恋病(連載中)
昔から身長が高かった。
年齢に比例しない身長のためよく年も勝手に騙されていて 勝手にテンションを落とされていた。
成長期だってまだあるのに私の身長は伸び続け、15にして176cmになってしまった。他の男子が私より低いことに絶望し高身長のせいで色んなスポーツ部に誘われたけど図書委員になった。そして私は高身長というだけで陰口を叩かれしょんぼりしていた時に助けてくれたのが忍足君。
私よりほんの少しだけ身長が高く私に陰口を叩いていた生徒たちはみんな黙り跡部景吾とは図書館から仲が良くなった。
私は図書の虫だったため景吾の求める本は簡単に見つけられたのでそこで仲が良くなったのだ。
最初は噂の跡部君。
通い詰めてくるため呼び捨てになり、会えば話すようになり、今では恋の相談相手。
忍足君がテニス部員で景吾が部長だと知りギリシャ語原文の小説を担保に更に仲良くなった。
「実は話がある」
そう切り出したら「告白なら受けない」と言われたので「あんたの顔に用はない」と答えたら名前で呼ばれるようになって。
「実は……テニス部の忍足君?が好きで……」
「なんだ今の疑問形」
「いや、自己紹介してないからあってるかわかんなくて」
何で好きな相手の名前を知らねえんだよ、なんて顔に書いてあり、とりあえず軽く頬をつねっておいた。
「俺様に言っても伝えねえからな」
「それはそれでいいけど……うゔ~……好き……無理……」
「そうかよ」
景吾は鼻で笑いギリシャ原文の本を読み始め忍足君と会った。
「跡部、1、2年がテニスコート使いたいんやって」
「水曜と隔週の金曜なら好きにしろ」
「おおきに」
忍足君はチラリと私を見て小さく笑い「ほなな」と行ってしまい私はまた呻いて「無理、 好き…」と呟く。それを忍足君が耳にしていたなんて知らないけれど。そしてその数日後、忍足君とダブルスを組んでいたという向日君をお菓子で釣り岳人君と呼び合うまで仲が良くなった。
自分の考えないところで外堀を埋めているような行動であるが私は気づいていない。
ついでにワカ君とチョタ君とは景吾伝手に知り合い、図書館おすすめの本や課題を教える仲となり、チョタ君にはダブルスのルールを教えてもらったけどテニスには興味がなかったが景吾に「いつか話の種になるんじゃねえか」と言われたので覚えておいて。そして「ガチですね先輩」とはチョタ君の言葉。
「その調子で話しかけたらどうですか?」
「無理言わないで?こんなタッパで何を言えと?」
チョタ君が笑顔で「俺も高いですよ!」と言っていたのでキャラメルをあげた。ワカ君には生チョコ。二人の好みは把握している。
「忍足先輩も人気高いですよ」
「 知ってるぅ~……好きぃ~……」
顔を覆ってしゃがみ込むとチョタ君が慌てて「俺たちが」泣かしたみたいになるので勘弁してくださいと言っていたのでそのまま忍足君のテニスを近くで見せてほしいと頼むと景吾に許可を取れと言われたので水曜に景吾に声をかけ 生で試合をしている忍足君を見て景吾の肩に額を押し付けてしまった。迷惑そうな顔をされたが知らん。
「岳人、あの背高い女の子の名前知らへん?」
彼女に買収され済みの岳人は「知らん」と言い「知りたきゃ自分で聞け」と口の中にアメを放り込む。うまい。普通にうまい。
「いっつも跡部とおんねんな。付き合うとるんやろか……」
こいつもこいつで拗らせてん なと岳人は冷静に考え、その後、鳳と日吉が2人で話しているところを侑士が目撃し侑士はつまらなさそうに鼻を鳴らした。
「何で俺とは話さへんのやろ。俺かて話したいわ」
岳人は靴紐を結び直し彼女が忍足と岳人を見てきたため侑士を置いて近寄った。
「これから部活?一般生徒ってどこから見ていいの?」
「あそこ。侑士に案内してもらえ」
「死んじゃう!」
岳人はケラケラ笑い彼女はジトリと岳人を見たが拗らせ両片想いをしている二人を見て笑ってしまう。
「何笑ってんだこの野郎」
「拗らせウケる」
「拗らせてるのは認めるけどウケねえわ」
「何でその調子で侑士に声かけられねえんだよ」
「好きがツラい」
岳人は「そーかよ」と笑い追加でガムを貰った。それを見ていた忍足は2人に声をかけようとしたがそれより先に跡部が彼女に声をかけ彼女は「景吾」と口にする。
「あ~……付き合ってんねんか?」
「知らね」
岳人はチューインガムを膨らませ腹の底から笑ってしまった。
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