木枯らし落ち葉、残るは『 』(全9話)
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
朝絵美に「しつこい」と言われ多少に多大なダメージを受けた幸村が、それでもいつものように授業の休憩時間の度に絵美に会いに来るも、今日の昼休みになった瞬間絵美はお昼を持って席を立ち
「幸村がきたら、」
いないって言っといて、と行ってしまった。俺へのストレスがマッハすぎると柳は考え その数分後に幸村が姿を見せて絵美の姿を探しているので胃痛を覚えつつ声をかけた。
「糸井ならさっき行ったぞ」
柳も己の昼食を持って教室の出入り口にいる幸村に近づきそう言うと幸村はあからさま に眉を寄せ「どこに?」と言いつつスマホを取り出し絵美の鞄からメッセージの着信音が聞こえてきた。
持ち歩け。
だがまあ冬のコンクールが近いと言っていたので行き先は 簡単に予想はつくため幸村は 美術室に向けて行ってしまい 柳はその背を見ながら、室内に入れてもらえないだろうと考えていた。
なぜなら今日まで作品を見せてもらえていないらしいため。
途中経過を見せたくない画家なんて数多いるため糸井もその一人だろうと食堂で丸井と真田と昼食をとることにした。
「絵美、いる?」
幸村は2つあるうちの美術室を訪れ声をかけながら扉を開けると
「関係者以外立ち入り禁止です!特に今!」
と1人の生徒に阻まれ絵美がイーゼルに向かって筆を動かしているのが見えたが絵美はこちらを見ない。
せめて声くらい反応してくれてもいいではないかと思ってしまう。しかし世は無情。
絵美はイヤホンを耳につけ無言で絵を書いておりちらと見ようともしない。そして生徒にもう一度「ダメです!」と言われピシャリと扉を閉められしまった。
面白くない。これがしばらく続くのか。
「……面白くないなぁ……」
「な、何が?幸村くん」
結局食堂に来た幸村は柳達と同席し昼食をとりポツリと呟いた。それに丸井が怯えた。無表情だったため。
まあ普段もあまり表情は変わらないのだが今の場合は恐怖を覚える無表情であったため 丸井は怯え真田が不思議そうに話を促している。促すな弦一郎、とは柳の心の声。
「絵美が俺に対して冷たい」
「絵美ちゃん?ああ、糸井ちゃん。えっ、喧嘩したの?」
「してないよ。でもしばらく会えないって言われた」
「喧嘩じゃん」
「喧嘩なの?これ」
丸井はブスッとした幸村と話し要領の得ない会話を2人でしており柳はお弁当も片付けた。
「喧嘩ではない。冬の絵画コンクールが近いから糸井が追い込みをかけているんだ。だから会えない。冷たい、というのも少し違うぞ。帰宅が遅いから構うなといっただけだ」
「喧嘩じゃん」
「喧嘩なのか?」
さりげなく真田も会話に加わりやはり不思議そうにしているが真田からしたら喧嘩には見えないようだ。
俺もだ弦一郎。
だが糸井が下校時刻を気遣っていての発言なのだが幸村が思いの外うちのめされている。
先ほど関係者以外と告げられたそれでダメージを負ったらしい。
幸村が「俺は絵美の恋人なのに」と愚痴をこぼしていたがそれだけでは美術部員としては部外者なため「関係者以外」なのだが幸村は納得していないようだ。
そして糸井が幸村をチラリと見ないしスマホを持ち歩かないそれに打撃を受けていた。
どっちが哀れかと考えると糸井が、だろうがそれは言わない。
「そもそもさ、女の子を8時まで拘束して下校させるなんてどうかと思うよ。夜道は危ないんだから。特に絵美は可愛いんだから男はほっとかないよ、俺だったら声かけちゃう」
「む、精市、そんなことするのかお前は」
「物の例えだよ。まあ絵美なら声をかけるけど」
幸村はむすっとしたまま昼食を終え真田も同じく食べ終えておりそんな風に2人は会話をしている。
幸村の話しの内容がなかなかに物騒なため真田が眉を寄せており、丸井は被害に会いたくないと菓子パンといちごオレを飲んで食べている。なので柳も同じく話を聞きつつ言葉を挟まない。
「だが、確かに女子を8時以降に1人で帰すのは危ないだろう」
「分かってるじゃん弦一郎」
部長、副部長を中等部から続けているうえに小学校に上がる前からの親友の2人は息が合っているため物騒な話が穏やかに進んでいく。
「待つ、という手は取らないのか?その……恋人なのだろう?」
恋人という単語になぜか照れる真田だが幸村は「はあ」とため息を吐き力を抜いた状態で椅子に座っている。
「待つって言ったら頑なに断られたよ、ここで絵美の下校時刻まで待ってたら怒られそう」
「だが心配だな」
そこで真田は閃いたように「俺も共に待とう」と言い、柳と丸井は勘弁してくれと胃を押さえてしまう。
「何、絵美と帰りたいの?」
「男2人ついていた方が安全だろう?」
的確に地雷を掠める真田に柳と丸井は視線を逸らし幸村はもう一度息を吐き出した。
「頼ってくれないのなんでかな。俺ってそんなに頼りない?」
「そんなことはないぞ精市」
違うそうじゃない。