鬼は現世にカチコミかける(全13話)
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『竜崎、あと30分でホテルに着く』
そんな夜神総一郎の言葉の向こうで夜神月の声が聞こえてくる。
『父さん、竜崎って、ホテルって、一体どうしたんだ?』
と。
Lも捜査員も耳を済ませ、しかしけれどLと白菊だけは少しの緊張も見せず紅茶を啜っており、30分が経った。
その時間ぴったりにホテルの扉が開き、硬い表情の夜神総一郎と困惑の表情を見せている夜神月が入ってきた。
「夜神総一郎さん、言わせてませんね?」
「……ああ……」
「父さん、本当に、一体何なんだ?」
そう夜神月は綺麗な一室と、そこにいる捜査官と、目の下にクマのある男と、キャスケットをかぶった銀髪の着物の女を見て必死に思考を巡らせる。
一切の情報を与えられず、迂闊にリュークを見ることも、そこに""いる""ことも悟られないようにしているというのに、 着物の女は僕、ではなく、リュークを見て口角を上げた。
「リューク、後で殴った後、死神大王と謁見あるからな。せいぜい絞られろ」
なんて。この女、今、なんて言った?
なぜ、リュークを知っている?見える?
『何だよ、せっかく面白っ!てなってたのによ』
「はいはい、てめえのせいでこちとら寝てねえんだわ、マジで殴るからな」
なぜリュークはこの女と話をしている。ノートに触れていないのに。そしてこの女以外、 リュークがどこにいるのかもわかってないのに。なぜ、
僕をそんな目で見ている。
計画は完璧なはずだ。
僕がノートを使った瞬間は""無い""のに。
「あー、夜神月、黙秘は全て肯定とこちらに都合の良いように取ります。とりあえず端的に言うと、」
ノートをみんなに触らせてください。紙切れてもいいです。リュークという死神が見えないと、まず私とあなたとリューク以外とで話が通じないので。
そう笑う女の目はゾッとするほどに冷め切っており、圧倒的な雰囲気でこの場を支配し 目が細められ、命令する。
「触らせてください。でないと話になりません。私とあなた以外が。」
女は言った。つまり、こういうことだ。リュークを見せても見せなくても女は僕とリュークと話せるが、他は見えない。でも見ても見せなくても構わない、そういうことだと。だが、つまり、それは僕の強みだ。見せなければいくらでもごまかせる。そう思ったのに、女は冷たく言い放った。
「とっとしろ」
と。
笑顔のままで。
速くしろよな?