞄から勉強道具を取り出した。そうすると不二はキョトンとした後「本当に」勉強するつもりだったんだ、なんて。
いや、勉強教えてくれるって言ったでしょうよ。
それなのに不二はニコニコ笑って話題を振ってきて、それに答えながら紅茶を飲むと少しスパイシーな味に「お?」としてしまう。
「ジンジャー?」
「わかる?」
「うん、おいしいね」
そう笑いかけると同じく笑顔を返してくれてその綺麗な顔が寄せられテーブル越しにちゅっと口づけられた。それにびっくりしていればにじり寄ってきてまた、ちゅっ、とキスをされる。
「ん…不二……んん…っ」
「かわいいね、春奈ちゃん」
ちゅっ、ちゅっというキスの合間にそんなことを囁きかけてきて甘い声にドキドキとし 柔らかい髪の毛が頬に触れくすぐったさを覚える。
なのでもう一度「不二」と名を呼ぶと舌ごとすくうように不二の舌が入り込みキスが深いものへとなっていく。
「っ、は、んっっ…」
キスをするのは初めてではないがし慣れているわけでもなく、しかもここまで深いものまではしたことはそれ程なく、あまりの感覚にクラクラとしてしまい指を絡め取られて握りしめられる。
そのままぐいと押されベッドの背に押し付けられ逃げられなくなるが、そもそも逃げるつもりないし、こういうことを想定していなかったわけではないが展開の速さにクラクラとしつつ私だって応えたいと握りしめられている手に力を込め握り返し指を絡めると 不二が小さな声で「参ったな」と呟いたため目を開くと 私を見下ろす不二と目があった。
しかも至近距離。
キスしていたのだから当然だけど恥ずかしくなって俯いてしまうとすくい上げるようにキスをされまた舌が絡み合う。
「ふっ、ん…は、、ん、んっ……」
「っは、…必死で可愛いね」
「不二…んっ…」
「…ねえ、いいかな……?」
強く舌を吸われてから、ぢゅっと離れ、耳元でとびっきり甘く囁かれてしまうとこちらに否定なんてできなくて。
私の足にまたがるようにしてくるとそのまま見つめられ、もう一度
「いい?」
と問われると、私は全身が熱を持ったかのように熱くなり小さく頷くとフワリと抱き上げられ不二の香りが胸いっぱいに香りベッドに押し倒された。
そんな顔で見つめないでよ、死んじゃうよ。
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