呪術
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今回の出張は1週間もかかってしまった上に帰ってこれたのは夜中の2時を少し過ぎた頃。
このまま一旦自宅に戻っても良かったけれどまた高専まで出てきて報告書を作成するのが面倒なため荷物片手に駅まで伊地知君に迎えに来てもらった。
頼んでおいてあれだが、伊地知君も休んで。
駅でココアを飲み、そのまま高専まで行き、家に帰れない 人用の寮の一室に荷物を置いてから職員室に行きそこに残ってる人たちのために買ってきたお土産を渡しがてらデスクの一つに腰をおろす。
職員室には教師1人と伊地知君と新田ちゃんが残っていたが教師も新田ちゃんも10分もせず
「これで私は休みますッス」
と行ってしまい、さらにその10分後に伊地知君も「少し」仮眠してきます、と行ってしまった。
仮眠じゃなくてしっかり寝て欲しい。
夜中の2時半、冷めたココアを飲み干してキーボードをポチポチしていれば時計の秒針の音や年中休むことなく動いてるエアコンの音を聞きながらため息を吐き出して椅子に深く腰掛け目頭を強く押さえた。
眠いし眠くて、眠くて眠いし、眠いから眠くて目を閉ざした瞬間体がふわっとした感覚に慌てて目を開く。
寝るところだった。
呻いてから背を伸ばしポキポキと骨が鳴りまたポチポチとキーボードを押してから文書の作成を終え保存する。
その一連の作業を終えてからもう一度椅子の背に体を預けて天井を見上げるとそこには 天井ではなく白い大きい人間が、悟が目隠しをずらして私の顔を見下ろしていた。
お前いつからいた。音がしなかったぞ。
チラと職員室の出入口を見れば扉が開けっぱなしなのでわざと音もなく入ってきたのだろう、何か言えや。
それでも私を黙って私を見下ろすビー玉のような青く透明に透き通った瞳と見つめ合っていれば思わずポツリと口から出てきたのは
お疲れ様
でも
久しぶり
でも
綺麗だな、でもなく
「好きだなあ」
というもの。
「は、」
「何でもない」
私の呟きに悟は口をパクパクとさせ驚いたようにほんの少し目を見開いて言葉を探しているがそれよりも前に私は会話を終わらせる。
「何でもない」とは言ったが悟の顔を見上げることはやめず悟の首元と耳の先っぽがほんの少し赤くなっている。
そういえば悟は私からの不意打ちに弱いんだったな、と思い出し口角が上がってしまう。
「 好きだよ悟」
ともう一度言えば悟は目を泳がせ首から頬までも赤くなっている。哀れな。
いたずら心が芽生えてしまったが悟を構っている暇があったら寝よう。今なら帰る余力があるので帰って寝ればいいだろうしパソコンの画面を黒くしてから立ち上がろうとすれば肩をグッと抑え込まれ椅子から立ち上がれなかった。
頬まで赤くなった悟が私のことを見下ろしており目を覆っている布を戻し笑顔を向けてきた。それはもう特大なもの。
「僕も好きだよ!もう1回言って!」
と笑みを浮かべている悟に私は「はあ、」答えつつ
「好きだよ」
と言えば嬉しそうに額に口づけられ私は悟の耳たぶをくすぐる。
が、その気分になったら面倒なため指を絡めて繋いでこようとした手を払って立ち上がり
「じゃ」
と手を振れば
「僕のこと待っててくれる?」
の一言に「ねえわ」とだけ返し、荷物の置いてある寮へと向かい荷物をもつと高専に置いていた己の車に乗って夜中の3時の道を走らせ帰宅した。
風呂も洗濯も何よりも先にとにかく眠るために服を脱ぎ捨てベッドに転がり気絶するように眠ってしまった。
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