テニスの王子様
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私には好きな人がいる。立海テニス部部長。知らない人のいない存在、幸村精市。
体育の授業でテニスをすることとなり、全く未経験だった私に優しく教えてくれためちゃくちゃ優しい人。もれなく落ちた。
おむすびころりんみたいに転がって例にもれず好きになってしまったのだ。
クラスは同じ。話しかければ返してくれるし向こうからも話しかけてくれるけれど。
お昼を食べ終わり仲良し組と話しているのだがゲンドウポーズでボソボソと相談すると面白がって声もひそめつつ付き合ってくれる。
「……チョロインさんよ、私 ……」
「普通だって」
「幸村くんだもん、仕方ないよ」
慰めなのか何なのかわからないセリフに息を吐き出してしまい
「碧井ちゃん、どうしたの?」
「ひっ?!幸村っ!?」
が、いつのまにか横にいて、仲良し組が両手をあげ首を振ったので多分たった今さっき来たのだろうが、幸村の笑顔になぜか友人は青ざめており 私は幸村を見ると「うん?」と首をかしげられた。
「好きな人の話し?」
「どこから聞いてたの……」
「幸村くんだもん、仕方ないよってところから」
友人は頬を引き吊らせ私は私で、それ完全にバレてる案件ですよね状態である。
好きな人の話しで幸村くんだもんという節で完全にバレている案件ですよ。マジで。
それなのに幸村は誰が誰を好きって話しなの?なんて楽し気に会話に加わり遠くでテニス部員が引いている。
そこは引かないで欲しいかな。お願いだから。
「碧井ちゃんの好きな人って話題でいい?」
「うん!そうなの!」
「難しいねって!」
友人は軽率に私を売り、売られた私は友人を睨みつつ幸村に想いがばれていないのを祈り、その祈りは通じなかった。
「へぇ、難しい人、ね。弦一郎とか蓮二?丸井はあれで分かりやすいから難しくないよね?それともテニス部員以外?」
何でテニス部のレギュラーに限定して話を進めていたのかめちゃくちゃ大きい疑問なんだけど楽しそうに笑っているあなたが一番難しい人なんですよ、なんて言えるわけがない。私にももっと強い心が欲しかった。
「碧井ちゃんのタイプか……是非知りたいな」
タイプではなく「You!」と言いたいが言えず笑って誤魔化そうとしても幸村は許してくれず、クラス内の男子の名を一つ一つ上げていく。
私がボロを出すのを待っている。
性格悪いな!初めて知ったぞこれ!
難しそうな人物の名前をあげていたその中で自分が入っていないことに気づいているのかいないのかわからないが、ちょっとすがる思いで友達に視線を向けるとサムズアップされた。許さない。
「うーん…わからないなぁ…ヒントある?」
なんでそこまで食い下がると思いつつサブズアップをしている友人が口パクで「チャンス!」と告げた。その言葉を背中に背負い必死になって言葉を紡いだ。バレたらその時だ!知らん!
「ヒント、テニス部」
もうほぼ答えである。
「じゃあ弦一郎か。柳生か仁王の線もあるな。」
弦一郎はわかったけど、ごめん後半2人は知らないです。が、候補で出したってことは気づかれてないってことだし
「他のヒントは?」
「……優しいし、鈍い……」
目の前で話しているのに気づかないんだから鈍いよねってことだ。
しかし幸村は「優しくて鈍い」でなぜか柳くんを見て、でも柳くんは気づいていない。
「うーん……碧井ちゃんの好きな人って、俺だって思ってたんだけど……」
「えっ」
「え?」
思わず出てしまった声は当然だけど許して欲しい。幸村は目をパチパチさせてからふわりと笑い私の両手を握りしめてきた。ひいっ…死んじゃうよぉ……。
「俺って難しい?結構分かりやすいと思うけどなぁ」
「えっ、いや、だっ、そ……」
「アプローチ、気づいてない?好きでもない子の下の名前なんて呼ばないよ?碧井ちゃん」
「ひぃ……」
もれなく私の心臓が救急車に乗り、幸村は私の耳元で囁いた。
「誰にも渡さないし、渡すつもりもないからね、」
碧井ちゃん、と蜂蜜を煮詰めたかのような甘い声にもれなく私の心は無事病院まで搬送された。
私まだ好きって言ってないのに!!!
2025/12/28