被験体α(全16話)


ジンからもらったペットボトルを片手に白い部屋を歩いてみれば、そこは1度目、2度目 ほどの広さはなく、まあベッドと本棚があれば十分だろうという広さがあり私は座り込んでしまう。

カメラ的なものはないしそれでも投げ渡されたスマホはあるため電源を立ち上げたスマホのロック画面は真っ暗でありしかし驚くべきことに時と日付が表示されている。
時間は2度目の時も数日間は見れていたが日付も見ることができるとは驚きだ。そしてもっと驚いたのはその日付が私の知る日付ではないもので、試しに指をスイッと動かすとホーム画面に切り替わり RINEやら青い鳥マークのそれが色だけ変わってたりで画像フォルダもキャンされてある。


「あぁ……公式の兄貴の画像が……」


思わずそう呟いてしまったが 誰かが聞いてるわけでもないので、そして聞かれても構わないのでそっと息を吐き出してからまた立ち上がると今度は左側の扉が開きキールが姿を見せて


「こっちよ」


と声をかけられた。何だろう 、行ってはいけない気がする。なのでとジッと座ったまま見つめていればキールは


「早く!」


と急いてきたので余計よろしくない。


「私は、えーっと……銀髪の人に何か言われるまで動く気はないので、」


お気遣いなく、と笑えばキールは下唇を噛みしめハッとして扉を閉めすぐ、正面の扉が開きジンが姿を見せた。


「……おい」
「はい!」
「飲め」


ジンは本の一瞬横を向いたがすぐ私を見下ろし、私は立ち上がりジンが差し出してきた 錠剤を口に放り込み、つい先ほど押し付けられたペットボトルを傾け飲み込んだ。

何の異常もないためもはやサプリ感覚である。サプリだとしたらキューピーコーワゴールドα位には役に立って欲しいのだがそんな様子もない。

ラムネか?いや、味もしないのでラムネ以下である。ドンマイ、錠剤。

しっかり飲み込んだのを目の前で確認していたけどジンは私の顎を掴み口を開けさせられ本当に飲んだのかを確認されてしまう。
そんな疑われても飲んだものは飲んだしジンに向かって口を開けてるって何か悲しい絵面だなと思ってしまい、ジンの親指が私の舌を押し込んでくる。

ゲロ吐くぞおい。

口移しの水を吐き出し、さらにゲロまで吐かされると私のジンの中での何かよくわかんない好感度みたいな何かが下がり続けてしまう。それだけは、ちょっと、あの、ですね、勘弁願いたい。


「口を開けていろ」


と言われたので黙って従うとジンの指が私の口の中を這い回り錠剤がないのかをしっかり確認し頬を柔らかく触られジンは笑った。


「化け物かテメエは」


と。
私、本当に何の薬飲まされているんだろう、教えて欲しいところである。本当に。








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