恋病(全11話)



「え、付き合ってないの?!みんな付き合ってるって言ってるよ?」


文化祭の余韻も抜けた頃そんなことを京子ちゃんに言われ「だって」、告白とかしてないしそもそもどこをどうして付き合ってるになってるのと 驚いていたら私が手帳に挟んで持っている写真を指さし「ツーショじゃん」なんて。


「いや、景吾とも撮ったし岳人君とも撮ったけど」
「はあ~?」


巨大なため息と呆れの声に「何よー!」と言おうとしていたら景吾が私の頭を後ろからガシッと掴み

「何でそこで進展してねえんだよ」

お前バカだろ、なんて罵られた。酷い。悪の所業である。後で景吾の一枚写真で稼いでやる。お前の写真で私腹を肥やしてやる。叩かれた。酷い。


「お前、マジで鈍すぎだろ。このまま卒業してどうすんだよ」


私は鈍くないという表情をすると鼻で笑われ「鈍くなきゃ」ツーショットを申し込まれたところで気づくだろ、お前バカかと言われたのでまた叩き返しといた。


「いや、でも忍足君には小さい女の子がお似合いだから」


こんな高身長女子ダメだから、ブーツのせいで修学旅行のとき見下ろしちゃったしチョタ君とワカ君ともツーショで撮ったと説明すると京子ちゃんにまで呆れたようなため息を吐かれた。
この2人お似合いじゃねぇか、 宍戸君の失恋が近い。


「でもわざわざ指名して放課後は手を繋いで、なんてそういう意味にしかならないから、マジで」
「……忍足君血迷ってない? 大丈夫?距離感のバグじゃない?そうとしか思えないんだけど……」
「お前マジでバカだな、とっとと行ってこい」


最近景吾は私の片想いをバカにしてきているのでこの性格の悪さを言いふれて回りたい 。アホ部この野郎。

でも行って来いって、行って何すればいいわけ?全然わからないし、サロンで暇を潰そう。期末考査が近いから図書室でもいいか。当番じゃないけどいいよね、うん。

としていたら机で課題を広げ 化学で行き詰まっていたら忍足君が訪れてきて、ちゃっかり同じ席の前の席に座られた 。ヒエ~!好き!ツラい!


「なぁ、聞きたいことあるんやけど……ええ?」
「答えられる範囲なら……」


そう身を縮こませ先を促してみると忍足君はほんの少し困った表情を見せ囁いてきた。


「俺んことを避けてへん?」


避けてます。最近距離のバグで死にそうなので。

とは言えず曖昧に笑ってごまかそうとしたら机の上に身を乗り出してちょっと視線を彷徨わせてからまた声を潜めに問いかけられたそれに一瞬で否定する。


「俺、嫌いなん?」
「嫌いじゃない!」


むしろ好き!と言いそうになったのは何とか耐えられたけど忍足君はほっとしたように息を吐き「ほんなら」と。


「そろそろ俺んことも名前で呼んでくれへん?なあ」


と綺麗に笑い心臓がドコドコと騒ぎ両手と首を力の限り横に振り恐れ多いと拒絶してしまう。一緒所か2人きりでさえツラいのに名前で呼ぶとかハードルが30kmくらいは高いと思うが今日はなぜか忍足君は引いてはくれない。
本当にどうしたの?誰か助けて!ヘルプ!!






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