鬼は現世にカチコミかける(全13話)
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北村次長とやらと夜神宅に盗聴器と監視カメラを取り付けたその日、白菊という鬼は随分とのんきに紅茶をすすりLの目の前のお菓子をつまんでいた。
一体どういう心情でそうしているのか知りたすぎてみんな 苛立っていた。
夜神月の父である夜神総一郎の顔色も悪く、口数も少なくなってるというのに白菊は一切のフォローも入れず話しており夜神月が帰宅した途端、椅子から降り監視カメラに視線を向け何事かを考えている。
白菊は今、誰も見えない具象神の動きを見ているのだ。
皆、Lでさえも黙り込み 白菊はしばらくモニターを見、夜神月が着替え、扉に紙切れを仕掛けてから出かけて行ったが白菊だけは見ていた。
夜神月のすぐ近くにいる死神リュークに。
「チッ……クソが……ぜってぇ殴る……」
そう舌打ちをした白菊はまたソファーに戻り紅茶を飲んで他に一切関与せず我関せずの態勢でいる。
その態度ははっきりと『夜神月』は『キラ』であると物語っており、北村次長宅へのカメラに反応さえしない。 それが今ここにいる夜神総一郎への多大なるストレスを与えていることに気づきもせず、というより気にもせず、Lからショートケーキを奪っていた。
「私のですよ」
「1つくらいいいじゃん。ケチケチすんな」
そうLもLで夜神月がキラだと確信を得ているようでこちらも夜神総一郎に労りの言葉さえ口にしないでいるし、モニターも見ていない。だがそれ以上に全員が白菊のを持っていた情報と語った情報に一切の虚言がなかったことにより信じえずことを理解してしまった。させられたのだ。
「あっ……」
「どうしました松田さん」
「ら、ライト君が帰ってきました」
そう松田がつぶやいた瞬間白菊はLと奪い合っていたショートケーキをテーブルに戻しカメラの前に座り込みLもまた、それに倣うように椅子を降りた。
夜神月は手に雑誌らしきものが入った封筒を持ち自室に戻るとベッドに寝転びその雑誌を眺め始め、夜神総一郎が
「真面目な息子があんなものを……」
と言葉をなくしているが白菊はじっと見つめてから「うん」と頷き監視カメラの前から移動しエルが渡さなかったショートケーキにフォークを刺して食べ始めた。
「……息子の疑いは晴れているのか?」
「いいえ、100%キラです。何度も言わせんな、1回で理解しろ」
映像の中で夜神月が雑誌を閉ざし「独り言」を言いながら グラビア雑誌を隠すように棚にしまい無言で勉強を開始した。
「……私のケーキは?」
Lはそう呟き
「おいしかったよ」
という白菊のことをじっと睨みつけていた。
シレッと何してる