地獄の柱は如何かな?(全8話)
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「この子を丈夫な体に産んであげられなかった責任は私たちにあります、だから私もこの人も累と同じ地獄に落としてください……!」
うーん、困った。
私はペン先を額に押し当て横に立つ鬼灯様と、私と同じく困惑している閻魔大王様を見て小さく息を吐いた。
珍しいことに鬼灯様もどうしたものかと巻物を眺めため息を吐いている。
「そうするとあなた方は等しく阿鼻地獄という地獄の最下層に行くことになります」
時は大正。
ここ数年、死亡年齢と現世で過ごした年齢が全く噛み合わない死者が地獄の裁判を困らせていた。
しかし大王と私、鬼灯様を筆頭に十王とその補佐官はその理由を理解しており心の底から、イラついていた。
それは1000年前、戦国時代まで遡る。現世にいる具象神からの長い長い報告書によると1人の病弱な男に殺された医者の話で始まる。
その医者は『青い彼岸花』で作られた薬を担当患者に投与し続けた結果、その病気の男ーーー鬼舞辻無惨を太陽の下には出られない人喰い鬼にしてしまったと。しかしそれは治療の段階であったのだが耐えられない怒りを爆発させた鬼舞辻がーーーと読んだところで私は胃の痛みを覚えたのだ。
鬼灯様も呆れ返っていた。鬼舞辻を鬼化させてしまった医者は、しかし悪意なく献身的に働いていたが故のことであり地獄には落ちなかったのだが。
けれど鬼舞辻は太陽を克服し『完全なる肉体』を得たいと他者を己と同じ鬼にする力を持ち同じ鬼を作り、死亡したにもかかわらず肉体も魂も具象神も現世にとどまり生き続ける鬼が増加した。
そして鬼舞辻の生家の人間は鬼舞辻を葬るべく同志を募り1000年という時が経ってしまったのだ。
『鬼』といえど我々獄卒や地獄の住人のような『鬼』ではなく元は生者で具象神も張り付いたままなため『生者=人間』という括りで記録を残していたのだが、さすがに黙っていられなくなった。
そのギリギリの結果が、目の前の累親子3人。
そして具象神の大量の報告書によると、累さんの累さんによる累さんのための現世での鬼となってからの累さんが殺した人間の数と鬼として生きた年数。
察しの通りもう阿鼻地獄一直線の悪行と、けれど父と母の魂はひたすらに累さんに寄り添い続け、地獄の裁判に3人で来たという事実。
それらを考えても累さんは五逆罪(肉親を殺害などする仏教で最も重いとされる罪)を犯したため情状酌量を入れても等活地獄で罪を償ってもらうしかない。
例え本人が心から反省し罪を認め罪の意識を持ち彼を庇う人間がいても、こう判決するしかなかった。
大王様が心苦しそうにしており、私もあまり気分は良くない。
「そもそもあの時に手を打っておくべきでしたね……」
「鬼舞辻さんの主治医はすでに転生してしまいましたし……困りましたねぇ」
「鬼舞辻さんを葬りたい一族は既に『鬼殺隊』なるものを発足し現当主は産屋敷さんと言う方らしいのですが……この方もまた寿命が近いですね」
具象神の記録を読み鬼灯様とそう話しているのだが鬼灯様は困ったと言いつつ私を見下ろしているので面倒な……嫌な……ああもう嫌な予感しかしてない。
「1000年も放置プレイをしてしまったのは地獄の我々の否でもありますし」
「……産屋敷さんに接触しろ……ということですか?」
「いえ、もっと単純かつ明確なことです。そしてその必要はありません」
「……と言うと」
「産屋敷さんには1週間前にすでに私が話をつけ『鬼殺隊』への入隊の打診及び鬼舞辻さんの地獄堕ちへの協力を申し出ております。白菊さん」
鬼灯様は淡々と口にし巻物をくるくるしてから私の手の中に置きスルリと口にした。とても当たり前のように。
ああほらやっぱり嫌な予感は的中し、そして私は現世に訪れ産屋敷家の敷地、その庭に集合していた9人の柱の前に姿を見せ、産屋敷さんに挨拶の許可をとり、私を見つめる彼らに頭を下げて名乗った。
「初めまして、鬼殺隊の柱と呼ばれる皆様。
地獄柱の白菊と申します」
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