木枯らし落ち葉、残るは『 』(全9話)
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昼休みの準備をしていた絵美に同じクラスの男子が声をかけた。
「今週の土曜スケート行くんだけど糸井も行かね?」
「イイネ」
という話をいつの間にかきていた幸村が耳にし笑顔もなくたった一言「だめ」と言い切った。
男子はビビり絵美も同じく「うお」と驚きながら「何で」と。
「浮気だよ、絵美」
「友達!」
「女子もいるからさ」
「ダメ。俺だってデートしたことないのに許さない」
男子は幸村が許可しないならと引き下がろうとし、見ていて不憫に思った柳が助言した。
土曜なら今週はコート整備だっただろう、と。
幸村は「あっ」とし、「俺も行く」までもが一瞬で、絵美も嬉しそうにしてた。
「でも絵美、堂々と浮気なんて酷いな」
「浮気じゃないってば」
土曜日、集合場所に行くとその途中で幸村と合い2人して歩くとどうやらメンバーは揃っており男女合わせて6人という大所帯となっている。
もちろん(完全にではないが)下心のない誘いではあったが幸村の圧にビビったのは確かでスケート場に向かった。
休日の10時。開園しているところで人の数もなかなかにあるしスケートシューズの貸し出しをしてもらってからリンクに行くとすでに絵美が空いたスペースでくるくると回っていた。
「おーい、糸井ってスケートできんの?」
「普通くらい~」
幸村もさっさとリンクに上がると絵美の側まで滑って行き女子は転びそうになっている。
キャーキャーはしゃぐ女子と同じく上手く滑れない男子に絵美は気付きスイと滑って近寄り手を差し出した。その手を掴んだのは絵美を誘った男子であり、幸村は女子に囲まれている。
「滑れないのに誘ったのかよ」
「うっせ!イケると思ったんだよ!」
「全然イケてねえじゃねえか!」
絵美はケラケラ笑いながら手を引いて滑り、男子は何とか滑ろうと頑張り幸村は目を見張り絵美の元へと行こうにも女子が離れてくれない。
絵美が男子の手を引いて滑らせているのに遠目で見るも、しかし少しも面白くない幸村は何か言っている女子に「ごめんね」と断ってから絵美の側まで滑っていくと男子がハッとして手を離しバランスを崩して2人して転びそうになるも絵美のことは幸村が助けた。
「っぶねー…ありがと幸村、女の子はいいの?」
「コツは教えたし手すりがあるから平気でしょ?絵美も俺と滑ろう」
「いやでも林が」
「お2人でどうぞ」
「スッ転んで何言ってんの。練習すんぞ」
「俺はまだ死にたくない」
「は?死?」
林は「いいから、いいから」と絵美と幸村を行くように促し、女子が恨めしそうに絵美を見ているが幸村が絵美の手を握り2人でスイスイ滑っているので何も言えないしできない。
「幸村スケートできるんだね~、運動神経いいからかね」
「絵美こそスケートうまいね」
「滑るっても簡単じゃん。スキーと同じでしょ」
「違うと思うよ」
そうかなあ?とする絵美の手を握りしめたまま2人は滑り幸村は笑う。
「2回」
「?何が?」
「絵美が“精市”って呼ばなくて2回」
「!き、キスしたら怒るよ!!」
「じゃあ2人きりになろうか」
幸村はスルスルと滑り林に「俺と絵美は抜けるね」と笑顔で声をかけ何かを言おうとしてる絵美のことは気にせず、そのままスケート場を後にしてしまった。
「ど、どこ行くの?」
そう問う絵美に幸村は答えず歩き続け、連れられたのは観覧車。比較的人がいないのは昼ご飯時だからだろうか、勝手にチケットを買われさっさと乗り込んでゆっくりと上に昇っていく箱の中で絵美は幸村の腕の中に閉じ込められた。
「キスするから」
いい?とも聞かず絵美の口を塞ぎ舌を割り込ませると絵美は肩を跳ねさせて首を振って拒絶するも幸村はまた抱き竦め口付ける。
「んっ!ちょっんん、深いの、やだ…!」
という悲鳴にはさすがに離れるが絵美の顔は真っ赤になっており幸村は笑ってしまう。
「そんな顔しても可愛いだけだよ」
「っ、ばっか!幸村バカ!」
「ねえ、わざと?」
何が?という表情の絵美に幸村は笑ったまま、また絵美の口をふさぎ今度はゆっくりゆっくり深くしていき絵美の手から力が抜けほんの少し面白くないが、一周したところでようやく離し絵美は真っ赤な顔で目を合わせてくれなかった 。
かわいいね。