鬼は現世にカチコミかける(全13話)
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「こ…ん…の…クソーーー!!!」
そう思わず叫んでしまった私は手にしていた巻き物を力の限り放り投げキィィィ!と怒鳴りながら地団駄を踏む。
また、だ。
また、寿命が残っている現世の犯罪者が亡者として現れた 。
一体これで何人目になるのだろうか、いい加減にしてほしい。一体地獄の獄卒が何をしたというのか、普通に仕事をしていただけなのに死神界の住人によって放たれたノートを手にした青年のせいで地獄は混乱を極めていた。
「落ち着いてください白菊さん。気持ちはよく分かりますがあなたが暴れると余計に仕事が増えます、落ち着いてください」
「ほおずきさま……!私ガチで限界です……1週間寝てません、一、乙女としてこればかりはどうにもいきません、納得できません、ブチキレるのも分かってください。本っっっ当に……クソがーーー!!」
ダアン!と響きわたるほどに、そして床に亀裂が入るほどに踏み込んでゆらりとしゃがみ込んでしまう。そんな私に同じく死相が出かかっている鬼灯様でさえ巻き物を持つ 手に青筋を浮かべているし大王様の前で裁かれている「寿命のある犯罪を犯した亡者」がいて私の様子にビビっていて。
今、現世では「デスノート」という殺人ノートにより犯罪者が「裁かれ」、「死に」その手続きと受け入れるための地獄が定員オーバーで、そして呵責する獄卒が過労で倒れていた。
「な、に、が、神、だーーー!!ぶっ殺してやろうか……!ギリギリまで殴りつけるか、痛めつけようか……!裁きを受けるのは貴様だあ゛あ゛あ゛!ザッッッケンナ……!ザッケンナ!!あー!もう!!休みたいーーー!!」
またもやキイイ!と叫びつつ思考がトビすぎて涙も出てこない。湧き上がるのは多大なる怒りのみ。
そんな私を鬼灯様は見下ろしてきていて、それはもう大きなため息を吐き出されてしまったがこちらもこちらで切れ気味で
「白菊さん、お、ち、つ、い、て、ください。対処するために十王で会議をすることとなりました。ついては出張のお願いが」
「はああああ?」
心からの「はああああ?」にそこにいた獄卒や亡者はビビっており鬼灯様は1枚の書類を出してきて。
「死神大王にも会議に出席する旨をお伝えください」
「代表としてカチコメということでしょうか。殴れますよ私」
任せてください、殴れますと 繰り返し書類に視線を落とすと呟いたのは
「リューク……殴れます、任せてください」
私の思考はパージしていた。