鬼は現世にカチコミかける(全13話)
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夜神月は後ろから倒され体重をかけられ手の中にあったデスノートの切れ端を取り上げられた。
『白百合』と書かれた紙を。
だがもう遅い。女の名前はもう書いた。後はいくらでも白を通しきれる。
いや……なぜ、『白百合』は自分の名を言った……?顔と名前で殺せると知っているのは僕だけではなく『南空ナオミ』という女も『偽名』を名乗っていたではないか。
一瞬で、頭に血が昇ったのを感じたが、
「っ!クソッ!リューク!リューク!今すぐこの場にいる奴らの名前を書け!面白い世界を見たいんだろう!?早くしろ!!」
もう、何も取り繕えない。
父は顔を覆い、目の前の男と女は床に押さえつけられている僕を、新世界の神となるべく僕を、見下ろしていた。
そして一歩、一歩と女は近寄ってくるとしゃがみ込み僕を見つめこう言った。
「残念だけどリュークは名前を書けないよ。そうしたら、君、死ぬから」
「何をっ……!」
「リューク、アラモアナ・ジャスティンから伝言」
『なんだ?』
「今この場で名前を書いたら 一級刑の罰を与える。簡単に言うとノートの剥奪及び下界への流刑」
『そりゃ、嫌だな』
「嫌ならそこに突っ立ってろ。さて夜神月。私を殺してどうしたかった?」
「こ……の……!」
と言葉を発そうとした瞬間、女は僕の顔を覗き込み呟いた。
「 お前は殺しすぎた。それが犯罪者でも殺しは殺し。世界がお前を何と言おうと私からしたら
""ただの人殺し""
そこに正義も悪もクソもない。人を殺している時点でお前もクソ、その辺の犯罪者と少しも変わらない。
新世界?それはお前が妄想している間だけのことで世界はついてきてはくれない。お前が死ななければ世界はハッピーなこともある。それにもちろん犯罪率は一時は下がるだろうけど何時かは元に戻る。
お前は一生を生きられることはないし、死後ノートに触れることすらできず踠き苦しんで死に続けるだけ。正直私からしたらくだらない思想に取り憑かれたあんたに同情するけどそれを上回るほどに怒りがある。
人が死んだらどうなるか。
地獄か天国かを決めるのは死後の裁判によるものだけどお前はまごうことなき犯罪者。折角いい素質を持っていたのにノートのせいでお前は壊れた。
可哀想に。
ノートの所有権を捨てても今この場にいる全員は君のしたことを忘れないし私だって忘れない。リュークには名前を書かせないからこの後君が死ぬことはないけど君が最後に逝く場所はリュークから聞いたはず。私はそのことについて皆に言うつもりもないしリュークにも言わせない。
記憶を無くした後君が務所に入ろうが解放されようが私は気にしない。それは君の父か、それともここにいる人間が決めることで私にはお前が死ぬまでどうでもいい。
ぶっちゃけボコボコにしたいけどそれは我慢する。
さて、ノートの所有権は、
どうする?」
「っ、このっ、……!」
そう苦々しく声を出したら『白百合』は、小さく息を吐き出した。
「はあ……お前は悲しいなぁ……実に悲しいよ、私は」
本当に、そう