地獄の柱は如何かな?(全8話)
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「ご報告に参りました、無惨様」
「
「調べましたが確かなじーーー」
「と、聞かれるとでも思ったか?猗窩座」
「……何の、ことでしょうか」
猗窩座は太陽から逃亡することに成功し、夜の帳が降りた 頃合いを見計らって森の中の1つの屋敷の2階のベランダから、本を手にする少年ーーー鬼舞辻無惨に頭を垂れ、跪いた。
ヒュウ、と風が吹き、レースのカーテンが靡く。そこに鬼舞辻無惨の声は静かに響き、しかし猗窩座の心はひどく静かであった。
恐れも敬いも敬意もなく、ただただ心は静かだった。そこに 鬼舞辻の声が突き刺すように投げかけられる。
「柱
「無惨様……」
激昂する鬼舞辻を見ている『狛治』は淡々と床を見つめつぶやいた。
「あなた様は“完璧な存在”を求めたのですね……至高の領域を目指した私のように。そうできるよう、血を分けてくださったように」
「何が言いたい?貴様の戯言などどうでもいい。何の報告も出来ぬようでなぜ私の前にいる?何のために来た?何のために頭を垂れる?」
鬼舞辻の乱れる心に相判するように破られ散っていく本のページが風に流され宙を舞う。それでも狛治は静かに静かに、たった一言、呟いた。
「まもなく鬼狩りがここにきます」
「ーーーは?」
鬼舞辻は
「こんばんは、鬼舞辻無惨さん。お迎えに上がりました。遅くなってしまい申し訳ありません。抵抗は無意味で無駄な労力にしかなりませんから、大人しく私と地獄へ行きましょう!」
酷く明るい白菊の声が響きわたった。
鬼舞辻はたった今読み取った思考と、たった今響いた『ナニか』という『存在』の声に反応し、そして数多の鬼殺隊の気配がその場を支配した。
「何のつもりだ猗窩座!鬼狩りに寝返ってただで済むとーーー」
「思ってはいません。俺は猗窩座ではなく、」
狛治です、という言葉と笑顔は誰の目に映ることもなく身体ごと弾け飛び血しぶきが飛び散り、白菊が「あーあ」でも仕方ないですね、なんて笑った。
鬼舞辻無惨はそんな白菊という『ナニか』に恐れを抱いた。
いや、まさかこの「私」がたかが一人の鬼狩りに恐れを抱くなど信じたくなどはない。
だが、この『ナニか』は鬼舞辻無惨の思考を混濁させ混乱させ困惑させることに成功しているし、それで当然としてニコニコと笑っている。
鬼舞辻はその笑顔から漸く、たった一つの、ごく単純な、確かな、己に向けられている怒りを感じ取った。
冷や汗が出ていることに気づき、頭に血が上るのがわかった。それと同時に頭のどこかで
なぜたかが一人の鬼狩りの子娘にそんな感情を抱いたのだと、その恥じは激しい怒りとなり少年の姿に擬態していた鬼舞辻は本来の姿へと体を変化させ、その場を吹き飛ばした。
砕けた家の木片や、紙や、様々なものが宵闇の中舞い散り大勢の鬼狩りと柱が構えているのが見え、鬼舞辻に声をかけてきた子娘がニコニコと笑ったまま声を発した。
今この場にそぐわぬ程に、飄々とした声音で、何の感情もなく、淡々と、笑って。
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